レビュー
本作の原画・原案を手がける樺島あきらさんは、露出やスカトロの領域で有名なエロ漫画家である。露出やスカトロ性癖のあるヒロインが自らの意思で最終的に大胆な行為に及ぶのは、彼の作品の典型だ。本作の内容も、そのフォーマットに当てはまる。
ただし、スカトロプレイは、放尿と飲尿程度にとどまっている。二人のヒロインの口と肛門をそれぞれチューブで連結するプレイもあるが、排泄されるのはゼリーであって糞ではない。
本作には、これまたある意味樺島作品らしいが、挿入をともなうプレイがない。作中で男は視姦するだけの存在であり、ペニスを膣に入れるものではないのだ。本作の露出とは、性交を見せびらかすのではなく、ヒロインが痴態をさらけ出すことだ。
例えば、公園で全裸になって放尿したり、全裸にボディペイントを施した姿でランニングしたりする。そうした姿を他人に見られるかもしれない、あるいは見られてもかまわないと思いながら、ヒロインは露出プレイを楽しむ。はじめのうちは下着で夜道を歩く程度だったが、徐々にそれだけでは満足できなくなる。かといって一度味をしめた露出プレイを止めることもできず、行為をエスカレートさせていくのである。
本作は、徹頭徹尾、露出と放尿・飲尿プレイにこだわっている。”その道のプロ”が原案というだけあって、シチュエーションそのものには不満はない。ただ、樺島作品としては控えめな内容なので、彼の作品を読み込んでいる人にとっては物足りないかもしれない。
本作の評価を大きく下げるとしたら、その原因はグラフィックにある。プレイ中のヒロインの表情が曖昧で、感情がまったく伝わってこない。さらに表情の差分が少ないから、テキストの心理描写とビジュアルの表情の差に違和感を覚える。
一枚絵は、CG枠で数えるなら26枚しかない。ただ、変化が大きく、ほぼ独立した絵とみなせる差分が多い。それらの差分も一枚絵として数えるなら、価格分の数は一応揃っているといえる。しかし、だからといって心情的にも納得のいく量だとは言いがたい。むしろペテンをかけられた気分だ。
樺島作品が好きだとしても、本作の購入はあまりオススメできない。彼の漫画作品と比較して作画に違和感が強く、それも「これはこれで」と納得できるレベルではない。まだ樺島漫画を読んだことがないのなら、単行本を三冊買ったほうがマシなのではないかと思う。
作品情報
タイトル | 露出変態遊戯 |
ブランド | Wendy Bell |
発売日 | 2012年10月26日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |