あらすじ
鷹雄は、妹(雛子)に慕われ、良き恋人(香波)にも恵まれた学生だった。ところがある日、妹は悪い男に誑かされ、恋人は目の前でレイプされてしまう。妹からの信頼を失い、今まで通りとはいかない恋人との関係にも悩む鷹雄。しかし彼は、二人が弄ばれるのをただ見ていることしかできないでいた。
総評 55/100(可)
妹や恋人を寝取られる。妹の場合は「悪い男に引っかかって……」という王道的展開だが、恋人の場合は基本強姦である。
シナリオにもグラフィックにも、詰めの甘さを感じる出来だった。少々荒い作りであっても構わないなら問題ないかもしれないが、あまりお薦めはできない。
シナリオ 10/30点
登場人物のやることなすことに、いちいち違和感を覚えるシナリオだった。それゆえ、ストーリー展開を追っていくぶんには、寝取られて悔しいという感情が湧かなかった。言動や行動に違和感のある登場人物には、感情移入できないからだ。
主人公は、公式のキャッチコピーからすると、「妹や恋人が犯されても、寝取られても、ただ見ているだけの存在」であるはずだ。しかし彼は、妹や恋人が寝取られていくのをみて興奮する異常性癖を持っているわけではない。むしろ彼はそれに憤っていて、出来ることなら状況を打開したい、と思っている。
そのため、主人公は寝取り男(各務)に対し何かと突っかかる。しかし腕力差は圧倒的なので、所詮口先だけで終わる。眼前で妹や恋人が犯されていても、やはり月並な台詞を時折吐くだけで、大胆な行動に出ることがない。しかもその際のテキストは、一人称であるにもかかわらず、やけに冷静な観察に基づく詳細な記述であることが違和感を倍増している。主人公が完全に傍観者に徹しているならそれでも良いかもしれないが、この主人公でそういうテキストは合わないだろう。
また、妹や恋人の、主人公に対する態度が大きく変わるタイミングは唐突であるように感じられた。特に妹に関しては、もう少し兄の気持ちも慮ったうえで、葛藤する場面が欲しいところ。「兄は、私と各務の関係を快く思っていない → なら、兄は邪魔者」という短絡的な思考をするようでは、折角の設定が台無しだ。寝取られ物においては気持ちの変化の過程が重要なので、そこはもっと丁寧に描写してほしい。
エロシーン以外のシナリオは上記の理由で残念な出来だったが、個別のエロシーンはまあまあな出来だった。妹と恋人、どちらのエロシーンも、寝取られる快感を喚起させられるシチュエーションが手堅く含まれていた。
妹が寝取られるエロシーンについては、それだけ見れば正直グッとくるものがあった。
などは特に良かったと思う。一方、恋人のエロシーンについては、エンディングにおいて、
というシーンに心惹かれた。もっとも、これについては先述の欠点も絡んでくるが、因果関係さえ脳内補完してしまえば、それなりに使える内容ではあった。
グラフィック 15/30点
基本CG枚数は16枚。価格相応。回想はすべてエロシーンで、16本。その内訳は、雛子(8)、香波(8)となっている。複数ヒロインが絡むシーンはない。
メッセージウィンドウとフォントサイズは小さすぎる。あれでは、テキストを読んでいて目が疲れる。
グラフィックの演出面は、表情のクローズアップや断面図の挿入で頑張っている。差分は多めだが、表情などの細かい変化が中心で、大きな変化はない。ヒロインは物語の過程で肌に痣が出来るが、一枚絵では痣がない。妹の妊娠は、人体が崩れすぎていて、ぼて腹になっているようにはみえない。
モザイク修正については、私が購入したDiGiket版では、CG閲覧2列2行目のCGの断面図内(上提サンプル画像左下)にはモザイクがかかっていなかった(※飽くまで当方が所持しているヴァージョンでの話です)。
音楽・声優 15/20点
音楽・声優ともに、同人ならば問題ない。ただし、音質はやや悪い。
佐伯雛子 | 渡会ななせ | 小早川香波 | かがみもえ |
システム 15/20点
クイックセーブはないが、特に使う場面はない。スキップ速度等にも不満はない。
エッチ内容について
作品情報
タイトル | 寝取らレイプ ~恋人も妹も~ |
ブランド | elle-叢神 |
発売日 | 2010年4月30日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |