彷徨う淫らなルナティクス ~月の姫お伽草子~ 感想

彷徨う淫らなルナティクス~月の姫お伽草子~

ストーリー概要

アロイスとエーファは、同じ国の王子と姫君。ある晩、エーファは魔女の王妃リヒテリにそそのかされて、愛する兄王子アロイスと寝所を共にした。

だが後に、彼らの相姦は、リヒテリの密告により国王に発覚。アロイスとエーファは、リヒテリがかけた『ヤーヌスの呪縛』により、心と体を一つに縛り付けられ、昼と夜でお互いの心と体が入れ替わるようになる。
互いに触れ合うことも言葉を通わせることも封じられたまま、二人は王族としての地位を奪われ、国外へ追放されてしまう。

アロイスとエーファは、二人の呪いを解くため、どんな願いでも叶えてくれるという魔女ヨランデを頼るが……。

総評 135/200点(可)

『彷徨う淫らなルナティクス』の内容を端的に示せば、”ヤンデレな妹姫と兄王子が、二人の呪いを解くために、魔女の弟子や奴隷になって迷走する“話といえる。陵辱はあるといえばあるものの、結局は和姦っぽく落ち着く。

本作品は、他のLilithブランドにありがちな過激なエロばかりを期待してプレイするのは止めたほうがいい。だが、官能的な読み物として楽しむぶんにはけっこう面白い。ヤンデレや残酷童話好きにはオススメできる。

シナリオ 35/60点

『彷徨う淫らなルナティクス』のストーリーは、(残酷な部類の)グリム童話がベースになっている。登場人物は、ヤンデレな妹姫、無垢ゆえに残酷なロリ娘、性悪熟女の魔女、優柔不断な王子。精神的にまともな人間は一人もいない。

エンディングはマルチエンドだが、”最終的に誰と結ばれるか”が分岐するだけで、それまでの過程はほぼ共通ルートである。それゆえ、一つの属性、例えば妹とかロリ属性を突きつめたプレイは出来ない。また、エッチシーンの多くは、(そこに至るまでの経緯はともかくとして)和姦である。そのあたりを理解していないと、買った後でガッカリするので注意してほしい。

シナリオの前半は、ダイジェストに物語が展開していく。これは、本作品がメディアミックスを謳っているためで、ダイジェスト部分は漫画で補われることになっている。が、漫画版を読まなくても、ストーリーを理解する上で特に不都合はない。

シナリオ序盤~中盤は、次々と新たな伏線や展開が繰り広げられていくので、中弛みしない。アロイスとエーファは魔を拒みながらも魔を受け入れつつ、引き返せない闇と快楽の泥沼にどんどん嵌っていく。特にノイ登場以降は、お互いの本性が除々に現れてゆき、残酷な流血シーンも多くなっていく。

しかしシナリオ後半は、『試しの門』やら『クリフォトの審判』など、取ってつけたような展開が多くなる。エンディングも完全に予想の範疇で、しかも不完全燃焼ぎみな結末になっているのはいただけない。中盤までの展開がそこそこ面白かっただけに、〆が悪いのは残念なことだった。

CG 60/80点

エロCGは基本35枚(※公式によれば差分含むと200枚超)、エロシーンは28本。

パッケージ絵は非常に出来が悪くて困るが、中身のCGはわりと綺麗なのでご安心を。ただ、メッセージウィンドウの下に結合部分が隠れ、いちいち窓消去しないと、差分を楽しめないことがあるのはマイナスだ。

音楽・声優 30/40点

BGMはしっかり空気を読んでいて、好印象。

エーファ役の汐見凛さんのヤンデレ演技は、とても上手だった。しかし、アクメや喘ぎ声が押し殺したような声ばかりで、緩急に欠けるのが気になった。

システム 10/20点

基本システムの使い勝手が地味に悪い。メッセージウィンドウの色が濃すぎて透視し難く、透明度の調整もできない。ウィンドウ下のショートカットメニュー内に、何故かAUTOがない。回想シーンでは、コンフィグを呼び出すことができない、など。

作品情報

タイトル 彷徨う淫らなルナティクス ~月の姫お伽草子~
ブランド Lilith
発売日 2008年7月25日
ダウンロード販売 DLsite DMM
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