※本作に選択肢等はないので、攻略チャートは作成していません。
概要と評価 95/100(秀)
作品のあらすじ
一ノ瀬純には、未羽という2つ年下の可愛い妹がいた。ある日、純は未羽から「お尻が痛いの」と告げられる。純は未羽のために座薬を買ってきたが、未羽は自分では上手く入れられないという。「……お、お兄ちゃん…………お願い……座薬入れて……」未羽にこう懇願され、覚悟を決めた純は、妹の肛門へとボラギノールを挿入する。
感想の要旨
1つではなく、4つのエピソードからなる作品。エピソードが移ろうにつれて、最初にあった妹のイメージが崩壊し、また新たなイメージで上書きされていく過程が面白い。しかしそれ故に、妹ものはかくあるべし、といったイメージがすでに固まっている方には、まったく向かない作品でもある。
エロシーンの属性
アナル弄りはあるが、アナルセックスはない。縛り・拘束、シックスナイン、処女喪失セックスあり。
目次
- 妹が痔になったので座薬を入れてやった件
- 親友だからピュアな関係だと、いつから錯覚していた?
- そのふざけた幻想をぶち壊す
妹が痔になったので座薬を入れてやった件
本作は、全部で4つのエピソードからなる作品だ。各エピソードは、順番に開放されていく構成になっている。作品名『妹が痔になったので座薬を入れてやった件』は、実は最初のエピソードの表題でもある。他のエピソードの表題については、以下のとおりだ。
第1エピソードでは、妹の未羽が自分ではうまく座薬を入れられないので、お兄ちゃんに入れてほしい、と恥ずかしそうに頼んでくる。
出典:lyricbox『妹が痔になったので座薬を入れてやった件』DL版
切れ痔はすぐには治らないので、座薬挿入は一度きりで終わりじゃない。
妹の頼みを快諾した兄は、正面から股を開いた未羽ーー四つん這いは嫌いらしいーーに座薬を入れる背徳感に興奮し、後でその光景を思い出しながらオナニーする。そして、その様子を未羽に目撃されてしまうものの、未羽は兄を軽蔑したりはしなかった。それどころか、お兄ちゃんにはいつも感謝しているからと言って、未羽の裸を直に見ながらオナニーしてもいいよ(要旨)、と持ちかけてくる。
こうして、座薬を介した兄妹の触れ合いは、日に日にエスカレートしていくことになる。兄は妹の裸をみせてもらうだけでなく、おっぱいを吸わせてもらったり、ペニスに愛液を塗ってもらったりもする。そうして妹はいつしか兄の股間にまたがるようになり、ついには越えてはいけない一線をも越えてしまうのだ。
出典:同上
バナナがおやつじゃないように、兄妹でするキスはファーストキスじゃない。
このエピソードだけを見ると、本作は、近親相姦のきっかけが少し変わっているだけで、あとは普通の近親相姦ものと変わらないようにも思える。この程度で終わるなら、せいぜい「同人としては良作」とでもコメントして、レビューを締めくくったことだろう。
しかし、本作にはあと3つもエピソードが残されている。本作がその本来の魅力をみせるのは、むしろ次のエピソード以降なのだ。
親友だからピュアな関係だと、いつから錯覚していた?
一ノ瀬未羽には、早乙女香奈という親友がいる。金髪巨乳の香奈は学績優秀で、空手は黒帯という文武両道の才女でもある。
未羽と香奈は互いを大切に思っており、いろんな意味で隠し事のない間柄にある。未羽は、香奈ちゃんに対してとても口が軽く、実の兄に座薬を入れてもらったことなども含めて何でも話す。また、それは兄に対しても同様であり、香奈ちゃんの恥ずかしい思い出ーー例えばミニスカ・ノーパン帰宅事件などが、兄のほうにもしっかり伝わっていたりする。
香奈は、第1のエピソードまでは、あくまで未羽の親友という脇役的立場に甘んじていた。彼女は、実の兄が妹に座薬を入れたという変態的な話を聞いても、露骨に嫌悪したりはしなかった。むしろ、学校外では香奈自身が毎日未羽を世話できないという理由で、「家ではお兄さんがお願いします」などと頼んでくる、ずいぶんと都合の良い反応を示す少女だった。
出典:同上
学校では、香奈ちゃんが座薬を入れてくれるそうだ。
しかし、第1のエピソード終了後、親友兄妹の近親相姦を知った香奈は、一ノ瀬兄を心底見下して罵倒しはじめる。そして未羽との一件を不問にする見返りとして、あることを彼に無理強いしてくるエピソードが『香奈ちゃんお泊まり』だ。
出典:同上
大切な親友を傷物にされて、激おこな香奈ちゃん。
『香奈ちゃんお泊まり』では、一ノ瀬兄はいきなり香奈に殴られて昏倒させられたうえ、拉致される。一ノ瀬兄が次に目覚めると、そこには香奈だけでなく、未羽もいる。上体を起こそうにも身動きが取れず、腕を見ると、ビニール紐で拘束されているのだった。
一ノ瀬兄が拉致されたのは、男性器に興味のある香奈が彼のそれを教材にするためだった。もちろん、傍にいる未羽も彼女の共犯者だ。ちなみに、一ノ瀬兄が拘束されているのは、「犬並みに節操のないお兄さんを野放しにするのは危険」だからだという。
出典:同上
香奈ちゃんのために、嬉々として彼女にハサミを手渡した妹。
何やら突拍子もない行動に出た未羽と香奈だが、ここから二人のただならぬ関係が明らかにされていく。一ノ瀬兄はその二人の関係に巻き込まれた被害者であるとともに、棚ぼたで美少女二人とエッチできる実にうらやましいやつでもある。
そのふざけた幻想をぶち壊す
この作品の醍醐味は、最初のエピソードで作られたヒロインのイメージが、次のエピソードでは簡単にぶち壊され、再び新たなイメージが形作られていく、というある意味節操のない展開にある。
未羽のことを「お兄ちゃんのことが大好きな、”少し”エッチで恥ずかしがり屋な妹」だと思っていたら、その次のエピソードでは、実はそんな妹はいなかったのだと分かる。未羽の好きな人はお兄ちゃんと未羽自身が語っていたからといって、勝手に妹への独占欲をこじらせていると、見事に裏切られる。そうやって座薬を入れられていた頃の未羽のイメージが崩れ去ってゆき、エロエロ大魔王としてのイメージがそれを上書きしていく過程が面白いのが、本作だ。
私は正直、この作品に未羽とのイチャラブ以外を期待していなかったのだが、実際の作品は良い意味でその期待を裏切ってくれた。本作の基本CGは20枚と充実しており、差分の変化が大きく、ヒロインの表情もなかなか良い。エロテキストは、小説がもとになっていることもあり、エロゲーとしてみるとやや短く感じる部分もあるものの、許容範囲内だ。後日談は原作のほうを読むとしても、できればエロゲー版の2作目も欲しくなる内容だった。
本作は妹のイメージの遷移が面白さの根本であるゆえに、妹かくあるべし、といったイメージがすでに固まっている方には、まるで向いていない作品でもある。しかし、どんどん残念なほうへと進んでいくイメージの変化を楽しめる方には、とてもオススメできる作品だ。
- 総合評価 95/100点
- シナリオ 25/30点
- グラフィック 30/30点
- 音声 20/20点
- システム 20/20点
作品情報
タイトル | 妹が痔になったので座薬を入れてやった件 |
ブランド | リリックボックス |
発売日 | 2016年12月29日 /2017年01月20日(DL版) |
ダウンロード販売 | DLsite |