竜†恋(サバト鍋) 感想

総評 160/200(優)

『サバト鍋』というニトロファン向けのアミューズメントディスクに収録されている短編ラブコメディ(AVG)。プレイ時間は2時間に満たない。

世界観は、叙事詩『ニーベルンゲンの歌』にインスパイアされた、竜の女の子が登場するファンタジー。作品全体に”何でもあり”な雰囲気が漂っているが、実はけっこう作り込まれている節があり、考察にも向いた作品になっている。

『竜†恋』のシナリオは、素直に面白い。そしてシナリオだけでなく、音楽も良い。『サバト鍋』の価格は安い(3,990円)ので、ぜひサウンドトラックと合わせて購入することをオススメする。ニトロファンでラブコメ好きなら、きっと満足できると思う。

シナリオ 75/100点

ドラゴンが何処からか襲来してきて、人の住む町を徹底的に破壊していく世界。

主人公はある日、爬虫類のような目をした女の子に出会う。
その女の子は、貴き白の竜姫。
「がおー」と言って口から光線を吐き、あらゆるものを破壊するドラゴン。

竜の逆鱗に触れた主人公は、その日から竜姫に付き纏われる。
なぜ自分なのか? 確かな理由は分からない。
理由は分からないが、竜姫は”何故か”主人公を気に入っていて、
“何故か”主人公と恋っぽいことをしようとする……。

本作品に登場するキャラクターたちのなかに、まともな人格者は1人もいない。
名前のあるキャラクターも、1人としていない。

主人公は、「死ね」が口癖の、反抗期真っ盛りのスれた学生。
そんな彼を育てた母親は、母子相姦願望のある対竜機甲師団師団長。
普段から主人公とセックスすることばかり考えていて、
逆レイプで主人公の童貞を奪った竜姫とは、もちろん仲が悪い。

『竜†恋』のシナリオは、物語の設定や展開、テキストに至るまで、いろんな意味でクレイジーだ。”何でもあり”な雰囲気があって、何があってもおかしくはない、と思える。
実際、『竜†恋』を冷静に読むと、荒削りで無茶苦茶な話ではある。が、この作品は短編であるがために、そうした無茶に起因するストレスが小さい。

また、『竜†恋』のシナリオにはちゃんと筋が通っている。どこぞのエロゲのように、設定だけで展開の無理を押し通したりはしない。こういう”まともな”プロットが透けてみえるあたりを、構成を重視する当サイトとしては高く評価したい。

グラフィック 50/60点

基本CG枚数は、ヒロインが10枚、その他(戦闘機等)が6枚。エロシーンは4本で、すべて主人公とヒロインのもの。

演出は、 3,990円で3本入っているうちの1本とは思えないくらい、凝っている。キャラ絵や背景、テキストの表示位置は一定でなく、場面ごとに変化する。あるシーンではサウンドノベルのように表示され、またあるシーンでは、左右にキャラ絵が表示され、中央にテキストが表示されたりする。それでいて、テキストは読みづらくはなく、むしろこうだからこそ面白く読める。

ちなみに、竜姫のキャラクターデザインは、某少年向けラブコメのヒロインに似て……いなくもない。が、あくまでも初登場は”こちらが先”である。

音楽・声優 20/20点

ボイス無しにつき、声優分の点数はシナリオに転嫁。

音楽は、短編なのに、ヴォーカル曲が充実している。なかでも『萌えて進め!』は中毒性があり、テーマソングの『とある竜の恋の歌』も素晴らしく良い。本編終了後は、きっと少なからぬ数の方々がOSTの発注をかけるに違いない。

システム 15/20点

基本システムについては、不満なし。無意味な装飾がないぶん、軽くて良い。

エッチ内容について

竜姫(4)
逆レイプで処女喪失、アナルセックス、後背位、パイズリ、フェラ、スパンキング、その他

(留意点) 処女・独占。ちなみに、このレビューでは、ヒロインのことを「竜姫」と表記しているが、巷では「恋するドラゴン」と呼ばれることも多い。

作品情報

タイトル 竜†恋
ブランド Nitro+
発売日 2005年12月29日
パッケージ通販 Amazon