概要と評価
作品のあらすじ
春秋学園事件の後、『退魔屋本舗黒猫支店』には香山水依が見習い退魔師として加わっていた。大上島の島長から「海水浴客が神隠しにあっている。原因を調査してほしい」との依頼を受けた深琴・武・水依の3人は、大上島に訪れ調査を開始する。
感想の要旨
前作『淫妖蟲 凌触学園退魔録』の正統な進化形。面倒な構成、低いコスパとネガティブな要素はあれども、一部の好事家にとっての実用性は極めて高い作品だ。
エロシーンの属性
異種姦重視。前作と比べてエロシーンの種類が網羅的になり、対人プレイの割合が増えた。とはいえ、異種懐妊・出産等を主軸とし、体中の穴という穴を触手等で滅茶苦茶に犯されるというコンセプトは今作にも引き継がれている。詳しくは「2. 前作からの正統進化」を参照。
目次
- 前作との関係
- 前作からの正統進化
- 本作を勧めるただ一つの理由
1. 前作との関係
『淫妖蟲 蝕』は、前作『淫妖蟲 凌触学園退魔録』の続編だ。ただし、続編といっても、今回の舞台は前作と無関係なので、本作から入っても差し支えはないと思われる。
本作の時系列は前作の後になるが、前作で起きた出来事の一部は無かったことになっている。すなわち、深琴と水依はいまだに処女を失っておらず、ヤマトと恋人関係にもなっていない。ただし、前作で武の身に起きたことは、そのまま正史として引き継がれている。
今作では、ヤマトにはほとんど出番がない。別件の仕事が理由で、彼は今回の任務から外されている。そのため、今回は一貫してヒロイン達(主に深琴)の視点でストーリーが進行することになる。
2. 前作からの正統進化
『淫妖蟲 蝕』は、前作から正統な進化を果たしている。
ストーリーからは中途のコメディ要素が省かれ、プロットの無軌道さがかなり改善されている。もっとも、ご都合主義的だという点に変わりはないが、このくらいなら挫折せずに読み通すことができるだろう。
エロシーンについては、前作の核たる要素がより過激に発展している。
本作では特に、異種孕ませ・出産といった要素のピーキーさが際立っている。妖魔はヒロインの膣や肛門へと触手を通し、さらに子宮や腸内を無遠慮に犯す。ヒロインの腹は触手の形に歪み、大量の体液を注入されてぼて腹状態になる。幼蟲等を直接子宮に植えつけられ、自然分娩すら許されず、直接子宮から成蟲を引きずり出されることもある。妖魔の仔を孕むのは子宮だけとは限らず、乳頭を孕まされるというイカれた場面さえある。
本作は前作と比べて、人間の男達がエロシーンに関与する機会が増えた。とはいっても、彼らは基本的に妖魔に操られた存在だ。ヒロインを精液漬けにしたり、輪姦したり、縄縛して浣腸したり、注射を打ったりする場合に、彼らが用いられる。要は、妖魔の姿のまま行なうと違和感があるようなプレイにおいて、彼らは妖魔の手先となってヒロインを辱めるというわけだ。
本作では、エロシーンの種類が前作よりも網羅的になった。乳房肥大化の人体改造や、浣腸・排泄、口淫・精飲、露出プレイが露骨に行なわれるようになった。乳頭責め、手足による子宮姦、搾乳などのプレイも前作よりずっと過激だ。ヒロインの処女膜や内蔵を食べるなど、非常にグロテスクなシーンもある。
本作のエロシーンは、その1つ1つの尺がだいぶ長い。回想では分割されているが、本編で観ると繋がりがある。催淫剤または触手や体液の催淫効果によって発情したヒロインは、妖魔の苗床としてひたすら弄ばれる。その描写はかなりねちっこい。内蔵を犯したり、引きずり出したりするときの、皮を引き裂くような効果音が実に良い仕事をしている。
3. 本作を勧めるただ一つの理由
『淫妖蟲 蝕』は、客観的にみると、コストパフォーマンスの低い作品だ。CGモードの枠は前作と同じ80枠だが、実はこれには前作からの使い回しCGと重複CGが含まれている。新規の基本CGは実質65枚しかないし、さらにここから非エロCGを除くと、エロCGは43枚しかないことになる。
シナリオはバッドエンドだらけで、その大量のバッドエンドはさらに小分けにされている。どういうことかといえば、当サイトの攻略チャートを見てもらうのがはやい。見て分かるとおり、本来一繋がりのエンディングがa、b、cと分割されており、aをみなければbが発生しない、という構成になっている。このため、プレイヤーは何度も同じ選択肢を選び、同じシーンを繰り返す作業を強いられることになる。
こうした構成は、ボリューム不足を誤魔化すための苦肉の策のように思える。本作が当時フルプライスだったことを思えば、かなりイラっとくるやり口だ。
しかしながら、私は本作を購入したことを少しも後悔していない。世間的にみても、本作は淫妖蟲シリーズのなかで最も支持されている作品である。
なぜそうなのかといえば、それは本作がたいへん希少価値のある作品だからだ。世に異種姦ゲームは数多くあるが、これほどピーキーな魂を持った作品にはそうそうお目にかかれない。ボリューム不足だとか、ストーリーがつまらないとかいう問題は、好事家の飢餓感を満たすことと比べれば、実に些細な問題に成り下がるのだ。
とにかくマニアックな異種姦がみたいか? モツを貪り食うようなグロが望みかと自問し、迷いなく”YES”と答えられるなら、ぜひ本作を購入すべきだ。”YES”以外の答えなら、あなたにはまだ早いか、これは生涯のぼるべきではないステージだということだろう。
作品情報
タイトル | 淫妖蟲 蝕 ~凌触島退魔録~ |
ブランド | TinkerBell |
発売日 | 2006年08月25日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |