総評 105/200(可)
中途半端。序盤~中盤まではまあまあ良かったが、肝心の〆がダメダメ。結局、何がやりたかったのか良く分からない作品だった。
シナリオ 25/80点
“剣と魔法”の良くあるタイプのライトファンタジー。世界観はRPG風で、特に作り込まれているところはない。シリアスな展開は、ほぼすべてご都合主義ないし日和見主義で解決される。
日常とエロについては及第点。エロゲーならではのエロコメディが、うまい具合に利いている。体験版で面白いと思えたのなら、きっと製品版でも(日常とエロは)楽しめる。
不満点について
不満点は、終盤の展開がかなりグダグダなこと。
「魔法最強」とか「都合の悪いことは魔法で解決」なんていうのは、ライトファンタジーには良くあることなので、それはいい。だが、ご都合主義で無理やり主人公たちをピンチに追いやったあげく、こちらの期待の斜め上をいくエンディングを押し付けてくるのはだいぶウザい。
『ENGAGE LINKS』のエンディングは、各ヒロインごとに2通りずつある。といっても、選択肢次第でエンディングが2通りに分岐するわけではない。初回のノーマルエンドは強制であり、これは不可避である。そしてその不可避のEDをみた後に、もう一度最終話からやり直すと、トゥルーエンドをみることができる。
私には、なんでこんなエンディング構成にしたのか、作者の意図が良く分からない。この構成は、明らかに失敗していると思う。
もしこんな馬鹿げた構成で押し通すというなら、トゥルーエンドをもっと中身のあるものにしてもらいたい。ただでさえご都合主義的な展開に、輪を掛けるような手抜きエンディングなんか、わざわざ遡ってまでみたいものではない。
グラフィック 35/60点
基本CG枚数は85枚。ただし、うち10枚は小さなデフォルメ絵。戦闘CGは使い回されることが多く、演出面が弱い。
エロシーンは、15本。その内訳は、フィアナ(4)、マリナ(3)、ヘレン(4)、ティア(2)、ティア&ブリジット(1)、ラーナ(1)となっている。一本のエロシーンは、複数枚のエロCGで構成されていることもある。差分は多め。
音楽・声優 35/40点
BGMは29曲。ヴォーカル曲は2曲。どの曲も最初はあまり印象に残らなかったが、BGMはちゃんと作中に溶け込んで、演出に貢献していたと思う。後でBGM PLAYERで聴いてみると、地味ながらなかなか良い曲が多かった。
声優陣は、以下のとおり。盤石だ。
フィアナ | 鮎川ひなた | ヘレン | 遠野そよぎ |
マリナ | 成瀬未亜 | ティア,ブリジッド | みる |
ラーナ | 楠鈴音 | シズハ | 涼森ちさと |
ウィル | 倉田まりや | サイオン | 一条和矢 |
バラム | 三原椎名 |
システム 10/20点
良点:メッセージウィンドウの消去可能。キーボード対応。
不満点:クイックセーブ無し。ウィンドウのバックグランド動作不可。クリックでオート解除。