レビュー
エロRPG。淫乱なお師匠様とアルが、封印の祠にいる魔物を退治するため奮闘する。お師匠様の魔力が尽きたら、アルとのエッチで精力を吸引し、HPMPを回復できる。
弱まった魔力を補うためにエッチする――なんて馬鹿げた設定からして、1発ネタですぐ飽きそうな作品だと思わないでもない。しかし500円という廉価をみるに、捨てるつもりで買っても別に痛くはなさそうだ。そう思って買ってみたら、これがなんと大当たりだった。
確かに、エロエロで馬鹿馬鹿しい内容だという点については、購入前の印象と同じであった。裸で街中を歩き回ったり、探索中も戦闘中もかまわずセクハラしたり、敵にもお師匠様に劣らぬ変態がいたり。また、お師匠様がガラクタフェチのせいか、街にあるオブジェクトを調べると、アホな会話が聞けたりもする。なんだこの馬鹿らしさは……と笑ってしまうが、これはこれで面白かった。
一方、第一印象を覆す要素もあった。
本作には、移動速度や戦闘アニメの有無を選択できる便利機能がある。また、好きなところにワープゾーン(魔方陣)を設置できる。さらに、エンカウントの有無さえも操れる。こんなに便利すぎる機能を備えているからには、誰でも簡単にコンプリートできる難易度だと思っていた。
しかし、実際にゲームプレイを進めていくと、その第一印象は間違っていたことを知る。実は、あれらの便利機能こそは、本作の鬼畜をおおう隠れ蓑だったのだと。
実際の本作は、存外に硬派なゲーム性で成り立っている。適当に殴っているだけでは、ボスなんか倒せない。ちゃんと対策を練って、耐性装備を揃え、弱点属性を狙って攻撃しなければならない。終盤は雑魚でさえも凶悪な強さになり、オート戦闘だと死ぬおそれがある。
また、ダンジョンはただ進むだけの道ではない。階層ごとに仕掛けがあって、それほど複雑ではないが、多少頭を使わされる仕掛けもある。それらの仕掛けを解いていくたびに、「ああ、だからこの機能があるのか!」とか。または「あそこで売られてたアイテムは、ここで生きてくるのか!」と、まさにエウレカな気持ちにさせてくれるのだ。
第一印象通りの面白さと、第一印象を覆す楽しさと。それだけで私はもう満足なのだが、本作が与えてくれる充実感はそれだけではなかった。
終盤、最後の最後で、エロやゲーム性とは違うものをもたらしてくれた。とてもベタではあったが、ベタなものほどこういう作品には似つかわしいのだろう。エロと笑いと鬼畜なゲーム性で突き進んだ本作は、まさかのまさかで締めくくられたのだった。とても素晴らしい、大満足である。
で、今改めて価格を見直し、思うのだ。これが500円? 安すぎだろう、と。同人RPGが好きなら、とにかく買っておくべき作品だ。
作品情報
タイトル | お師匠様と僕 どこでもセクハラ☆おねショタRPG |
ブランド | さくらぷりん |
発売日 | 2011年8月6日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |