感想と評価 170/200(優)
本作は、大味で稀少価値のある本格凌辱の傑作だ。
シナリオについて中立的に言えば、”誰にも先が読めない展開が繰り広げられる”。抜きゲーならば上々と思える一方、ダメ出しすればいくらでも叩ける内容だ。
人気作『ひぐらしの鳴く頃に』のように、設定が謎めいているからといってミステリーのようには読んではいけないという類である。そうした文脈で読んでしまうと、ストーリーの決して緩やかではない展開にばかり目を奪われ、本作の魅力を見逃してしまうかもしれない。
本作最大の魅力は、近年類を見ないほどマニアックなエロシーンの数々である。リョナと拷問じみたプレイに特化した作品として、それ以外の要素を抜きにしてもコレクションする価値が本作にはある。
例えば、赤ちゃんおむつプレイや女体のコンクリート埋込み、女学生の抜歯フェラプレイが拝めるエロゲーが、本作の他にいくつあるだろうか。しかも、ただそのようなプレイがあるというだけではなく、性的欲望を感得させる一級のグラフィックとテキストが備わっている作品は、他にあるだろうか。
グラフィックのレベルの高さは、さすがはアニス系、さすが浜島。むっちりとした女体の肉感、陰毛や陥没乳首、アヘ顔の下品さは肉便器に相応しい。性器から立ち昇る湯気は、性交の熱気だけでなく、性器と体液の臭いまで感じさせる。拷問シーンにおける一部の猟奇的行為の過程は大人の事情でカットされているが、猟奇行為後の”結果”についてはきちんと描写されているところに稀少価値がある。
エロテキストは、卑語絶叫系だ。喘ぎ声は「ああ~ん」だとか「ぺろぺろ」と上品ぶるのはではなくて、「ひぎぃいいい!」「うごごっ!」と犯される苦痛に悶える。卑語に関しては、何だか最初から飛ばしすぎな気もするが……まあいいだろう。声優さんの演技も概ね良く、特に合歓役(青空ラムネ)の演技は日常も性技もVery Good! たいへん、いい仕事をしていた。エロシーン1本あたりの尺も十分にあり、すべてのシーンが実用的だ。
エロシーンについて敢えて不満点を指摘するならば、それは意外性の欠如か。やっていることはマニアックでよろしいが、どれも1つの定型にはまり過ぎ。エロシーンの大多数が(作中凌辱ゲームの)ノルマ達成手段でしかないから、クリア条件を満たした後の発展性に欠けるせいだろう。
そのため、どのエロシーンにも、何だか完全には燃焼しきれていないような物足りなさを感じなくもない。こういう詰めの甘さが、ストーリーの大雑把さもあって、作品全体を大味なものにしているようだ。
しかし、それが不味いわけではない。ジャンクフードの味わいがそうであるように、本作の味わいもこれはこれで悪くない。何より、耐えがたいほど貧相な絵とテキストではなく、一級のそれらで描かれたマニアックなエロシーンは他のどんな魅力にも代えがたい。我こそは変態、我こそはサディストと胸を張れる方々ならば、本作のような”珍味”を味わわずにはいられないだろう。
- 総合評価 170/200点
- シナリオ 40/60点
- グラフィック 75/80点
- 音声 35/40点
- システム 20/20点
エッチ内容について
作品情報
タイトル | euphoria |
ブランド | CLOCK UP |
発売日 | 2011-06-24 / 2014-04-25(HD) |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |
※旧euphoriaは生産終了となったため、HDリマスター版のほうにリンクしています。