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公衆快楽施設 Macht Frei. レビュー Part.1/3

公衆快楽施設 Macht Frei.について

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(注) Gyutto独占販売のはずが、独占ではなくなりました。

あらすじ

三島冴子は、自殺した文学者の作品を読み続け、記憶することを義務づけられた生体文庫の乙女である。自傷癖のある冴子は「この世から消えてしまいたい」と強く願うようになり、その願望を実現するために、公衆安楽福祉施設行きの地下鉄に乗った。

公衆安楽福祉施設は、どうしようもない自殺志願者の最後の受入口だ。ここで自殺志願者たちは、本人の合意のもと、最終的解決を施される。その解決方法は、その者を政府公認の性処理玩具に作り変えることである。

公衆安楽福祉施設の入り口前には、Macht Freiと表された鈍色アーチがある。そのドイツ語の意味は『……によって自由になる』。冴子は、自分の存在をこの世から抹消し、性処理玩具になることを誓う――快楽によって自由になるために。彼女が身にまとうのは、そんな自分のための喪服だ。

『市民・三島冴子の記録を抹消しました』――そのメッセージが表示されて後は、もう、後戻りはできない。しかし彼女は、後悔をしない。三島冴子の名を捨てて、これからの自分に「桜桃」と名づけると、まだ乙女の自分が知り得ないものを与えてくれる場所へと進んでいく。

総評 160/200(優)

これはすごい。すごくエロい! 最初から最後まで興奮しすぎて、プレイ後は燃えつきたような気分になった。枯れるほど精を搾り取られたせいで身体がダルかったが、プレイ後の感動をそのままに伝えるべく、すぐにキーボードを叩いた。

テキストと音声を巧みに組み合わせた本作の表現手法は素晴らしい。シナリオと音声の評価はどちらも以上。商業の低価格ソフトとしては、当サイト初の高評価とさせていただいた。

満足した、本当に良かった。尖った作風ゆえに賛否両論あることが予想されるが、次回作もこれ以上の内容なら、間違いなく購入させていただく。

シナリオ | 音楽・声優についての評価・レビュー 55/60点 | 40/40点

(1)まず最初に、ヒロインの置かれている状況と彼女の心情を解釈しよう。本作のテーマを端的に示せば、乙女の快楽への幻想とその崩壊といったところか。冴子もとい桜桃は、自分の存在をこの世から抹消する代償としての性的快楽を公衆安楽福祉施設に求めている。

もっとも、桜桃は乙女だから、性的快楽のなんたるかを実際に知っているわけではない。書物などで見聞したことから、倒錯的な肉欲に対し、勝手な幻想を抱いているだけだ。それは例えば、 2001年度カンヌ国際映画祭Grand Prix作品『ピアニスト』のエリカのように、である。

公衆安楽福祉施設の管理人は、そんな彼女を蔑む。しかし桜桃は、そんな彼の嘲笑など気にしない。何故ならば、これからの自分は『ヒト』ではなく『モノ』であることを自覚している”つもり”であり、また、自らもそれを望んでいる”つもり”だからである。『ヒト』ではない自分が蔑まれようと、『モノ』には傷つくプライドなどありはしないのだ。

施設内を進むと、最初に『Born on a Monday』と刻まれた扉に行き当たる。それは『Solomon Grundy』というマザーグースの歌の一つで、その内容はこう。

Solomon Grundy(ソロモン・グランディ),
Born on a Monday(ある月曜に生まれて),
Christened on Tuesday(火曜に洗礼を受け),
Married on Wednesday(水曜に結婚したけれど),
Took ill on Thursday(木曜には病んで),
Grew worse on Friday(金曜に危篤),
Died on Saturday(土曜には死んで),
Buried on Sunday(日曜に土の中).
This is the end(それで終いさ
Of Solomon Grundy(ソロモン・グランディ).

※括弧内の翻訳は筆者(asmiya)
英文引用元:Solomon Grundy – Wikipedia, the free encyclopedia

この人間の生涯を皮肉る不吉な歌から連想されるものは何だろう? 生体文庫たる桜桃は、すぐにその抜粋が暗示するところを理解した”つもり”になる。ここは私に、死と快楽を与えてくれる場所に違いない――そう思い込むのだ。

(2)ここまでの展開の概要を読むかぎりでは、読者は本作がどんな作品だと想像するだろうか? 死にたがりメンヘル少女のハード和姦物? もしそのように想像したのだとしたら、それは公衆安楽福祉施設に対する桜桃のそれと同じく、幻想に過ぎない。

結論を言えば、本作は和姦物ではなくて、とても巧妙に作りこまれた陵辱調教物である。純粋な乙女ゆえの文学的な空想を、ずたずたに壊してしまおうというサディスティックな作品なのである。

だから断言しよう、これはドSのための作品である、と。

Part.2/3へ続く

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