概要と評価 190/200(秀)
作品のあらすじ
宇宙連邦政府が樹立し、人類の再統合がなされても、ネオ・テラーズ(旧人類派)とニュー・ソラル(宇宙植民派)が対立している時代。
ヘルメス紛争におけるニュー・ソラル派の英雄ユーリアとエリザが、惑星ヘルメスのニュー・ソラル派士官学校「カールソン学園」へ、特別教官として赴任してきた。カールソン学園の生徒会長にして反ニュー・ソラルの工作員であるペインとその仲間たちは、敬愛するボスからの指令にしたがい、彼女たちを洗脳改造し、牝奴隷にする計画を実行に移す。
感想の要旨
監獄戦艦の様式美を受け継ぎながらも、外伝的な面白味のある作品。肉体改造は段階的に行われ、その成果は慰安任務でちゃんと確認できる。様々な種類のハードプレイが用意されており、どれもたいへん唆られる内容だった。
エロシーンの属性
洗脳改造シーンは機械姦。輪姦乱交、口淫、大量精飲、露出、アナル、スカトロ、妊娠ぼて腹などあり。詳細は本文にて。
監獄戦艦の様式美を継承する外伝的ストーリー
『監獄アカデミア』は、監獄戦艦シリーズの外伝的作品だ。そのストーリーは、基本的には監獄戦艦の伝統的な形式に則っている。
主人公とその仲間たちは、有能な女将校相手に逆転の応酬を繰り広げ、最後まで油断できない状況が続いていく。一方のヒロインは新婚の人妻だが、もう一方は処女。処女のほうは洗脳下にあっても理性が拒絶するのか、慰安任務にもやや戸惑いがちだ。主人公は、自分がそのとき選んだほうのヒロインを独占的に調教し、もう一方を仲間たちに任せ、集団で嬲らせる。――そうやってヒロインに洗脳改造を施していくわけだが、話の着地点もシリーズのファンなら見透かせる内容だ。
しかし、ナンバリングされた作品と違って、本作の主人公はボーガンではない。今作の主人公は、ボーガンに救われたことで彼を敬愛しているネオ・テラーズ派の少年ペインだ。
出典:Anime LiLiTH『監獄アカデミア』DL版
この厨二病と野心あふれるドヤ顔……悪ガキはこうでないと。
ペインは、ヒロインたちへの復讐心に突き動かされつつも、決してそれだけでは終わらない大望を胸に抱いている。ペインはボーガンを心から尊敬しているからこそ、彼がそうであったように、自分も大きく困難な目的をやり遂げようとしている。その過程でボーガンと敵対するとしても、それは覚悟の上でのことだ。
そんなある意味ボーガンそっくりの性格をしたペインが洗脳改造することになるのが、ユーリアとエリザだ。
監獄戦艦に乗るヒロインは、シリーズが進むたびに、目的のためなら他人の犠牲を躊躇わない非情さを強める傾向があった。特に監獄戦艦3のクシャナ母娘のサディストぶりは、とても酷いものだった。
それに比べて、ユーリアとエリザのキャラクターは、ずいぶんとマイルドになっている。
特にユーリアは、軍人として冷徹な判断力を保ちながらも、他人への思いやりを捨てていない。ユーリアは、社会正義のためなら自分を平気で犠牲にできるタイプの英雄である。かつてのリエリに少し似たところがあるが、彼女よりも生真面目さが強く出ている。
出典:同上
ユーリアの潔癖とも呼べる高潔さ。
ボーガンを敬愛する主人公が、ボーガンが譲り渡した技術を使って、これまでとは少し違うタイプのヒロインたちを洗脳改造する。この微妙なズレ具合が素晴らしく外伝的であり、ナンバリングタイトルにはない新鮮さを味わわせてくれるのだ。
監獄戦艦シリーズ年表における本作の位置づけ
監獄戦艦シリーズは、2作目まではその年代をほとんど明らかにしてこなかったが、3作目から地球暦、宇宙暦、新宇宙歴と細かく提示するようになった。本作もその流れに乗っている。
これによって今まで曖昧だった時系列がずいぶんと整ってきたので、簡単にまとめてみた。
こうしてみると、我らがボーガンは、ずいぶんと激しい生き方をしている。命がいくらあっても足りないように思うが、ペイン少年も憧れに殉ずるならこうなるのだろう。
ボーガンとペインが出会った時期と、今回の作戦時期をみると、これまた余裕のない時期である。それでも大物然とした態度で接していたボーガンには、歴代ヒロインに負けないくらい人間離れしたものを感じる。
段々とエスカレートしていく洗脳改造
洗脳改造技術はボーガンが与えたものなので、基本的な仕様はこれまでと同じだ。
すなわち、ヒロインに新たな人格を植えつけ、元の人格は最終的には排除される。洗脳改造の副作用を抑えるためには性欲を刺激するのが有効なので、ヒロインに慰安任務を行わせる。人格は合図によって切り替わり、今回の場合は学園のチャイムの音が合図となる。洗脳調教時の記憶は偽の記憶にすり替えられ、ヒロインは調教時のことを基本的には覚えていない。
