概要と評価 155/200(良)
作品のあらすじ
主人公は、冥界の下級神。彼は長い時を生きるパイズリの神だが、童貞だった。ある日事故で人間界に飛ばされてしまった彼は、冥界へ戻る力を得るために、様々な事件に関わりながら人々にパイズリの良さを広めていく。
感想の要旨
爽快感のあるストーリーは、著しく不快な展開に陥ることなく、ストレスレスで読むことができる。敵対者がそれぞれの立場で理念を持っており、魅力的に描かれている。巨乳プレイに特化したエロシーンは、多少の不満はあれど、十分実用的な出来だ。
エロシーンの属性
巨乳プレイ特化。3P以上は、けっこう豊富。主人公分身による乱交あり。その他詳しくは「3. 巨大な乳房と母乳に塗れたエロシーン」参照。
目次
- 初代から改善されたと思われること
- 出来の良い”なろう”的なハイファンタジー
- 巨大な乳房と母乳に塗れたエロシーン
- コメント
1. 初代から改善されたと思われること
今回、私が『巨乳ファンタジー3』を購入したのは、3は「新たな世界で描かれる」と公式に書いてあったからだ。このシリーズは初代だけプレイ済みだけれども、それは6年も前のこと。正直内容はあまり覚えていないので、続編だったなら買わないが、そうでないなら久しぶりにWAFFLEの看板作品を遊んでみたくなったのだ。
6年前に書いた『巨乳ファンタジー』のつたないレビューを読み返すと、当時の私は、「主人公が大器だと祀られる一方で、主人公以外の登場人物が総じて無能」という趣旨の指摘をしている。その上で、「主人公自身は能動的に何かやっているわけではないのに、都合よく事件が解決されていってしまう」ことが不満だったようだ。
出典:WAFFLE『巨乳ファンタジー3』
強い志を持った敵対者がいてこそ盛り上がる。
この点、『巨乳ファンタジー3』はどうなのかというと、だいぶ改善されているのではないかと思う。大抵の登場人物は、最初主人公を侮ってくるけれども、それは彼らが無能だからではない。むしろ彼らの多くは有能な人物であり、彼らなりの立場でちゃんとした理念を持っている。彼らが主人公を馬鹿にするのは、傍からみると彼は神というより奴隷に見えるからであり、また、彼らが主人公に鼻を明かされるのは、彼はやはり神だからである。主人公は厄介な事件に積極的に関わってゆき、神としての実力でもってそれを解決していくのだ。
2. 出来の良い”なろう”的なハイファンタジー
本作のストーリーは、もしハイファンタジー・エロゲーの教科書があるなら、お手本として掲載してほしいほどの出来栄えだ。
全4部?からなるストーリーは、各部に必ず何人かのヘイト要員(主人公を侮り挑発してくる存在)を配置し、その者の鼻を明かすことで爽快感が得られる構成になっている。それでいて、多くのプレイヤーが著しく不快になるだろう展開は注意深く避けられている。神である主人公は行く先々で魅力的な巨乳ヒロインを助けて仲良くなり、その結果として彼のハーレムが築かれる。ハーレムは修羅場にはならず、ヒロイン達はお互いを尊重し合い、主人公との仲を深めていく。
出典:同上
神様はみんなのものなので、仲良くシェアしよう。
ストレスレスなチーレムもの、という意味では、本作は、近年人気上昇中のなろう系ファンタジー小説の典型を思い起こさせる。エロシーンが解禁された”なろう”っぽい物語が、本作のストーリーだと思って差し支えない。そのため、小説家になろうの熱心な利用者なら、本作の筋書きをすんなりと受け入れ、楽しむことができるだろう。
また、本作の主人公は人と比べて圧倒的な力を持っているが、傲慢さや強欲さを感じさせない存在だ。味方はもちろん、彼を侮ってくる連中に対しても寛容な態度を取っている。力があるからといって、敵対者に過度の制裁を加えたりはしない。パイズリの神様だけに、女の胸に関しては執着するが、それ以外のことにはあまり頓着しない。意外と良識もあって好感の持てる神様だから、「なろうは主人公の調子こいた性格が無理」という方でも、本作なら楽しめるのではないかと思う。
3. 巨大な乳房と母乳に塗れたエロシーン
巨乳ファンタジーと銘打つだけあって、本作のヒロインは全員、実にファンタジックな大きさの乳房を持っている。一番小さなバストがパイアの90cmであり、以降はエッチできる順番に、バストサイズが肥大化していく。おまけにヒロインのうち2人は、種族がら妊娠していなくても母乳を絞り出すことができる。
出典:同上
ファンタジックな柔軟性、射精にも似た母乳噴出。
主人公は、ヒロインにパイズリやパイズリフェラをしてもらうだけでなく、自らのペニスで巨乳の谷間を縦横無尽に蹂躙する。乳首のある場所を突いて犯したり、陥没乳首を穿り出したりすることもある。両方の乳首を束ねて吸いつき、白く半透明な母乳をじゅるじゅると飲んだりもする。また、主人公は母乳のお返しとばかりに、大量の精液をヒロインの口や膣へと注ぎ込む。彼は早漏ではあるがとんでもない絶倫なのだ。ヒロインとセックスしている間にも、両手はしっかり乳房を揉みしだいているところが抜け目ない。
本作は、このように巨乳プレイに特化した作品である。ただし、そのエロシーンを描くテキストは、あまりフェティッシュではない。本作のテキスト描写は非常に軽いのだ。揉みしだく様子は「もみぃ!」、射精する様子は「どぴゅどぴゅ!」といった具合に、擬態語や擬音語で処理されることが多く、地の文による官能小説的な表現はほぼ無いと言っていい。
出典:同上
恥じらいながら苦しそうに頼んでいるようには見えない。
また、WAFFLEの作品は相も変わらず顔の表情が貧しい。場面次第では、状況と食い違った表情をしているのが目につく。『巨乳ファンタジー』という看板タイトルですらこうなのだから、WAFFLEに改善する気などないのだろう。
しかしその代わり、人肌の水風船のような巨乳が、場面ごとに様々な表情を見せてくれるのは良い。さすがに胸の柔らかい質感については抜かりがない。エロシーンは一つのプレイを行って終わりではなく、複数のCGを用いていろんなプレイへと移行していく。甘ったるい空気をまとったエロ台詞とビジュアル的な魅力で、和姦ものとしては十分実用的な内容に仕上がっている。
4. コメント
ストーリーは、予想を超えて面白かった。エロシーンも多少の不満はあれど実用性は十分だ。次回作があるならやってみたいと思えるくらいには、本作を気に入っている。
- 総合評価 155/200点
- シナリオ 45/60点
- グラフィック 65/80点
- 音声 30/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | 巨乳ファンタジー3 |
ブランド | WAFFLE |
発売日 | 2015年12月11日 |
ダウンロード販売 | FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |