概要と評価 75/100(良)
作品のあらすじ
ざくろは、母親の虐待が原因で山伏家に引き取られた。当初、山伏家は憐憫をもってざくろを受け入れたが、彼女はその寡黙で人見知りする性格ゆえに、どんどん孤立を深めていく。主人公(山伏鉱太郎)だけは、義妹となったざくろを何かと気遣うものの、彼女はなかなか心を開かない。心尽くしのプレゼントさえも拒絶されてしまい、キレた鉱太郎はいきおいざくろを襲ってしまう。
感想の要旨
シリーズの様式美に則ったエロティックな展開は、相変わらず秀逸だった。基本CG枚数が相場の約3倍はあり、コストパフォーマンス的にも申し分ない。だが、自力攻略するには非常に面倒な構造になっているので、攻略情報の利用をおすすめする。
エロシーンの属性
主な衣装は、セーラー服、スクール水着、体操服(ブルマ)。口淫はイラマチオが主で、お掃除フェラもある。拘束プレイ、妊婦プレイ、野外露出、アナルセックスもあり。
目次
- シリーズの様式美に則った作品
- 充実したビジュアルと、フェティッシュで鬼畜なエロシーン
- 古臭くて面倒な構造
- コメント
1. シリーズの様式美に則った作品
ネガティブギャングの『ココロのクサリ』シリーズ4作目(同人誌を除く)。このサークルの作品に外れはないので、約3年もの間心待ちにしていたが、発売日前後は私が忙しかったので、他のいくつかの作品と同様に、ずるずると今の今まで放置していた。しかしようやく、積みゲータワーの一部を崩し、本作をレビューすることになったのだ。
『義妹は囀らない』は、何をされても抵抗らしい抵抗をみせない義妹を調教していく作品だ。鉱太郎の内心には義妹のざくろをいたわる心と嗜虐の心の二面性があり、いざ犯すとなれば容赦なく彼女を責め立てる。ざくろのほうは生粋のマゾ体質で、ひどく責められれば責められるほど、そのマゾヒストの性を開花させていく。
つまり、本作は『ココロのクサリ』シリーズの様式美に則った作品なのである。このシリーズの特徴は、二面性のあるサディストの主人公が、真性マゾヒストのヒロインを調教し、それまでの言動によって最終的に彼女を恋人として、または性奴隷として扱うかどうかが決まるというものだ。
短文を連ねた心理描写が特徴的なテキストは相変わらずの読みやすさで、生粋のマゾ牝を調教する生粋のサドの高揚感を伝えてくる。少なくともこのシリーズのファンにとっては、期待に違わない内容だ。
2. 充実したビジュアルと、フェティッシュで鬼畜なエロシーン
『義妹は囀らない』は、千円台前半という価格で基本CGが47枚(相場の約3倍)もあり、さらに差分も豊富である。1本のエロシーンには複数の一枚絵が割り当てられている。
ビジュアルは、特に口淫、精飲、顔射、中出しの表現に力が入っているように思う。
出典:『義妹は囀らない ~ココロのクサリ~』
この切なげな表情がたまらない。
上目遣いでこちらの顔を見上げたり、眼下にペニスを見つめる義妹の表情に思わずドキリとする。精飲は喉の奥に出すだけでなく、口を開けさせて便器へ排泄するように射精することもある。精液塗れの男根を口で掃除させる、お掃除フェラもある。
中出しされた膣は、常に精液が溢れ出ているわけではない。少し間を置いて、中からどろりと出てくる様子が見事に表現されている。わざわざ衣装を着たまま立たせて、ザーメンが膣から垂れ落ちる様子を視姦するプレイなどは実にフェティッシュだった。
ヒロインが着用する衣装については、『ココロのクサリ』シリーズ共通のこだわりがみられる。すなわち、セーラー服、スクール水着、体操服(ブルマ)の女子校生3点セットだ。もちろん、全裸や縄化粧、首輪の着用もある。セーラー服や体操服を着たまま調教される際は、当然、ソックスは脱がされないので安心して良い。
エロシーンには現実に不可能なハードプレイが含まれておらず、そのためにかえって生々しさを感じさせる。縄で縛られて身動きできない状態での電マ責めで、強制的に連続絶頂させられるシーンはかなり拷問的だ。拘束具が首に食い込んで呼吸困難となり、失神してしまってもなお責め続ける鉱太郎の鬼畜ぶりがエグい。義妹はまさにこのサディストにとっての玩具であり、いつでも使える精液便所のような存在なのだ。
3. 古臭くて面倒な構造
『義妹は囀らない』は、たいへん充実した内容を持った作品である。少なくとも私は購入したことを後悔していない。しかし本作には、以下に述べるように看過できない欠点がある。
まず、本作は選択肢が多すぎる。すべてのエンディングとシーンを回収するまでに、100以上の選択肢をクリックする必要がある。しかも、その選択肢のほとんどがエロシーンの最中に集中している。エロシーンの最中の強制選択は、実用を阻害する要因になるので、本当に止めていただきたい。どうしても実装するなら、オート選択機能などをつける必要がある。
次に、エンディングクリアごとの追加シーンが多すぎるという問題がある。ベストエンドやダークエンドといった特別なエンディングを後付けするだけなら構わない。しかし、中途のエロシーンまで追加要素にすることが、プレイヤーの満足度向上に繋がるとは思えない。それらをいちいち回収するために、毎度選択肢を検証する作業は苦痛でしかなかった。
こうした構造は、1作目や2作目がリリースされた時代なら許容できた。だが、お手軽に楽しめる抜きゲーが主流となった現在では、いくら何でもこれはきつい。最低限、中途のエロシーンは後付けせずに最初から全部見せるべきであり、選択肢はなるべくエロシーンの最中に出現させないようにすべきだ。
4. コメント
トータルで見るなら、非常に満足できる作品だった。
『ココロのクサリ』シリーズとして最低評価となったのは、自力攻略の観点からみて、面倒臭さが際立っていたからだ。時代性という問題もある。ストーリー性やエロシーンなど他の要素に問題があったわけではない。攻略チャートをみながらプレイするぶんには、私が感じたようなストレスはだいぶ薄まるのではないかと思う。
次作が何年後になるかは分からないが、次回も楽しみに待っている。
- 総合評価 75/100点
- シナリオ 20/30点
- グラフィック 30/30点
- 音声 20/20点
- システム 5/20点
作品情報
タイトル | 義妹は囀らない ~ココロのクサリ~ |
ブランド | ネガティブギャング |
発売日 | 2014年02月27日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |