概要と評価
作品のあらすじ
武者修行中の少女サチは、旅の途中で人攫いの頭領に敗れ、コロッセオの赤首にされてしまった。赤首とは女の剣奴のようなもので、赤い奴隷の首輪をはめられていることからそう呼ばれる。サチはコロッセオでの決闘で8人の猛者を倒せば解放されるが、一度でも敗れればその対戦相手の性奴隷となってしまう。
感想の要旨
非常に出来の良い同人RPG。RPGツクール作品だが、戦闘システムには特色があり、歯応えがある。周回プレイを前提としており、それがストレスとならないよう配慮が行き届いている。懸命に生きている赤首の少女達が、1度の敗北で悲惨な末路を辿るという理不尽さに興奮させられる。
エロシーンの属性
可愛らしい絵柄のわりに、エロシーンは無慈悲なものが多い。触手・異種姦、輪姦・乱交、電気責め、監禁凌辱、妊婦プレイ、お漏らしなど。ヒロインに暴力を振い、死に至らしめる場合もあるので、苦手な方は要注意。
目次
- 特色のある戦闘システム
- 周回プレイを前提としたゲームデザイン
- 儚げで強い赤首の少女達は、下衆に犯され不幸になる
- コメント
1. 特色のある戦闘システム
『赤首の闘技場』はRPGツクールVXで制作された作品だが、その戦闘システムには特色がある。
戦闘システムの特色は、QTE、ダイス、セクハラの3つ。QTE(クイックタイムイベント)とは、ごく短い時間内に、指定された方向キーを入力するイベントのこと。QTEに成功すれば反撃のチャンスが生まれるが、失敗すれば体力的にも性感的にも追い詰められる。ダイスには1つの目ごとに任意のスキルをセットできるが、戦闘中にダイスを振ってどの目が出るかは、運次第である。
出典:えのきっぷ『赤首の闘技場』
スキル取得にはSPを消費し、それをダイスにセットするにはEPを消費する。
EPには上限があるので、スキル構成はEPコストに配慮する必要がある。
出典:同上
中央バーが溜まりきるまでに、青く指定された方向を入力しなければならない。
制限時間は結構シビアだが、慣れれば簡単。
対戦相手が頻繁にしかけてくるセクハラをQTEで上手くかわせないと、性感ダメージが蓄積していって絶頂、最悪敗北が決まってしまう。性感ダメージは、一部のスキルによって回復できるが、ダイスにセットされていなければ使えないし、セットされた出目を出せなければ発動しない。サチの初期能力は低く、一番弱い決闘相手にすら苦戦するので、本作の戦闘は一筋縄ではいかないものだ。
出典:同上
対戦相手は隙あらば鎧を脱がそうとしてくる。”勝ちたければ”全力で回避しよう。
戦闘シーンは、グラフィカルな変化に富んでいる。特にセクハラされている時のリアクションや、徐々に鎧を脱がされていく演出などは入魂の出来だ。また戦闘ばかりでなく、鍛錬中も可愛らしいSDアニメーションで描かれる。千円台前半という価格から想像されるものとはかけ離れた充実ぶりである。
2. 周回プレイを前提としたゲームデザイン
『赤首の闘技場』は、1周しただけではトゥルーエンドに到達できない作りになっている。これは制作者の自慰でそうしているわけではなく、明確な意図に基づいて設計されているようだ。
本作には、周回プレイが苦痛とならないような配慮が行き届いている。一度観た重要イベントは任意で省略できるし、いわゆる「強くてニューゲーム」をすることも可能だ。サチのステータス、装備品、有り金などはすべて次のプレイに引き継げる。
2周目以降、序盤の敵はもはや雑魚でしかないから、サクサクと倒すことができる。しかし、終盤の敵は周回前提の強さを持っているので、2周目程度ではよくて互角といったところ。戦闘がだれないように、難易度のバランスもしっかり取れている。
なお詳しくは言えないが、周回プレイはプロット的にも織り込みずみのことだ。ぜひ何度も敗北し、最後の最後でトゥルーエンドに到達するカタルシスを味わってもらいたい。
3. 儚げで強い赤首の少女達は、下衆に犯され不幸になる
『赤首の闘技場』の物語は、1度の敗北で生涯性奴隷となってしまう赤首の視点で綴られる。決闘相手も観客も揃いも揃って下衆ばかりで、赤首が負けて犯される瞬間を心待ちにしている。
その状況は、赤首の側からみれば絶望そのものだ。しかし、赤首の少女達は皆、根は良い子ばかりで、自分なりに今を精一杯生きようと努力している。そのためか、ゲーム内の雰囲気は悲壮感ばかりを感じさせるものではなく、むしろほのかに明るく感じられる。
だが実際に敗れてみると、赤首の末路はことごとく酷いものだと分かる。下衆は容赦なく赤首を酷使する。その扱いは子供が玩具を弄るようにぞんざいで、最終的に壊れてしまっても構わないようだ。
儚げで強かった赤首の少女達は、どれだけ懸命に生きようとも、最後には死よりも酷い扱いが待っているのだ。彼女達のなかには、良いご主人様に敗れることを期待する者もいるが、それは所詮幻想でしかない。そもそも女を性奴隷にするための決闘に参加するような人物が、赤首を人間らしい待遇で迎え入れるはずもないからだ。
赤首時代はむしろ幸せだったと思えるような落差に、グッとくる。ほんわかとした一般同人のような絵柄で、ひどい結末が描かれている。お気に入りの漫画のヒロインが突然不幸になったときのような、喪失感とサディスティックな喜びを同時に感じさせる展開が、本作の妙味である。
4. コメント
久しぶりに面白い同人RPGに巡り会えた。夜中にプレイしたなら徹夜は必至だ。後で調べて知ったことだが、どうやら本作の終盤で登場するキャラは、前作(ソナビア?)と関係あるようだ。プレイしたことのない作品だから、機会があれば遊んでみたい。
作品情報
タイトル | 赤首の闘技場 |
ブランド | えのきっぷ |
発売日 | 2014年08月24日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |