概要と評価 170/200(優)
作品のあらすじ
アーヴィング母娘は、遥か昔に故郷を滅ぼした悪魔たちに復讐を誓った魔法使いの一族。エレナ・アーヴィングが日本のとある地域で悪魔を追っていたところ、忘却や非認識の魔法が効かない少女と出会った。少女の名は神代ひかると言い、エレナはひかると同じ学園の生徒になった。彼女たちは家族ぐるみで交友を深めていくが、そのために神代家は悪魔たちに目をつけられることになる。
感想の要旨
広い意味での催眠を手段として用い、同性愛や近親相姦などのインモラルな人間関係を描くことに特化している。そうした関係性に魅力を感じるなら、非常に実用性が高い作品だ。
エロシーンの属性
何らかの催眠状態におけるプレイを重視。レズプレイが多め。3P以上の複数プレイ、精飲、スカトロ、輪姦、アナルプレイ、露出、妊娠ボテ腹あり。
目次
- 何が魅力なのかを語る前に
- インモラルな人間関係
- エロシーンについて
- コメント
1. 何が魅力なのかを語る前に
『WIZARD LINKS』の魅力を語る前に、主要登場人物の人間関係をまずは整理しておきたい。
アーヴィング母娘(エレナとリディア)と神代家(ひかる、弟のゆずる、母の蛍、父の正)は、そのうち家族ぐるみで親交を深めるようになる。神代ひかるの幼馴染の旭はバイセクシャルで、ひかるとエレナの仲が深まっていくことに嫉妬している。ゆずるはその旭に以前から憧れを抱いていて、彼の友人の大村はひかるに恋をしている。
淫魔オルフェナと夢魔デクスターは、そんな彼らの人間関係を利用し、魔法使いとの戦いを有利に進めようと計画。オルフェナは、対象の意識を誘導する能力ー―要するに催眠能力を使って、彼らの関係を淫らに誘導しようとする。一方、デクスターは、魔法使いの母娘に力を与えている魔女(アクサとヤエル)の領域に侵入し、彼女たちを籠絡しようと策を巡らす。
出典:筆柿そふと『WIZARD LINKS』パッケージ版
正面対決で苦戦するなら、搦め手で。無論、趣味も入っている。
『WIZARD LINKS』には、この他にも幾名かのキャラクターが登場するが、メインストーリーでは彼らをうまく扱いきれていない。気に入ったキャラクターの見せ場が思いの外少なくてがっかりすることもあるだろう。また、魔法使い側が勝利するルートの盛り上がりの乏しさと、尻すぼみっぷりには失望させられるかもしれない。
しかし、本作の魅力は、一貫性を持ったストーリー性などにあるのではない。淫魔の催眠によってどんどん爛れていくインモラルな人間関係を描いた数々のエピソードにあるのだ。
2. インモラルな人間関係
抜きゲーとしての『WIZARD LINKS』は、同性愛と近親相姦にフォーカスしている。本作はその上で、愛しあうことになるキャラクターの関係性に一つのギミックを仕込んでいる。それは、相方を誘惑する一方は催眠状態にあるけれども、もう一方は概ね正気のままである、というものだ。
正気の人間が、見知らぬ輩にインモラルな関係を唆されても拒否して終わりだろうが、それが信頼している相手だと話は違ってくる。相手への親しみがこの場合は逆効果となり、異常な事態もむやみに拒絶できなくなるし、むしろ実は自分が不義理なだけではないかと思えてくるのだ。淫魔オルフェナが狙ってこの人間心理を突いているのだとしら、彼女は実に良い趣味をしている。
出典:同上
状況に流されてしまった自分が悪いのでは? という疑念。
こうしてインモラルな関係が成立したとしても、多くの場合、それだけでは終わらない。本作において、爛れた人間関係はさらに拡張されていくのだ。
例えば、母親と息子が肉体関係を持ったなら、それを目撃した姉もまた近親相姦の一員として加えられることがある。あるいは、ひかると旭の同性愛が成されたなら、そこへゆずるも巻き込まれる。当サイトの攻略チャートでいうEND(4)などは、リディアを起点としたインモラルな関係が結ばれてゆき、いつの間にか家族で爛れた関係になっていくという本作の真骨頂とも呼べる展開になっている。
また、『WIZARD LINKS』のインモラリティは、身内だけで完結するわけではない。それは外部へも発展してゆき、エレナとリディアの心に深い傷を負わせることにもなるのだ。
アーヴィング母娘は、魔女に予め『非認識』の魔法をかけてもらっている。これよって、母娘の変身した姿は、ひかる以外の一般人には認識できなくなる。また仮に何か問題が起こったとしても、『忘却』の魔法を使えば相手の記憶を抹消することができる。
これらの魔法が味方にあるうちは非常に便利だ。しかし仮に、母娘をサポートしてくれるはずの魔女たちが裏切った場合はどうなるだろうか。とても余人には見せられない痴態が突然衆目に晒されたり、自分の肉体がいやらしく開発されていることに気付かないままでいたり、ということは考えられないだろうか。
出典:同上
こんな格好でも、『非認識』の魔法があれば問題ない。あればね。
『WIZARD LINKS』は、インモラルな人間関係を描くことに特化した作品だ。そしてそのインモラリティは、同性愛や近親相姦のみで完結せずに、魔法使いと守るべき一般市民、魔女と悪魔、人間と悪魔などの関係にも見出だせる。このような関係性に興奮できる方は、本作はどのシーンでも抜ける極めて実用性の高い作品だと感じることだろう。
3. エロシーンについて
淫魔オルフェナの催眠は、あくまで意識を誘導するだけなので、あまり強い強制力はない。それ故、彼女が誘導するエロシーンは、表面上は和姦っぽいものがほとんどだ。夢魔デクスターも相手を夢見心地にするのが基本なので、実質レイプであっても肉体的な苦痛を与えることを主としない。また、褐色美人の獣魔イレーネを除く悪魔たちは常に責め手であり、彼らが受けに回ることはほぼないと思っていい。
出典:同上
イレーネだけはちょっと毛色が違う。
同性愛や近親相姦のエロシーンでは、精神面を重視しており、プレイ自体にBDSM的な過激さはない。エロテキストは簡潔ながら、台詞と地の文からねばねばと絡みつくようにインモラルな雰囲気を伝えてくる。3P以上の複数プレイになることも多く、ハーレム的な要素もある。妊娠もするし、ボテ腹状態でのプレイもある。
変身したアーヴィング母娘のエロシーンは、露出ないし野外でのプレイが基本だ。公衆の面前での排泄、輪姦といったプレイもある。エレナについては、オルフェナに処女のままアナルから開発され、次第に淫乱化していく展開もある。
出典:同上
真っ裸での変なポージングが個人的にツボ。
『WIZARD LINKS』の基本CG枚数は128枚もあり、かなりコストパフォーマンスが高い。これに加えて変身シーンの動画が7種類あり、これらはチープな見た目でありながらも、ついついスキップせずに凝視してしまう奇妙なエロさが感じられる。
4. コメント
多少大雑把なところがあるにしても、コンテンツの充実度とエロシーンの実用性においては秀でた作品だ。話が分かりやすく、エロシーンはあまりマニアックな方面に走っていない。催眠や変身ヒロインのファンだけでなく、抜きゲープレイヤーに広くオススメしたい。
- 総合評価 170/200
- シナリオ 45/60
- グラフィック 75/80
- 音声 35/40
- システム 15/20
作品情報
タイトル | WIZARD LINKS |
ブランド | 筆柿そふと |
発売日 | 2016年05月27日 |
ダウンロード販売 | FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |