総評 105/200(可)
M属性持ちのマニア向けロリータ作品。どのあたりがマニア向けかというと、スクール水着に染み込んだ塩素の臭いとか、少女の汗とか尿とか、下着を着たまま放尿・失禁するとか、それをことごとく飲尿するとか……とにかく、少女の体液や、少女のにおいにこだわっているあたりがマニアックな作品である。正直、普通のロリータファンにはおすすめしがたい。
作品の出来自体は駄作の一歩手前だが、その偏った嗜好性ゆえに稀少価値はある。その稀少価値を評価できる方だけが買えばいい。本作は、そんな作品だ。
シナリオ 15/60点
二人の女生徒(さざみ、涼乃)に盗撮の証拠を握られた男性教師(主人公)が、彼女たちの性奴隷として奉仕させられる。ストーリー展開はだいぶ開き直っているので、あまり深く考えてはいけない。
さざみは日焼け肌の元気っ子で、涼乃は上品なお嬢様だ。二人とも、主人公を自分の性奴隷にしたいと願っており、その点に関してはいがみ合っている。ご主人様としての立ち振る舞いは、それぞれ異なる。さざみは、ロリコンの主人公に「(エッチなことを)してもいいよ♥」と許可する一方、涼乃は「(エッチなことを)しなさい!」と強く命令する。
言葉責めの程度も、さざみと涼乃で全然違う。例えば筆おろしのとき、さざみは、
「せんせー。焦らなくていいんだよ。あたしは逃げたりしないから。ゆっくり落ち着いて……ね」
と優しい言葉をかけてくれる一方、涼乃は、
「気持ち悪い。人間の身体じゃないみたい。そんなのを、わたしの中に入れたいって言うの?」
と辛辣な言葉を浴びせてくる。どうやら、さざみは単に責め役を楽しんでいるだけだが、涼乃は根っこの部分もドSであるようだ。
エロについては、実はけっこうマニアックだ。少女の太股の汗を舐め取ったり、スクール水着の股布に染み込んだ水分を口で吸い取ったりと、とにかく味覚や嗅覚に訴えるエロシーンが多い。放尿や失禁をされるのは当然のように履いたままであり、当然ながら飲尿させていただくことになる。一枚絵のない場面でも、少女が履いた上履きの香りを嗅ぎとるなど、フェティッシュなテキストを楽しめる。
攻略については、自力での攻略が地味に面倒くさい。本作では、処女喪失のタイミングによって、一部エロシーンのテキストが変化する。それらは別個の回想枠に登録されるため、コンプリートするためには、処女喪失のタイミングも考慮しなければならない。そういう面倒をさせるにも拘らず、基本CGは使い回しのうえ差分変化に乏しいので、ストレスを感じる。
グラフィック 45/80点
基本CG枚数は、30枚。回想はすべてエロシーンで、29本(うち3本は基本CG重複)。その内訳は、さざみ(12)、涼乃(14)、さざみ+涼乃(3)となっている。
一枚絵は、テキストの内容とチグハグな絵が目立つ。特に、回想2頁1列3行目のシーンは、テキストと一枚絵の中身を比較するに、そのプレイは物理的に不可能なのではないかとさえ思える(主人公がトランプの絵札のような体型をしているなら、可能だが)。
一枚絵をクローズアップしての演出は、逆効果にしかなっていない。ズームアウトしてほしいタイミングでズームアウトされず、機を逸してから切り替わる。涼乃の処女喪失シーンの一つでは、結合部分をあえて見せずに、表情だけで楽しませようとしているが、正直この程度の出来の絵でそれをやるのは間違っていると思う。
ヒロイン達の表情はサンプル画像で見るぶんには良いが、差分変化も含めて見ると、どうにも固い印象がある。不自然なカメラ目線があるのも×。
この一枚絵で唯一褒められるのは、衣装の質感だけだ。濡れたスクール水着や下着などの見た目の変化が妙に生々しく、テカテカとしていないのが良い。
音楽・声優 30/40点
音楽・声優ともに不満はない。
藤森さざみ | 野宮香央里 | 観坂部涼乃 | このは |
システム 15/20点
クイックセーブ有。スキップは選択肢後も継続し、速度も遅くはない。バックグランド動作とウィンドウ透過が出来ないこと以外、大きな不満はない。
エッチ内容について
作品情報
タイトル | サディスティックりとる |
ブランド | 桃色劇場 |
発売日 | 2009年11月6日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon |