感想と評価 110/200(可)
敗戦国や同盟国の姫君だけでなく、自国の姫君をも調教する。
本作を購入する前に、取り敢えず注意すべきことが3点ある。1つは、本作は調教ものだが、ほとんどのエンディングは純愛エンドだということ。2つ目は、着衣エロが徹底されており、挿入シーンですらパンツ越しだということ。最後に、自力攻略すると非常にストレスを感じるだろうということ。
具体的なことは、2.以降のレビューを読んでほしい。
1. 罵られながら犯すエロシーン
主人公の副官であるリリーナ以外のヒロインは、全員無理やりに手篭めにされた女である。ヒロインは、王女など高貴の血筋ばかり。主人公に弱みを握られながらも、行為の最中には卑怯な彼を罵る言葉を忘れない。
オリヴィア
「へ、へへへ変態! 変態変態ド変態! 私、私! あなたのこと、心底、軽蔑しました!」
セシル
「軽蔑するのは構わんが、肉棒から目を逸らすなよ?」
「変態」「死ねばいいのに」と何度罵倒されても、怯まぬ主人公。彼はむしろ、そうやってささやかな抵抗を受けることを楽しんでいるふしがある。
そんな彼の技術がすごいのか、ヒロイン自身が感じやすい体質なのか、ヒロインは調教レベルの低い段階から激しく淫れてしまう。
オリヴィア
「んあ、んん、認めるから! あ、ああ、感じてるって、んあ、んん、感じてるって認めるから、あん、やん、そんな風に動かないでぇ! んあ、んああぁ、あ、ああ、ああぁ!」
即落ちのような流れだが、一つのエロシーンが終わればまた元の気丈さに戻る。つまり、「こんな男に抱かれるなんて……悔しい、でも感じちゃう!」という伝統的展開を何度もループするわけだ。
調教レベルが上がっても、ヒロインはある程度罵倒してくる。しかし、明らかに快楽や期待のほうがまさった反応をみせてくれる。
エロシーンは、着衣エッチに特化している。9割以上のエロシーンは着衣しており、その大半でパンツも着用している。
そのほか、どちらかと言えば、口淫好きが喜びそうなプレイが多い。イラマチオなどの激しい口淫や、恥垢の舐めとり、飲尿などの汚れプレイが充実している。
2. 苛立ちを覚えるゲームデザイン
私は、本作のストーリー性やエロテキストには特に不満がない。だが、それ以外の要素には大いに不満がある。
本作の評価が低いのは、a.純愛ばかりのエンディング b.マジカルパンツの存在 c.使い回しの多さ d.ひたすら面倒なゲーム性 という4つの問題点の故である。
2-a. 純愛ばかりのエンディング
本作のジャンルは、凌辱調教ゲームであるはずだ。しかし実際には、ハーレム以外のエンディングは純愛しかない。
凌辱エンドをにおわせる選択肢はいくつかあるのに、それらは全部、外れの選択肢に過ぎない。もしそれらを選び続けると、ゲーム期間満了までプレイしても、ハーレムかバッドエンドしか観ることができない。
エンディングの内容自体はそこそこ面白いものではある。しかし、どうして純愛ばかりをみせつけられるのか? 凌辱調教をうりにするなら、最低でも快楽落ちくらいは用意しておくべきだ。
2-b. マジカルパンツ
本作のテキストと一枚絵からは、どうもチグハグな印象を受ける。それを説明するのに最も分かりやすい例は、作中で多見する“マジカルパンツ”なのだが、何故かサンプル画像は一枚も用意されていないので、製品版から引用することにする。
これは、パンツにスリットを入れてペニスを挿入している場面……ではない。パンツの上から無理やりペニスを挿入している場面である。
誤解なきよう言っておくが、これは何も、数本しかないような特殊な場面を恣意的に選んで掲載しているのではない。本作の局部が露出する挿入シーンは、たいてい、この”マジカルパンツ”越しに挿入される。
肝心のテキストには、(オリヴィア以外)これに関する記述がない。普通にセックスしているのと変わらない記述である。どうしてパンツ越しに挿入できるのか、なぜパンツは破れないのか、パンツ越しに挿入することに宗教上の理由はあるのか等、一切の説明が不足している。
特殊プレイとして1本や2本あるだけならまだしも、多数をこのような絵にする意図が不明である。また、敢えてこうすることに重要性があると信じるなら、パッケージや公式サイトにセールスポイントとして明記しておくべきだ。これを不意打ちでやるのは、制作者の公開オナニーに過ぎない。
2-c. ひどい使い回し
本作の基本CGは90枚以上あり、抜きゲーにしてはまあまあな量ではある。しかし、ヒロインがメイン・サブ含め7人もいるせいで、1人当たりの基本CG枚数がまったく足りていない。
調教は、Lv1から4まで同じ一枚絵がずっと使い回される。せいぜい差分が少し変化する程度で、新規の一枚絵がほとんどない。それでいて、2-d.で述べるように、ゲーム性がひたすら面倒で時間がかかるから、作業感がひどい。新しいエロシーンが現れても、それもまた同じCGの組み合わせで作られていたりするので萎える。
2-d. ひたすら面倒なゲーム性
本作は、やたらと選択肢の多いゲームである。エロシーンさえも、呆れるほどの数の選択肢に塗れている。テキストを少し進めたら、すぐに別の選択肢が現れてしまう。プレイヤーにエッチの主導権を握らせる試みかもしれないが、こんなに多いと逆に面倒くさく感じられる。
また、エンディングをみるのに重要なヒロインの好感度などのパラメータが、何故か非公開になっている。それだけならまだしも、エンディングの条件に反する選択肢を選び続けても、一見それが正しい選択であるかのようにゲームが進行してしまうのが問題である。
間違いに気づくのは、ゲーム終盤、まったく取り返しのつかない状況になってから。最後の最後になって何故かエンディングに辿りつけず、また相当前の段階からゲームをやり直すハメになる。本作のように1周百以上の選択肢を選ばされる場合、この作業をやらされるたびにイライラしてくる。
こういう作業系のゲームでは、フローチャートを実装するなり、ミスに気づきやすい構造を取るなりすべきだ。どこに条件が埋もれているのか分からないのに、それを手がかりなしに探し当てるようなゲームは時代錯誤である。
評価とコメント
シナリオは、つまらなくはないが、凌辱調教ものであることを無視しすぎ。複数による原画は安定しておらず、特にオリヴィア担当のクオリティの低さが目立つ。ただ、口淫場面は意外と良いものがあったので、そのぶんだけ救われている。システムは、レビュー本編では触れなかったが、通常セーブするのにいちいち環境設定を開く必要があったり、セーブ枠が選択肢の量に追いついていなかったり、ただのADVなのにやたらと動作が重かったりするのが難点。一度観たシーンは、未選択分のCGも回収されるシステムだけは評価する。
- 総合評価 110/200点
- シナリオ 20/60点
- グラフィック 50/80点
- 音声 30/40点
- システム 10/20点
エッチ内容について
作品情報
タイトル | 姫騎士オリヴィア |
ブランド | シルキーズ(OHP閉鎖) |
発売日 | 2011年8月26日 |
ダウンロード販売 | FANZA |