感想と評価 140/200(良)
学生で宮司見習いの主人公のもとへ、ある日突然、異国の二人の姫君(アーニャ、ピュピュ)が日本文化を学ぶために押しかけてきた。主人公は、二人が何も知らないのをいいことに、「これが日本の(HENTAI)文化だ」と偽って様々な変態行為に及ぶ。
ヒロインは褐色のみ。エロは巨根で腹ボコ、大量射精を重視。予想以上にユニークで、非常にボリュームのある作品だった。
本作を食べ物に喩えるなら、まるで闇鍋だ。蓋を開けてみると、後述するように、純愛と鬼畜という調和しにくい要素がごちゃ混ぜの状態で煮込まれている。ちなみに、出汁は愛液と精液とチョコレートでとっているようだ。
そんなカオスな調理法が、いかにも”わるきゅ~れ”らしい。しかし、このイカれた場の雰囲気を楽しめないと、プレイすること自体がただの罰ゲームになってしまうかもしれない。商品画像から想像されるよりも性的属性がかなり限定される作品なので、購入前には自分の性癖に注意しよう。
1. 無償の愛は凌辱を和姦に変える
本作の主人公は、エロシーンの導入においては下衆野郎だ。アーニャとピュピュが日本文化に疎いのをいいことに、二人を騙して酷い目に合わせる。
しかし、彼女たちはなぜか彼に好意を抱いているので、どんなことをされても結局は主人公を受け入れてしまう。この聖母の如き慈悲によって、本来ならば性犯罪者として処断されるべき彼は、1年もの間、二人の姫君とのエッチな日々を満喫できてしまうのだ。
アーニャとピュピュは、互いに隣国の姫君であるがゆえにライバル関係にある。しかし、アーニャは天然でおっとりした性格なので、ピュピュに敵愾心を抱いていない。一方、ピュピュはアーニャへのライバル意識が強く、事あるごとに彼女に先んじようとする。
主人公を巡る恋愛関係では、アーニャはあくまで天然で、ピュピュは典型的なツンデレだ。どうしても素直になれないピュピュは、とても不器用に立ち回る。その姿は実に健気で、愛らしい。アーニャが主役のルートにおいてさえ、ピュピュはアーニャを選んだプレイヤーに罪悪感を抱かせるくらいの存在感を発揮している。
主人公に対しては「この鬼畜め!」と罵倒したいところだが、姫君たちの慈悲と愛情が凌辱を和姦に変える。本作のエロシーンを現実の法で解釈すれば間違いなく強姦だが、エロゲー的にはギリギリ和姦とみなしていいだろう。何せ、当の本人がそれを許し、受け入れてしまうのだから。
2. 褐色の腹がボコ! 精液大量注入で「うぐぅ!」
本作のエロ絵は、褐色肌とそれを包み込む衣装へのこだわりが半端でない。
褐色肌はただ褐色であるだけではなく、時には日焼けもする。その場合は、褐色肌に水着の日焼け跡が残るわけで、それがまた何とも艶かしい風情である。
コスプレ衣装は、スクール水着、体操服、セーラー服、ふんどし等。どれも褐色肌によく映える紺色や白色を基調としている。一部の衣装はピンクや黄色だが、似たような色ばかりでも飽きるので、これはこれでいい。背景は白いベットや雪の上、夏の海辺等、褐色肌で魅せる場所の設定にも抜かりがない。
ただ残念に思うのは、設定上のアーニャとピュピュの褐色肌の濃淡差が一枚絵にあまり反映されていないことだ。ピュピュがこの濃淡差をコンプレックスにしていることは、キャラ的にもストーリー的にも重要なので、丁寧に描き分けてほしかった。
さて話は変わるが、主人公は、アーニャの魔法によって男性器を改造されてしまう。ペニスは巨根化し、さらに金玉が増えて大量射精が可能となる。彼に犯されるヒロインの股間は巨根を形取り、大量に精液を注入されて、褐色の腹は水風船のように膨れ上がる。
大半のエロシーンはかなりハードで、ヒロインは絶叫する。普通の卑語ゲーが「ほぉおおっ! イっくぅうう!」と喘ぐのだとすると、本作は「ひぎぃいいっ! あがっ! イぐぅうう!」といった感じだ。普通の卑語ゲーよりも苦痛やショックの割り合いが大きいようで、ヒロインは絶頂しているというより、快楽と苦痛で悶絶しているように見える場面もある。
主人公とヒロインの間にある信頼と愛情を無視すれば、鬼畜な陵辱作品としても十分通用しそうな内容だ。そこが本作の悩ましいところで、面白い作品だとは思うのだが、褐色ファンのなかでもかなりニッチな層にしか受けないだろう、とも思う。それ故、私は本作を評価しつつも、あえて誰かに強く薦めようとは思わないのだ。
- 総合評価 140/200点
- シナリオ 35/60点
- グラフィック 65/80
- 音声 30/40点
- システム 10/20点
作品情報
タイトル | チョコレート・プリンセス! ~淫獄の!?ホームステイ~ |
ブランド | わるきゅ〜れ |
発売日 | 2012年12月25日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |