対魔忍ムラサキ ~くノ一傀儡奴隷に堕つ~ 感想

対魔忍ムラサキ~くノ一傀儡奴隷に堕つ~

総評 130/200(可)

対魔忍アサギ シリーズのスピンオフ作品(第5作目)。ストーリーは『対魔忍アサギ』と深く繋がっているが、『対魔忍アサギ2』との繋がりはそれほど強くはない。第1作目か完全版をプレイしていれば、いちおう物語の内容を把握できると思う。

グラフィックの質については、前作よりもさらに良くなっている(からへ格上げ)。定価が少し上がったものの、量的にも質的にも値段相応の向上がみられる。

ただ、本作品のエロは、『対魔忍アサギ2』よりもさらにニッチな趣向になっている。購入する前に後述のレビューを良く読んだ上で、自分の性癖と相談してほしい。

シナリオ 15/60点

『対魔忍ムラサキ』のメインヒロインは言うまでもなく紫であり、サブヒロインはさくらである。今回、アサギは任務から外されているので、彼女の見せ場は無いに等しい。

物語の大筋は、「紫とさくらが敵に捕われる ⇒ 紫はさくらを、さくらは紫を人質にとられる ⇒ 敵に脅迫され、調教される」という流れになっている。彼女たちを調教するのは、マッドサイエンティストの桐生である。紫に一度殺され半人半魔として再生した桐生は、紫の身体を乗っ取るために紫には人体改造を施し、さくらはオーク達に輪姦させ、メス豚として従わせようとする。

エロについて

エロシーンは前作よりも過激さを増しているだけで、全体的にみて良いとはいえない。多くのエロシーンが、これからが本番というところでシーンカットされ、次のシーンへと回されるのは興醒めである。

エロの内容は、今までの対魔忍になかったニッチ要素を無理やりつめ込んだという感じ。例えば、鼻フックやスカトロなどがそうである。いろんな客層を取り込みたかったのだろうが、何だか取ってつけたよう。私は鼻フックもスカトロ(ガチ系以外)も全部イけるクチだが、この作品のエロテキストにはそうした性癖に対するこだわりがいまいち感じらなかった。

テキストについて

テキストには難がある。三人称で描かれるのだが、主となる視点が終始ぼやけているせいで、登場人物の心理が伝わってこない。

本作品は「脅迫による調教」が軸となっているため、このことが致命的である。紫やさくらはお互いを思いやるがゆえに、やむなく姦されているはずなのに、そんな彼女たちの心理描写を放棄するかのようなテキストじゃ、味気ない。

キャラクターについて

本作品から新たに加わった3人のキャラクター(紫、桐生、イングリッド)は、どのキャラも魅力的だ。

特に、紫は個人的にお気に入り。アサギ以外の人間にはツンツンした態度をとっているのに、アサギに対してだけは病的なまでの憧れと恋慕の情を露骨にみせるところが、堪らなく可愛らしい。例えば、さくらが紫に勉強を教えてもらうかわりに、報酬として「アサギの使用済みバスタオルをあげる」といったシーンでは、

「アサギさまのバスタオルっ? 使用済みか!?」

などと狼狽し、妄想の世界へ1人ダイブしたあげく、

「ああっ駄目だ、焦るな……!
いきなり細かく裂いて呑み込むなんて駄目……!
もったいない、その前に、その前にたっぷりと……!」

ついには妄想を口に出してしまうような女の子――それが、紫だ。たぶん多くの人にとってはドン引きの的だろうが、少し病んでるくらいのヒロインが好きな私には直球だった。

エンディング等について

本作品はいったんクリアして条件を満たすと、後日談兼おまけエッチのサイドストーリーが楽しめるようになる。何だかんだで、それまでの話を楽しめた方なら、きっと”愛用できる”内容だと思う。

グラフィック 75/80点

基本CG枚数は46枚。回想シーンは9本だが、サイドストーリー(おまけエッチ)が4本あるので、エロシーンの総数は事実上13本となる。その内訳は、紫(6)、さくら(4)、イングリッド(2)、アサギ(1)となっている。一本のエロシーンは、複数のエロCGで構成されている。

イベントCGのクオリティは、原画・塗りともに前作よりも格段に上がっている。立ち絵もイベントほどではないにせよ、以前の手抜き絵よりはずっと良くなっている。

見所は……

カガミさんのエロ絵の見所といえば、やはりアへ顔だ。あの恍惚として、だらしなく崩れた絵は対魔忍シリーズの名物といっていい。あれがあるからこそ、対魔忍シリーズは絵買いしても後悔しないでいられる。

また、本作品では、メディ倫審査の甘さを活かして、無修正アナルをたくさん拝めるのも良い。やはり抜きゲーとなると、CGそれ自体の質もそうだが、モザイク処理の妙も重要になってくる。この点、本作品は十分丁寧なので合格だ。

注意点について

本作品のCGには、一部に切断その他のグロ表現が含まれている。露骨なものだと、基本CG2枚と差分1枚がそうである。また、本作品の脱糞シーンは無修正で、これが差分2枚ほど含まれている。苦手な方は覚悟してほしい。

音楽・声優 30/40点

アサギ役とさくら役の演技は相変わらず良い。紫とイングリッドもイメージにぴったり合っている。

アサギ 中瀬ひな さくら 逢川奈々
イングリッド 榊木春乃 水瀬沙季

システム 10/20点

lilithの標準的なシステム。何ら改善は施されておらず、微妙に使いにくい(メッセージウィンドウ透過不可、回想時のコンフィグ設定不可など)。

エッチ内容について

エロシーンの詳細
紫(6)
処女喪失、アナルセックス、スパンキング、失禁、産卵、触手浣腸、浣腸したままセックス(断面図有)、脱糞(無修正)、触手で媚薬注射、包茎チンカス掃除フェラ、人体改造(※)、娼婦として路上営業、娼婦プレイ、イマラチオ、精液塗れで野外放置、白スクール水着でプール内セックス(断面図有)
さくら(4)
失禁、スパンキング、媚薬漬け、触手詰め込みセックス(断面図有)、オーク輪姦、鼻フック&朝フェラ、鼻フック&首輪着用で四つん這い散歩、触手痴漢プレイ、ぼて腹産卵
アサギ(サイドストーリーのみ)
催眠人妻化、オナニー見せ、首輪で四つん這い散歩
イングリッド(2)
媚薬注射&触手拘束で乳房揉みしだき、オーク輪姦、スパンキング、飲尿、ニ穴電撃責め、緊縛電極責め、失禁

(※)肉マスク装着&乳房カバーの状態で、液体に満たされたカプセルのなかに放置。このシーンは、回想に含まれない。

作品情報

タイトル 対魔忍ムラサキ ~くノ一傀儡奴隷に堕つ~
ブランド Lilith
発売日 2008年10月24日
ダウンロード販売 DLsite FANZA
パッケージ通販 Amazon 駿河屋