総評 130/200(可)
『聖奴隷』シリーズの第2作目。女教師+女生徒調教モノ。前作『聖奴隷学園』と世界観の一部を共有しているが、ストーリー上の繋がりはほとんどない。
シナリオとグラフィックの質は、総合的にみると、前作よりも向上している。だがそれで、前作を気に入っていたユーザーが『聖奴隷学園』よりも満足できるか、といえば微妙である。というのは、『聖奴隷女教師』のエロの趣向は、シナリオ的にもグラフィック的にも、前作のそれとはやや異なるからだ。
『聖奴隷女教師』それ自体の出来は、少なくとも凡作以上である。が、シリーズ物としては、こちらの期待の斜め上をいっている。本作単体でならそこそこオススメできるが、前作に思い入れがある方には期待外れとなるかもしれない。
シナリオ 20/60点
聖アニエス学園を性奴隷養成のための学園とするために、西紀家から雇われた女衒師である主人公が、学生として同学園に転入学 ⇒ 学園理事長の協力を得て、ターゲットとなる3人の女教師を調教 ⇒ 調教された女教師は奴隷教師となって、学園の学生たちを性奴隷として教育していく、という話。
つまり、主人公は物語中盤までヒロイン中心に調教する。そしてその後は、晴れて奴隷教師となった彼女たちが、各界へ出荷するための性奴隷を調教することになる。
自分が調教した牝奴隷が、さらに別の奴隷を調教するという発想はなかなか面白い。ただ、奴隷教師が(単独で)生徒たちを調教するシーンは、ほとんど端折られているのが残念だ。主人公の手を借りずに活躍する彼女たちの姿を、ちゃんと観てみたかった。
テキストについて
前作のテキストはまともな日本語の文章ですらなかったが、本作ではさすがに改善されている。ただ、日常シーンの記述は説明的すぎて読むのがダルい。物語の尺が短いのに対し、設定を詰め込みすぎたせいか。
エロについて
前作『聖奴隷学園』では、精液弁当や牛乳瓶に精液集めなど、精液臭いエロシーンが多かった。エロテキストも臭いの記述が豊富で、ヒロインたちが精液に塗れるエロが好きな方にとっては、堪らない作品だった。
しかし『聖奴隷女教師』では、精液臭いエロはだいぶ少なくなった。エロテキストは、臭いに関する記述が薄くなった。精液塗れは視覚表現でしかなくなり、前作には無かったタイプのエロシーンが増えた。
温泉浣腸やアナルフィストなどのアナル責めが増えたことについては、個人的には大歓喜。私は前作よりむしろ本作のエロのほうが好みだが、まあアナル・浣腸好きでなければ興醒めだろう。このようにエロの趣向をシフトしてしまった点については、シリーズ物としては「やってしまった」感がある。
選択肢や分岐について
本作品に、選択肢はほとんどない。物語の分岐に係わるのは2箇所だけ。それを選んだ後は、延々とクリック、クリック。プレイヤーの選択によって物語の展開が変わったりはせず、ただ読み進めていくだけである。
こういうのは低価格ソフトなら良いが、フルプライスではマイナスにしかならないと思う。フルプライスの調教モノで、プレイヤーが物語の展開に少しも係われないなんて、手抜き以外の何物でもない。
グラフィック 70/80点
基本CG枚数は90枚、エロシーンは75本。エロシーンは、CGの使い回しによって水増しされていることがある。エロシーンの内訳については、エッチの内容についてのレビューを参照。
原画について
複数原画。絵師は、日陰影次さんと黒石りんごさんの二名。この二人の絵柄は、顔などの描き方が明らかに違っている。本作では絵柄が統一されていないので、二人の絵を並べてみると違和感がある。
塗りについて
CGの塗りは、前作よりも肌の艶が美しく表現されている。精液の描写は前作でも十分にエロかったが、本作ではさらに透明感や粘着感が増している。
構図について
前作では、局部や表情の強調された構図が非常にエロくて実用的だった。しかし本作では、ヒロインがこちらに背を向けていたり、登場人物の身体が邪魔で局部が見えづらい構図が多くなっている。また、中だしされた精液が滴るような描写も弱くなっている。
この点については、前作よりも劣化していると捉えられても仕方ないと思う。
表情について
前作ではヒロインの表情がほぼ変わらなかったが、本作では調教前~途中と調教後とで表情が違う。調教前~途中では不安げな、あるいは反抗的な表情をみせていたヒロインたちが、調教後に淫乱で恍惚とした表情に変わるのは、やはり達成感があって良い。
下着について
前作では、ヒロインたちの下着の模様が細部まで書き込まれていた。しかし一方、本作では、手抜きではないにしても、ヒロインたちの下着の模様は無地に近くなっている。
モザイクについて
前作と同様、良いモザイクだ。性器の形状が朧ながら見て取れる。
音楽・声優 30/40点
BGMは前作からの使い回し。その後ろめたさ故か、音楽鑑賞機能がなくなっている。
声優さんは以下のとおり。特に不満なし。
梓 | Yuki-Lin | 景子 | 榎津まお |
美優 | 芹園みや | クララ | 葉村夏緒 |
薫 | 深井晴花 | 有希 | 桃井いちご |
梨央・幟帆 | 青葉りんご | 茜 | このは |
システム 10/20点
クイックセーブ機能がないのは、前作と変わらず。ただし選択肢が非常に少ないので、もしあっても使う機会はない。セーブ機能がシステム設定画面に一纏めにされているのも、前作と変わらない。
音量やメッセージスピードの調整については、前作よりも自由に設定できるようになった。メッセージウィンドウの透明度も調整できるようになった。
不満なのは、複数のエロシーンを1つの回想枠に収めていることがある、ということ。特に姦されている対象が異なる場合には、ちゃんと回想枠を分けてほしい。
エッチ内容について
作品情報
タイトル | 聖奴隷女教師(聖隷女教師) |
ブランド | Liquid |
発売日 | 2008年10月31日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |