フラテルニテ

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Summary

本作のあらすじ
白坂家は、強姦されて以来ずっと引きこもっていた長女(美桜)の希望により、新しい町へと引っ越してきた。美桜は、級友(友佳)の勧めにより、学外の『友愛クラブ』と呼ばれる怪しい集会に出入りする。姉の行動を不審に思った大智は、彼女の後を追ってクラブに潜入し、そこで信じがたい光景を目にしてしまう。

レビューの要旨
決して面白い話ではなく、実用に完全に特化しているとも言いがたい。エロは極端なニッチ志向であり、これで実用できる者は限られている。しかし、その一部の人々にとっては希少価値の高い作品となり得る。エロシーンには感覚に訴えるリアリティがあり、ビジュアル、テキストの両面でクオリティが高い。システムは、業界最高レベルで使い勝手が良い。

エロシーンの属性
監禁、虐待、ドラッグ、スナッフなど背徳的なエロシーンばかり。特定のプレイに特化しているわけではなく、ハードなBDSM全般を網羅している。食糞を含むスカトロや人体の損傷をともなうプレイも、少なくはない。

目次

  1. ある意味では中途半端、だが駄作ではない
  2. 闇と麻薬と彼女の屍体
  3. エロゲ界最高のユーザビリティ
  4. 感覚に訴えるリアリティ

1. ある意味では中途半端、だが駄作ではない

本作は、冒頭で示唆された救いのない結末に向かって、淡々と突き進む予定調和な作品だ。第一の犠牲者が出たあたりで、多くの人がハッピーエンドなんてあり得ないことを悟るはずである。そしてハッピーエンドがないのであれば、この悲惨なストーリーの着地点はおおよその察しがつく。

はましま+CLOCKUPの前作(euphoria)は、実用性とともに高いエンターテインメント性を持った作品であった。それがご都合主義の誹りを免れない内容だったとしても、面白いものは面白いのだ。

そのeuphroiaに対し、本作は「面白さ」を切り捨てた作品である。終始陰鬱で、どんな輝かしい未来も待っていない。大智は姉を救う希望を持っているが、プレイヤー視点ではその希望が実現しそうにないことが何となく分かる。だから、序盤を過ぎてある程度事情を把握した段階になると、ハラハラもドキドキもしない。ただ救いのない結末が訪れるその過程を見守るばかりだ。

では、本作は実用性に特化した作品なのかというと、それも違う。もし本作が潔く実用性に特化したならば、例えば瑛や千喜のようなキャラクターは不要である。彼らはプロット的に重要な役割を担っているが、実用面において価値のある存在とはいえない(極ニッチな需要を狙えるかもしれないが、本作はそれをメインに据えていない)

本作は”面白く”ないし、素直に実用に特化しているわけでもない。そういう意味では中途半端な作品だ。しかし、だからといって駄作として切り捨てることはできない。後述するように、むしろ人によっては名作と見做し得る価値を備えているために、評価に悩む作品である。

2. 闇と麻薬と彼女の屍体

姉にフェラチオされる主人公

友愛クラブに通う少女達の肌は、死の暗い色調を帯びている。まぐわう彼女達の瞳は相手越しに、ここではないどこかを見つめているように思える。一人一人が異なる魅力を持った肉体は痛めつけられ、使い物にならなくなるまで壊されていく。

それでも彼女達が異常な性行を止めないのは、肉体的な快楽のみを原因としているわけではない。それ以上に彼女達が依存しているのは、ドラッグと洗脳によってもたらされた精神的な快楽だ。

彼女達はどれだけ肉体を傷つけられても、肉体的苦痛を快楽と錯覚することができる。声は悲鳴をあげているのに、その行為が気持ちいいことだと思えるのは、それが「救い」に繋がると認識しているためだ。この点が、ドラッグや調教によって引き出された肉体的快楽に焦点をあてた普通の陵辱作品とは大きく異なる。

本作のエロシーンは、ヒロイン視点で描かれることが多い。拷問的な行為によってただ苦痛に耐える心境や、痛めつけられ罵倒されてもただ快楽のみを覚える壊れた心理が淡々と描写される。男である大智視点は、比較的まともな彼の嫌悪感を、ヒロインの恍惚と対比する形で描かれている。

明らかに正常でないヒロインの心理状態を徹底的に掘り下げることが、本作のエロの肝となっている。それに加えて、監禁、虐待、ドラッグ、スナッフ系のとびきりハードなプレイの数々が、ビジュアル的なエロさを黒一色に彩っている。

本作を実用目的で手にする者は、このことをよく考えてみる必要がある。すなわち、死にかけ、または死にたがりの狂人相手のセックスや拷問じみたプレイを観ることで、自分の性的欲望は満たされるのか、ということを。

満たされるのであれば、購入する以外の選択はあり得ない。本作は、貴方にとって他のどんな作品よりも素晴らしい実用性を持っているに違いないからだ。

私は過去に、『えろげー!~Hもゲームも開発三昧~』のレビューで、こう主張したことがある。

(前略)フェチズムの追求とは一般的価値観からかけ離れることを本質とする以上、それがある性癖を極めた形で実現されるのであれば、度が過ぎて悪いことなど何一つない。

これは今でも思っていることだから、当然本作に対しても有効である。

本作は、死をイメージさせるキャラクターの存在感、病的で倒錯したヒロインの心理描写、人体の損傷さえともなう過激なエロシーンと、一般受けしない要素が3つも揃っている。しかしながら、それらが組み合わさって類まれなシナジーをもたらしている。その効果がセールス的にプラスになるかどうかはともかくとして、どう考えても一般受けしない、鋭利に尖った作品を世に出した心意気は賞賛に値する。

3. エロゲ界最高のユーザビリティ

エロゲ界最高峰のシステム

CLOCKUPといえばシステムの使いやさにもともと定評のあるブランドだが、今作では、euphoria以前からみてさらに極まったものになった。

本作では、画面サイズの変更、バッググラウンド動作の可否、特定の演出カット、選択後のスキップまたはオート継続、射精箇所の自動選択、メッセージウィンドウまたはバックログの透過、射精カウントダウン、個別音声、ボイス停止のタイミング、確認ダイアログの非表示などの設定は、すべて可能である。もちろん、クリックしてもオートが解除されたりはしない。

選択肢でセーブすると、その選択肢がコメント欄に自動で挿入される。また、セーブデータは自由に移動でき、コピーすることもできる。これらは、自力で攻略する際に非常に有用な機能である。

総プレイ時間やシナリオ達成率が確認できる機能も地味に嬉しい。ADVをやっていると、「いつ終わるのか」と不安になることがある。ADVには他のジャンルと比べてプレイヤーが関与する余地が少ないので、途中で醒めやすいのだ。そういうとき、書籍を読むようにいつ頃読み終わるかの目安があれば、やる気の低下を抑えることができる。

4. 感覚に訴えるリアリティ

多数の洗濯ばさみで挟まれた乳房でパイズリフェラ

本作のエロシーンには、感覚に訴えるリアリティがある。

他の作品では強姦されてあんあん喘いだり、性器や乳首にピアッシングされても大して痛がらなかったりすることがある。しかし本作の場合、感覚が正常な状態で痛いと感じるものは痛いのである。敏感な部分に針を刺されれば絶叫するし、年端もいかない少女が犯されて快楽を感じるはずもないのだ。

洗脳されていないヒロインにとって、苦痛はどうあっても苦痛でしかない。ヒロインがそれを「気持ちいいことだ」と思っている場合は、洗脳状態にある彼女が苦痛こそ快楽と錯覚しているからにすぎない。「乳首にピアッシングされて気持ちいい」のではなく、「乳首にピアッシングされてすごく痛い、”だから”それは気持ちいいことなんだ」という上書きを経て快楽を感じていることが伝わってくる。

また、嗅覚や味覚についても同じようなことがいえる。恥垢まみれのペニスを頬張れば、ひどい臭いや味を覚える。食糞をさせられれば、吐き気を催す。しかし、だからこそ、ヒロインはそのような行為をすることで精神的な快楽を得られるのだ。

暴力的なエロシーンでは、流血をともなうことがある。叩かれたり蹴られたりした部分は、赤く腫れ上がる。手加減抜きで鞭打たれた肌は切り裂かれ、真っ赤な血が滲み出る。使い潰された性器や肛門は黒く変色している。こうした細かい演出が、暴力的なエロシーンに説得力を与えている。

作品情報

CGと声優の詳細
タイトル フラテルニテ
ブランド CLOCK UP
発売日 2014年07月25日
ダウンロード販売 DLsite DMM
パッケージ通販 Amazon 駿河屋