出典:同上
今作の洗脳改造は、派手で見栄えのあるマニアックなものばかり。
肉体改造は、浸食型性神経活性型ウィルス――通称ビッチウィルスを用いて行われる。このウィルスに感染すると、どんな淑女でもビッチ化させられる。さらに、特殊な電波を用いて、好きな部位の淫乱感染を進行させることもできるという。
肉体改造は、一度に全部を行うのではなく、段階的に追加されていく。そのメニューは、以下のとおりだ。
これらの肉体改造の成果は、次の慰安任務で披露される構成になっている。例えば、口や喉の性感が増したなら次の慰安任務では大量精飲が行われ、アナルの感度が増したならアナル責めや脱糞プレイが行われるという具合だ。
容赦のないエロシーンの数々
洗脳改造中のエロシーンは、ほとんどが機械姦だ。ヒロインは無機質な器具に拘束され、ニードルやチューブ、アームといったもので淡々と肉体改造される。これらは単独のエロシーンとして成立するほど尺が取られていて、機械姦や肉体改造が好きな私からみて、とても満足できる内容だった。
ユーリアとエリザは、学園のチャイムが鳴ると人格が入れ替わり、慰安任務に従事させられる。慰安任務とは、「女性兵士が己の身を捧げ、卑しい娼婦メス豚となることで、男性兵士の性的欲求を発散させる」崇高な任務らしい。この名目で、彼女たちは、学園内で肉便器として扱われることになる。
エロシーンとしては、機械姦のほか、輪姦乱交、口淫、大量精飲、露出、アナル・スカトロ、妊娠ぼて腹プレイなどがある。特に今回は、口淫、大量精飲、アナル・スカトロあたりに力が入っているように思う。
口淫は、イラマチオ、ディープスロート、包茎チンカス舐め取り(一部動画)、壁穴フェラなど一通り揃っている。大量精飲は、開口具とチューブを連結して強制的に飲ませたり、ボトル一杯分をストローで飲ませたりする。
アナルに関しては、そもそも本作の作画は修正なしの肛門を強調したものが目立つ。ぽっかり開いた腸内もちゃんと見える。アナルセックス(一部動画)はもちろんのこと、太くて長いディルドーを排泄したり、アナルボールを産卵(動画)させたりする。アナルセックスでぽっかり開いた肛門に、小便を垂れ流すこともある。
スカトロは、一本糞をひり出すところを撮影されたり、浣腸されて腸内で凝固した半固形物を排泄したりする。大ではなく小のほうは、卑猥な衣装を着たまま夜の街道で放尿することがある。
ユーリアのパンストやエリザのぴっちりスーツは、日常シーンだけのものではない。全部脱がすのではなく、局部だけ穴を開けたり、ファスナーをひろげるなどして、ちゃんとエロシーンにも活かされている。特にパンストの布越しに愛液が滴り落ちるシーンなどは、たいへい素晴らしいものだったと思う。
また、メス奴隷の象徴として、鼻フックを装着したり、ボディピアスや腹部に刺青を入れたりすることがある。ピアスや刺青はそれを入れるところからエロシーンになっていて、一度施せばもう元には戻らない。
エロシーンは、洗脳されて正気を失った状態だけではなく、正気の状態で行われることもある。ただし、肉体改造の効果は永続的なので、体中が性感帯になっているのはどうしようもない。
ユーリアやエリザの洗脳改造は、失敗に終わることもある。その場合、そのヒロインは容赦なく廃棄される。その扱いは人間ではなくまさにモノを扱うような具合で、例えば以下のDMMサンプル画像のような状態にされることもある(その絵が何を意味しているのかは、ぜひ本編で確認していただきたい)。
評価とコメント
監獄戦艦シリーズの様式美を継承しつつも、非ナンバリングタイトルらしい外伝的な面白味があった。原画がカガミさんからSianさんに変わったが、Sianさんの描く女性の腹筋はたいへん美しいので、個人的にはとても好きだ。
LiLiTHはソーシャルゲームメーカーになってから年間の作品数が著しく減っているが、この作品くらい素晴らしいものを世に出してくれるなら、文句はない。ただ、製品の初期バージョンに重大な不具合を残したままリリースするようなことは、今後絶対に止めてほしい(発売日昼過ぎに修正済)。
- 総合評価 190/200点
- シナリオ 55/60点
- グラフィック 80/80点
- 音声 40/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | 監獄アカデミア |
ブランド | Lilith [リリス] |
発売日 | 2017年08月25日 |
ダウンロード販売 | DLsite DMM |
パッケージ通販 | Getchu 駿河屋 |