概要と評価 190/200(秀)
作品のあらすじ
主人公は昔から、祖父宅の秘密の地下室に女を監禁して奴隷にしたいという願望を抱いていた。祖父が倒れたのを好機として、主人公は夏休みの間、祖父の家で一人暮らしをすることにした。主人公は、幼馴染だがまったく親交のない女学生、白井美月を拉致監禁し、陵辱の限りを尽くす。
感想の要旨
本格的な監禁陵辱物として非常に優れた作品。色恋の要素はほとんど無く、一人の可憐な少女を心身両面から徹底的に追い込んでいく。シナリオもグラフィックも素晴らしい出来であり、陵辱ファンならぜひ買っておきたい作品だ。
エロシーンの属性
地下室での監禁陵辱に特化。口淫奉仕、排泄管理、リョナ要素あり。詳しくは、「エロシーンについて」を参照。
目次
- 無慈悲な監禁陵辱の傑作
- エロシーンについて
- コメント
1. 無慈悲な監禁陵辱の傑作
夏ノ鎖は、少年に拉致監禁された一人の少女が身も心も破壊されていく過程を、非常に生々しく描いた作品だ。
暖かく裕福な家庭で育てられた白井美月は、将来はヴァイオリニストになることを夢見ている。今まで正しい世界に生きてきた彼女には、理不尽を受け入れる素地がない。彼女は容姿端麗で有能で意思が強く、密かに恋慕する相手さえいる。そんな彼女が、自分を拉致した異常者への隷属など到底受け入れられるはずもない。しかし、美月のそういう正しさは、秘密の地下室では彼女をよりいっそう苦しめる要因でしかないのだった。
出典:CLOCKUP『夏ノ鎖』DL版
一度辱められた程度では、理不尽を受け入れられない。
主人公は、美月が少しでも反抗的な態度を取ると、容赦なく暴行を加える。言葉で辱めるだけでなく、愛のないセックスで肉体と心を傷つける。鎖で繋がれた彼女に下着を身につけることを許さず、自分に逆らう言動の一切を許さない。食事はほとんど与えず、自分は彼女の傍でこれ見よがしにカップ麺やスナックを貪る。奴隷である美月には常にアナルプラグの装着を義務付け、彼女の排泄さえ管理している。
監禁をテーマとするエロゲーは数多くあるが、本作と同じくらい悲惨な作品は少ないだろう。本作には、犯罪者が監禁した少女に惚れるだとか、快楽を与えてやるといった要素が乏しい。その代わりに、気高く可憐な少女に苦痛と屈辱を与えることに関しては徹底している。
主人公は、美月を淫乱女や恋人に仕立てあげたいのではなく、彼女を自分に逆らわない奴隷にしたいのだ。美月への暴行に愛はなく、愛撫らしい愛撫をともなわない性交にあるのは苦しみだ。しかも主人公は、美月にたいへんな屈辱を与えつつも、その一方で彼女の心が簡単に壊れてしまわないよう配慮している。苦痛と屈辱によって美月を追い詰めてゆき、最高のタイミングで彼女の心を手折り、自分へ完全に隷属させようというわけだ。
夏ノ鎖はマルチエンディングを採用しているが、すべての結末に対して納得のいく過程を描いていることが素晴らしい。状況が進むなかで明らかにされていく主人公と美月の関係性や、彼らの気持ちの変化が、最後までこちらを飽きさせることをしない。
臆病で幼稚な性犯罪者が可憐な少女に繋いだ鎖は、果たして夏の終わりの後にも繋がったままなのだろうか? 本格的な陵辱作品に耐性がない方には決して勧められないが、無慈悲な陵辱劇を観たい方にはとてもオススメできる作品だ。
2. エロシーンについて
エロシーンは、地下室での監禁陵辱に特化している。地下室は通常の生活空間に近い作りになっているので、夜中に蛍光灯をつけた一室程度の明るさを保っている。美月の首輪は鎖で繋がれており、手枷足枷は陵辱時に外されることがある。全編通しての美月の衣装には、制服、ボンデージ、ドレス、猫耳、全裸がある。
性交の前には、主人公の暴力や美月の奉仕はあっても、主人公による愛撫は基本的にない。膣やアナルへの挿入時にはろくに濡れていない状態でそのままするか、潤滑油を使用する。
美月の奉仕は、口淫に特化。ペロペロと行儀よく舐めるのではなく、ディープスロートを強要されている。主人公は仮性包茎なので、包皮の内側に溜まった恥垢を舐めとることもある。私としては、美月の「服従の誓いのフェラチオ」が最高に良かったと思う。
主人公の暴行は、様々な形で行われる。顔に平手打ち、スタンガンで肌を焼くといった直接的な暴力もあれば、猫まんまを四つん這いで食べさせるといったやり方もある。美月の生理がはじまっても容赦がないが、生理時にセックスする趣味はないようだ。何にせよ、主人公の暴行は美月に屈辱を与え、彼女を心身の両面から追い込んでいく。
美月の排泄は、大小問わず管理されている。彼女は普段からアナルプラグを装着されており、排泄には許可が必要である。肛門も排泄物も無修正で描かれているが、ぽっかり開いた肛門内部は残念ながら修正されている。
出典:同上
未処理の脇毛を指摘され、羞恥する美月。
ビジュアルは、フルプライス作品と比べても遜色ない出来だ。監禁されてから日が経つと、衰弱した美月の目つきが変わってきたり、脇毛がぽつぽつ生えてくるなど細かい変化にも気配りされている。また、制服の汚れや暴行の痕はしばらく残り続けるなど、監禁陵辱のリアリティが随所に感じられる。
3. コメント
期待以上に優れた作品だった。シナリオもグラフィックもすべてが高水準だ。低価格帯で複数ヒロインに日和らずに、一人のヒロインを徹底的に辱めるという潔さが功を奏したのだろう。陵辱ゲームのファンなら、迷わず買っておくべき作品だと思う。
- 総合評価 190/200点
- シナリオ 55/60点
- グラフィック 80/80点
- 音声 35/40点
- システム 20/20点
作品情報
タイトル | 夏ノ鎖 |
ブランド | CLOCK UP |
発売日 | 2016年03月25日 |
ダウンロード販売 | FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |