(*)本作には選択肢が一箇所しかないので、攻略チャートは作成していません。
レビュー
Liquidの代表作『聖奴隷学園』の外伝で、「岸家の息子二人が、次期当主の座をかけて、性奴隷の少女(和歌子)を再調教する」という内容の作品。もとは『Liquid Black Box』の収録作品らしいが、2012年11月に単品で売り出された。
本作には、『聖奴隷学園 Limited Edition』が付属している。これをプレイすれば、本作に関係する前作の内容は大体把握できるはずだ。制限版とはいえ、ヒロインはフルボイスで、しかもCGは18枚も収録されている。もし前作未プレイなら、約二千円で二作品を買えたようなお得感があるだろう。
本作『聖隷嬢和歌子』は、口淫と輪姦・乱交を重視した作品だ。
和歌子を調教する兄弟は、一見、互いに異なるタイプである。兄の恭二は独善的な性格で、和歌子を主に輪姦によって調教する。一方、弟の隼は潔癖かつひ弱な性格だ。そこで、恭二を嫌う和歌子は、隼なら扱いやすいということで、隼を次期当主とすべく、半ば強引にリードしていく。隼とのエロシーンは、中盤までは、主に和歌子主導の口淫である。
ストーリーは、兄弟の調教を交互に見せることで進んでいく。が、最終的にはどちらもある意味似たもの同士になるので、兄弟の性向による差別化は一貫していない。
調教の成果によって次期当主が決まるという設定については、この競争において調教する対象が一人しかいない時点で破綻している。これでは、調教の成果がどちらに帰属するのか、客観的に判定できない。また、そもそも弟は当主の座にあまり興味がないので、良家の跡目を今まさに争っているという緊張感が欠けている。
エロシーンに関しては、とても残念な出来だ。テキストと、その台詞を読み上げる声優の演技に着目すると、和歌子がアヘ顔で馬鹿っぽく乱れている様子しか想像できないのだが、一枚絵に描かれている彼女の様子はそうではない。
ただ乱れているのではなく、自分の意思を何とか保っているように見えるので、それぞれのイメージの不一致から来る違和感がひどい。
本作は、『聖奴隷学園』が好きな人にはオススメできない。勧める理由があるとしたら、せいぜい日陰さんの絵が手に入る、ということくらいだろう。前作を知る人よりも知らない人のほうが、実質(低価格帯の)二作品分の一枚絵が手に入るぶん、満足感は高いと思う。
作品情報
タイトル | 聖隷嬢和歌子 |
ブランド | Portion |
発売日 | 2012年11月22日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |