君がいた図書室 感想

君がいた図書室

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あらすじ

学外受験を狙う主人公(大樹)は、内申書のため図書委員の仕事を任された。彼は図書室で本好きの眼鏡っ子(千穂)と出会い、二人は友達以上恋人未満の関係となる。女関係で悪い噂のある後輩の国嶋俊は、偶然見かけた千穂を気に入り、大樹から彼女を奪いにかかるが……。

総評 70/100(良)

ミステリー好きで大人しい眼鏡っ子を寝取られる。本作は決して出来の悪い作品ではないものの、寝取られたときの刺激はあまり強くないように思う。

十分に訓練されたネトラリストの諸兄には、若干物足りなく感じられるかもしれない。しかし、好きなあの子をうかうかしてたら他の男に横取りされてしまったという展開を求めているなら、まあまあ楽しめそうではある。

シナリオ 15/30点

本作は、特定のエンディングを観るごとに新しいルートやヒロイン(千穂)視点が開放されていく構成になっている。

初回プレイ時は純愛ルートしか辿ることができず、視点も主人公(大樹)で固定されている。純愛エンドを一度観ると、ヒロイン視点をONにしてプレイできるようになる。その場合は、主人公視点である程度進めた後、ヒロイン視点で改めて同じ場面を追うことになる。ただし、ヒロイン視点は段階的に開放されるため、純愛エンド以外にもいくつかのエンディングを観る必要がある。

このような構成は一見制作者の自己満足に思えるが、本作の場合は一応の計算があるようだ。寝取られルートにおける大樹と千穂の関係は友達以上恋人未満なので、もし最初からこのルートを辿ってしまったら、寝取られ感はずっと弱くなるだろう。純愛エンドで結ばれた二人を観ていればこそ、別ルートで寝取られたときの悔しさも増すに違いない。

純愛ルートでは、「ミステリー好きの大人しい少女」という千穂のキャラクターが丁寧に描かれている。物事の順序や時期にこだわったり、言葉の綾にやけに突っかかるところが如何にもミステリー好きの女の子っぽい。また、本好きの愉快な習性をネタにしたイベントの数々が、千穂というキャラクターに程良いリアリティを与えている。

この娘は、はっきり言って私の好みだ。あのいけ好かないイケメンに寝取られれば、さぞ悔しかろう。そう思って寝取られルートに入る前には、いったんプレイを中断し、心の準備をしたものだ。

だが、実際に寝取られルートに入ってみれば、思ったより悔しくなかった。それは何故かと追求してみるに、大樹と千穂の性格があまりにもヘタレすぎて、状況に流されすぎるということが原因ではないかと思い至った。

千穂は、大樹を好きな自分を自覚しているのに、女生徒たちの言いがかりを躱すため、うっかり俊に身を任せてしまう。いったん唇を許したら、後はずるずると行くところまで行ってしまう。彼女の性格からするとあり得なくはない展開だが、幾ら何でも心と体のガードが緩すぎやしないだろうか? ここまで押しに弱いと、見ず知らずの痴漢とそのままラブホテルまで行ってしまいそうだ。

一方、大樹は、目の前で千穂が犯されていても何故か止めようともしない。その場で出歯亀して悔しがるだけだ。かといって強い寝取られ性癖を持っているわけでもない。寝取られた怒りをぶつける先は、寝取った男ではなく、千穂ひとりだというところがヘタレを極めている。

寝取られルートにおけるこの二人の関係は、何だか半端すぎて、すっきりとしない。彼らに背徳に対する葛藤はあっても、具体的な行動(抵抗)はないからだ。そのもやもや感が良いという人もいれば、ダメだという人もいるだろう。そして残念ながら、私は後者のほうだった。

エロシーンについては、過激さはまるで無いが、寝取られの定番は押さえている。例えば、主人公のテクでは大して気持よくなかったのに、寝取り男のはすごく気持ちいい、アレの大きさも全然違う、といった比較はきっちり行われる。また、主人公と電話しながら、寝取り男とセックスする場面もある。

しかし不満なのは、アナル責めや連続セックスに移行するはずの場面が、そのまま尻切れになってしまうこと。これからが本番だというときに、暗転して数行のテキストで済ますのは抜きゲーとして間違っている。寝取られのポイントを押さえることも大事だが、そもそも抜ける描写とは何かという点も追求してほしいところだ。

グラフィック 25/30点

基本CG枚数は20枚(解像度1024×768)。ディーゼルマインの平均的な枚数だが、それなのにいつもより定価が高いのは何故だろう。コストパフォーマンス的にはよろしくない。

エロシーンは、26本(そのうち重複シーンは5本)。1本除けば、すべて千穂のシーンだ。

最近のディーゼルマインで定番であったズームアップ機能は、本作には実装されていない。そもそも本作の一枚絵には、女性器がクローズアップされた構図は少なく、男性が女性に被さった構図が多い。複雑なポーズであればあるほどバランスがおかしく見える。それでも同人としてなら高い水準にあるが、フェティッシュさには欠けている。

モザイクによる修正は、サンプル画像並。といっても分かりづらいが、まあ薄いほうだ。

音楽・声優 20/20点

声優さんの演技に特に不満はない。寝取り男もフルボイスだ。

千穂 涼貴涼 ベニーゆきひで

システム 10/20点

今回から、システムの一部が変更された。

個別のボイス調整などサウンド調整が改善された一方、セーブ機能は改悪された。通常のセーブ&ロードがメニューにまとめられ、キーボードで直接ショートカットすることも出来ない。ピンヒロインで音声個別調整の必要性がなく、逆にセーブ&ロードを活用しなければならない本作のゲーム性からすると、これはシステムの改悪といっていいだろう。

エッチ内容について

エロシーンの詳細
千穂
[千穂自室]俊を思いながらオナニーする
千穂×大樹
[大樹自室]処女喪失(正常位)
[大樹自室]キスしあう
[図書室]無理やり犯される(正常位)
千穂×俊
[図書室]処女喪失(対面立位)
[図書室]処女喪失(後背位)
[図書室]口淫する
[図書室]手コキする
[図書室]ディープキスされる
[図書室]女子生徒たちの前でキスされる
[図書室]立ったまま、下着ごしにクンニされる
[図書室]立ったまま、背後から愛撫される
[図書室]背後から愛撫され、絶頂して失禁する
[図書室]尻穴を指で弄られながら、対面座位でセックス
[保健室]手を縛られ、処女を奪われる(正常位)
[保健室]足首をマッサージされた後、足の指を舐められる
[ラブホテル]大樹とのデート前にセックス
[ラブホテル]騎乗位でセックスしながら、大樹の電話に対応させられる
その他
{司書+女生徒3人組}×俊
[図書室]その他

作品情報

タイトル 君がいた図書室
ブランド ディーゼルマイン
発売日 2011年5月20日
ダウンロード販売 DLsite DMM