魔女の鎖 感想

魔女の鎖

ストーリー概要

家庭の事情で寂しい思いをしていたルエは、紆余曲折あって、魔女が住んでいるという塔に訪れる。そしてルエは何故か塔の”魔女”に気に入られ、何故か女装をさせられたまま姦される。ルエはそれをイケナイことだとは思いつつも、寂しさと情欲の疼きから、再び魔女の塔へと赴いてゆくが……。

本作品のシナリオは、ルエと魔女とで8章ずつに分かれており、それぞれの視点から物語が展開していく。

総評 70/100点(良)

まず前提として、本作品の属性は女装ショタおよびフタナリで、しかもショタ受けだということに注意。さらに、同級生(♂)たちが主人公(♂)を姦すシーンもあるので、そのあたりも要注意。

以上を踏まえた上で本作品に悪い意味での偏見がなく、むしろ好物だという方にはガチでおすすめ。ストーリーは荒も多いが、いちおう最後まで興味を持って読めるレベル。エロテキストは心理描写を重視していて、卑語抜きでもエロい。CG、音楽、声優さんの演技も、総合的にみれば良好だ。

シナリオ 20/30点

『魔女の鎖』の世界観設定は、詰めが甘いというか、真面目に構想を練られている気配がない。ファンタジーな世界観のなかに、何故か現実っぽい学園生活が紛れ込んでいるあたり、中途半端な印象を受ける。また、キャラクターの行動動機や設定も掘り下げれておらず、作者の都合に合わせた物語展開が鼻につく。

だが一方で、本作品のテキストには、プレイヤーを物語のなかへ引き込んでいく力がある。読みやすいだけでなく、キャラクターの心理の描き方が(エロゲとしては)なかなか上手い。このテキストの良さのおかげで、ありがちなエロシーンも実用に耐えうる出来に仕上がっている。

本作品に世界観や設定その他の不備が多々あることは否めない。が、最後までプレイヤーを退屈させないテキストや、強引ではあるが引き込まれる物語は素直に評価したい(※過度な期待は禁物)。

CG 20/30点

基本CG枚数は22枚、エッチシーンは12本。税込1,365円という価格からすると、必要十分な程度。

CGの顔のバランスは悪いが、表情については差分が多く、実用に耐え得る。無修正のアナルは、内側のピンクの肉が少し捲れて見えるような描き方で、アナル好きのツボをちゃんと押さえていると思う。

音楽・声優 15/20点

『魔女の鎖』の音楽は怪しげで幻想的な、本作品の世界観にピッタリと合う曲ばかり。個々の曲の自己主張も控えめで、同人作品のBGMとしてはかなり良い仕上がりだ。

声優さんの演技については、魔女役は魅惑のお姉さん系の演技で、たいへん良かった。一方、ルエ役はショタ声で頑張っているものの、喋り方が少しかたい印象を受けた。

SEはあるけれども、残念ながらOFF推奨。如何にもわざとらしい音の数々が、聞いている側を白けさせる。

システム 15/20点

クイックセーブなどの機能はないが、本作品のシナリオ分岐は一点しかないし、物語は短い章ごとに分かれているので問題ない。ただ、ギャラリーモードのとき、選択した基本CGのすべての差分を見なければ戻れない、という仕様は何とかしてほしい。

作品情報

タイトル 魔女の鎖
ブランド なにかもどき
発売日 2008年8月8日
ダウンロード販売 DLsite DMM