義妹だからできること、妹じゃないとダメなこと。 感想

義妹だからできること、妹じゃないとダメなこと。

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概要と評価 130/200(可)

本作のあらすじ
翔と唯は、兄妹でありながら両想いだった。しかし、お互いの気持ちを打ち明けられずにいた。義母の高藤ゆかりは、元夫の弟である高藤不二夫と再婚することになった。不二夫には、伊織という連れ子がいた。伊織が家にやってきた時、高藤家の兄妹関係は、単に妹が一人増えたという以上の変化を迎えることになる。

感想の要旨
かなり複雑な家庭環境で起こる愛と憎しみの近親関係を描いた作品。不自然でショッキングなシーンに対し、どのくらい寛容でいられるかによって、評価が大きく変わってくる。雑なシナリオがダメな方には向いていない。

エロシーンの属性
近親姦特化。和姦、陵辱、両方ともに有り。寝取られ的なシーンも有り。露出・羞恥プレイ、イラマチオ、アナルセックス有り。

目次

  1. クズな兄を愛する健気な妹達
  2. ショッキングシーンのバーゲンセール
  3. エロについて
  4. コメント

1. クズな兄を愛する健気な妹達

私の購入動機は伊織だ。体験版をやってみたところ、頭のネジが弛んだ痴女の”義妹的”存在の彼女に心惹かれたのだ。製品版での彼女も相変わらず奇妙な痴女だった。兄専用の肉便器であるかのようにさえ振る舞う。もちろん彼女がそのように振る舞うのも、彼女なりの目的があってのことだ。そして、その目的が、かなりエグい。ヤンデレな妹が好きなら、伊織のキャラクターはおそらくツボにはまるだろう。

一方、翔の妹である唯は、無条件で兄を慕うテンプレ的な妹だ。勉強はできる設定だが、本編中での彼女の行動をみていると、あまり頭の良い子には思えない。CVは鼻にかかったような媚びた声で、演技臭さを感じずにはいられなかった。個人的にあまり好きなタイプのキャラクターではないが、本編のどのルートに行っても扱いがひどいので、気の毒な子だとは思う。

さて、その伊織や唯から無償の愛を注がれる翔は、兄としてどころか、人間としても見下げ果てた男である。この男が語る愛は、妹との近親相姦を正当化するための方便でしかない。彼は、伊織にも指摘されているとおり、「血の繋がった唯一無二の家族――『妹』という、存在こそが好き」なのであり、実は恋愛ごっこの相手そのものが好きなのではない、と思われる。

しかも彼には、いわゆる処占の気がある。事実、彼は、「妹が非処女である」とか「妹が他の男と寝ている」という疑いを持つと、相手の男を責める以上に妹を責め立てる。しかし、一方で彼は、意志が弱くて流されやすいために、彼女以外の女とも平気でセックスをしていたりするのだ。こんなクズ野郎だから、私は寝取られ的な展開になったとき、悔しいと思うどころか、むしろ「ざまぁみろ!」と手を叩いて喜んだくらいだ。

もっとも、本編終了後の「ことのうらがわ」をみると、翔のクズっぷりには理由があったことが分かる。しかし、それは到底納得のいくものではない。

納得できない理由(ネタバレ)
精神を衰弱させる薬を毎日投与されたからといって、善良な人間があそこまで徹底してクズのように振る舞えるとは思えない。彼は、自分を慕ってくれて身体まで捧げる伊織を、(性処理のために)都合の良いニセモノの妹と呼んだ。精神が衰弱すると、こんな発想がさらりと出てくるものなのだろうか? 私には、やはり彼はどうしようもない人間で、薬なんか投与されなくても最終的には同じように振舞った、と思える。

2. ショッキングシーンのバーゲンセール

本編のストーリー展開には、かなり違和感がある。というのも、体験版以降の展開では、ショッキングな場面がいくつか出てくるが、それがあまりにも不自然だからだ。見せ場となるシーンを継ぎ接ぎしたような展開だ。ショッキングな場面に向けて徐々に盛り上げていく描写が足りないが、読み手を驚かせようとする意気込みだけは伝わってくる。まるでアマチュア小説でも読んでいるかのような気分になった。

本作では、そうした不条理を全部、本編終了後の「ことのうらがわ」で解消する構成を取っている。この構成は、例えば、本編で焦点化されながら未解決であった重大な謎をそこで明らかにする、という目的であれば、成功するかもしれない。しかし、いたずらにショッキングな場面ばかり散りばめておいて、結局何が言いたいのかさっぱり分からないような本編を前提とするなら、うまく機能しないだろう。

本作の場合、「ことのうらがわ」で語られている内容はただの後付にしか見えない。それゆえ説得力がなく、安直でひどいプロットだという印象をさらに強くした。プレイヤーの注意をひく場面を考えるのは良いが、そこに至るまでの展開についても、制作者はもう少し深く考えてほしい。

3. エロについて

エロシーンは、和姦が主。ただし、陵辱的なエロシーンも多くある。ほとんどの場合、ヒロインは翔とエッチするが、他の男に抱かれることもある。

エロシーンの内容は、和姦ではノーマル志向。陵辱的なものでは、露出・羞恥プレイ、イラマチオ、アナルセックスもある。外出し、コンドーム着用がわりと多い。中出しは、ほとんどの場合、陵辱セックスで行われる。

動画は8本あるが、どれも動きがぎこちない(要求スペックを満たしている私の環境の場合)。前作から思っていることだが、この程度の出来なら無いほうがいい。

4. コメント

シナリオの作りが稚拙。前作ではヒロインの頭が弱かったが、今作は登場人物全員、頭がおかしいと思った。しかし、シーン単位で衝撃的な内容だったのは確か。「多少不自然であっても構わないから、強い刺激が欲しい」という方なら、楽しめる作品かもしれない。

  • 総合評価 130/200点
  • シナリオ 20/60点
  • グラフィック 65/80点
  • 音声 25/40点
  • システム 20/20点

作品情報

CGと声優の詳細
CG・エロシーン
原画 ティータ.J
CG枚数 63枚(+動画8本)
エロシーン数

23本

内訳

伊織 9/唯 9/ゆかり 3/馨 1/唯+伊織 1

アナル修正 肛門無修正
声優リスト
伊織 唯香 市川みぃ
ゆかり 桜城ちか 風見トーリ
不二夫 越雪光
タイトル 義妹だからできること、妹じゃないとダメなこと。
ブランド Mink EGO
発売日 2013年6月28日
ダウンロード販売 DLdou DMM
パッケージ通販 Amazon 駿河屋