あらすじ
下閉伊丈太郎は、猥褻な指導によって学生を更生させる変態教師である。本人によれば、某国の軍で生物兵器や人体実験などを行っていた経歴もあるらしい。名門私立三ツ石学園の理事長は、同学園の乱れ―いじめ、不正、学力低下、風紀の乱れ―を正すべく、問題児たちの懲罰指導を彼に依頼したが……。
総評 125/200(可)
汗ばんだムチムチの女体に惹かれ、その体をネチネチと嬲るような内容を期待して購入。実際のゲーム内容も大体その通りであったから、私は本作を外れだとは思わない。だが、もし本作に純粋な凌辱劇を期待して購入するのだとしたら、その期待は裏切られそうだ。
本作のタイトルは、「懲罰指導」と書いて「おしおき」と読む。これは実際の内容をよく象徴しているが、「懲罰」という語感が多くの調教ファンに不幸な誤解を与えるかもしない。
シナリオ 20/60点
本作のテーマは、典型的な学園凌辱物のように、女生徒を性奴隷にすることそれ自体ではない。
本作の主人公(丈太郎,教師)は、ヒロインを自分の性奴隷にしようとは少しも考えていない。彼がヒロインに”おしおき”を施すのは、あくまで問題児である彼女たちの更生のためである。それゆえ基本的に、丈太郎は更生後のヒロインの生き方に関与しようとはしない。更生済みのヒロインが丈太郎以外の誰かを恋人にするのは自由だし、彼も彼女たちを引き留めることはしないだろう。
ハーレムエンドやエピソードエンディングは例外だが、これらは所詮取ってつけたような話だ。わざわざそれとは別の路線のトゥルーエンドがあることからしても、丈太郎の本性は純粋な強姦魔ではなく、あくまで”おしおき”を手段とする更生請負人なのである。
丈太郎のキャラクターは、なかなか個性的で、変態主役として魅力的でもある。ヒロインを”おしおき”する動機が、単純に「性奴隷にしてやる」といった型にはまったものではなく、「(立派な生徒に)更生させる」ことにあるというのは面白い。すごくエキセントリックだ。そのキャラクター性は本作において功罪両面あり、堕とした女を手元に置けないのが罪だとすれば、彼がいればこそストーリーを最後まで追う気になれるのが功だといえる。
しかし、そんな彼がヒロインを更生させていく過程については、あまり褒められた出来ではない、というのが正直な感想だ。
丈太郎はヒロインに”おしおき”しても、その後彼女たちが警察にかけこんだりしないように、何らかの工夫を施すことがない。いつも指導後は放置しているのに、それで(本編中は)警察沙汰に発展することがない。いちおうヒロインのプライドだとか世間体だとか、そういう理屈はあるのだけれど、事後処理についての計画性があまりに欠けている。
また、ヒロインが堕ちる過程についても欠けているものがある。何度も”おしおき”されて、ヒロインが徐々に心変わりしていく様子がうまく描かれていない。テキストが主人公視点からヒロイン視点に変わることがあるが、ヒロイン視点のテキスト(地の文)はあまりにお粗末な出来で、あんなものを内面描写と呼ぶのも躊躇われる。結局は、何度か”おしおき”していたら、ヒロインが勝手に堕ちていた、という唐突な印象を与える展開になってしまっている。
作品全体を通してそうなのだから、あえてそういう面倒な描写を省いているのは分かるが、それがフルプライス作品の尺で延々と続くと辟易してくる。それでいて、バッドエンドには警察沙汰や猥褻行為の露見がしっかり含まれているあたりが、本作の一貫性のなさを自ら皮肉っている。ロープライスの尺でやるぶんにはこれでも構わないかもしれないが、やはりフルプライスでは相応の過程が必要だと思われる。
上述したように過程は酷いものだが、エロシーンそのものについては悪くない出来であった。
エロシーンは、基本はテンプレート的だが、細かい部分がそれなりに工夫されている。何よりネチネチと羞恥心に訴えるような場面作りが、一枚絵の個性とマッチしているのが良い。例えば、身心検査と称して、上着を捲り上げ怯える少女の緊張して汗ばんだ肉体を弄んだり、あるいは高飛車な娘を身動き一つできないよう緊縛し、開口具や鼻フックを装着させて、惨めな自分の姿を鏡に晒してやったりする場面などが実に良い。羞恥責めとムチムチの相性は最高である、との普遍的真理が確認されたのだった(個々の場面の詳細は後述)。
ちなみに、本作のエロシーンは強姦と和姦で半々である。指導をはじめて間もない頃は如何にも凌辱だが、堕ちてからのエロシーンも同じくらいの分量があるからだ。
攻略については、分岐条件と物語の文脈との関連性が低いので、自力攻略する者としては構造の理解に苦しむ。選択肢ごとに各ヒロインの好感度のようなものが変動し、それが分岐条件になっているのは推測できるが、どちらの選択肢を選べば好感度が上がるのか、各々の文言からは推察できない場合が多い。
特に、双子ルートの分岐条件は複雑すぎて、意味が分からない。私は攻略チャートを作成するにあたって、双子ルート分岐のパターンを複数発見したが、そのどれもが物語の流れとどう関係があるのか全く不明である。
グラフィック 65/80点
CG枠は、94枠。ただし、そのうち14枚は重複CGによる水増し分である(実質枚数は80枚程度)。フルプライス作品としては少ない。
エロシーンは、81本。その内訳は、まひる(13)、ひなこ(5)、誉子(11)、志摩(5)、美波(10)、美月(3)、純(10)、まひる+ひなこ(5)、まひる+誉子(2)、誉子+美波(2)、誉子+志摩(4)、美波+美月(10)、ハーレム(1)となっている。
一枚絵のクオリティは、とても高い。表情豊かで、差分も過不足ない。ムチムチした女体は適度に筋肉質で、適度に贅肉があり、柔肌は殆どの場合雫のような汗で蒸れている。要するに、ムチムチでムレムレなのだ。この点については、パッケージに惹かれて購入した者の期待を裏切ることはないだろう。
不満点は、一枚絵とテキストの描写の不一致がいくつか見受けられること。例えば、あるヒロインが別のヒロインの顔面へ潮を吹いた場面では、その液体は黄金色に塗られていて、明らかに放尿と間違えて描かれている。また、二人のヒロインが腕に巻いているミサンガが、それぞれの特徴を間違えて描かれている。全体を通しては、貧乳キャラであるはずのまひるが、ビジュアル的にはそこそこのサイズの胸を持っているのが納得いかない。
モザイクによる修正は、だいぶ濃い。Amazonにサンプル画像(2/20確認)がいくつか掲載されているが、あれらの修正は製品版と比べて薄すぎる。アダルトビデオのパッケージ裏と実際の映像くらい差があるので、注意しよう。FANZAに最近追加されたサンプル画像の修正(2/22確認)は、Amazonよりは製品版に近いけれども、製品版よりはやや薄くなっている。
修正は、未挿入の肛門にも及んでいる。スカトロ表現では、糞にはモザイクがかかっているが、ゼリー状の擬似糞には修正はない。
音楽・声優 30/40点
音楽・声優ともに不満なし。音楽は、主題曲もBGMも、悪ノリ気味でありながら、作品の場面場面にしっかりマッチしていた。
久慈 まひる | 榎津まお | 久慈 ひなこ | 草柳順子 |
紫波 美波 | 佐倉もも花 | 遠野 美月 | 榛名れん |
金ヶ崎 誉子 | 三郷綾夢 | 金ヶ崎 志摩 | ももぞの薫 |
平泉 純 | 高藤まりあ |
システム 10/20点
メッセージウィンドウ透過、クイックセーブ・ロード等の基本的な機能は備えている。
不満点は、まずバックログが使いにくいこと。現在と改行前のテキストは、バックログに表示されない。また、通常のセーブ・ロード画面を表示すると、通常で呼び出したはずなのに、クイックセーブ・ロードの枠が常に優先で表示されるというのが、自力攻略する身にはとても不便に感じられた。
エッチ内容について
作品情報
タイトル | 懲罰指導 ~学園令嬢更性計画~ |
ブランド | TinkerBell |
発売日 | 2011年2月18日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |