批評・感想
教師の主人公が異動した先の学校では、飼育小屋で女の子が飼われていた。女教師の説明によると、彼女は人間に似てはいるけれども、ただの動物であるというが……。
『飼育小屋少女』は、家畜の少女に惹かれた男性教師が、彼女との性交にはまっていく作品だ。基本CG枚数は10枚、差分込みで83枚、解像度は1920×1440、フォーマットはJPGとPDF、文字ありとイラストのみのバージョンがそれぞれ用意されている。
テキストの視点は、主人公視点。彼は最初、一見人間の少女が家畜化されていることに戸惑うものの、自分以外の人間がそれを当然と見なしている状況に晒され、自分自身もまたそれを受け入れてしまう。そして彼は飼育小屋の世話を任されることになり、小屋に一匹しかいないという家畜少女ミミが、オスたちと交尾する様を日常的に見守ることになる。
姿形は人間である少女が犯されるのを見ているうちに、主人公の理性はどんどん失われていく。そうして彼は人目を忍んで、自らもまた少女を犯すという禁忌を犯してしまうのだった。
『飼育小屋少女』は、同人CG集でありながら、ストーリー展開がとても優れた作品だ。主人公が家畜たちと関わっていくうちに、彼の内面の移ろいゆく様が見事に表現されている。
主人公はミミを犯してしまった当初、自分自身を家畜のオスたちと同一視し、罪悪感に苛まれる。しかし、彼はすぐに、自己正当化を図るようになる。ミミとオスが獣のように交わるのは「交尾」にすぎないが、ミミと愛し合っている自分がするのは「セックス」だと考えるようになるのだ。
ミミと「セックス」する以前の主人公は、辛うじて金網の”こちら側”に踏み止まっていたが、彼は彼女と「セックス」してしまったがゆえに、”向こう側”へと踏み出していく。そうして迎えるラストシーンで彼が内心呟いた台詞は、物語全体を象徴する素晴らしいオチだったと思う。
作品情報
タイトル | 飼育小屋少女-The Girl Like a Human- |
サークル | チンジャオ娘。 |
発売日 | 2016年12月11日 |
ダウンロード販売 | DLsite |