概要と評価 150/200(良)
作品のあらすじ
阿久津拓真は、理想の痴態を追い求める痴漢。拓真は、ある日事故にあったことで他人の心の声を聞けるようになった。しかし、脳に悪性の腫瘍が見つかり、このままだと死ぬ可能性が高いという。治療の僅かな可能性にかける気のない拓真は、強引に退院し、理想の痴態をみるために命懸けで町へ出る。
感想の要旨
痴漢ものとしては出来損ないだが、いつものBISHOPのソフト陵辱が好きなら、その延長線上にある作品として充分楽しめる。ヒロインごとのエロシーンの差別化がはっきりしているのが良い。
エロシーンの属性
公共の場でのプレイに特化。羞恥・排尿、ペニス・精液、アナル、露出、淫具など、ヒロインごとに性的嗜好が異なる。妊娠ぼて腹は一人あり。ハーレムもあり。
目次
- ストーカーで強姦魔? いいえ、痴漢です。
- 乗客たちはマネキンのような存在
- 各ヒロインについて
- コメント
ストーカーで強姦魔? いいえ、痴漢です。
『修羅の痴漢道』の主人公(拓真)は、いろんな意味で通常の『痴漢』とは隔絶した存在だ。
痴漢とは公共の場で性的ないたずらを働く者を意味するが、拓真は公共の場でいきなり標的の処女を奪いに行く。それも突発的な犯行ではなく、事前に狙ったヒロインをストーキングして情報を集め、最適な陵辱プランを練ったうえでの計画的犯行だ。
出典:BISHOP『修羅の痴漢道』
拓真の超絶テクにかかれば、女はむしろ痴漢されることを望むようになる。
また、拓真は、周りの乗客の存在をほとんど気にしていない。乗客に陵辱の現場を見られても堂々と犯し続ける。通報されてそのまま警察送りにされることなく、拓真は公共の場でヒロインを犯し続けるのだ。
出典:同上
所詮モブ子では理想になれない。ヒロインのみが理想となれる。
拓真が追い求める理想の痴態とは、「女が徹底的に快楽に浸り、何も考えられなくなるくらいイキ狂う……そんな姿」であり、これを自らの手で実現させたいらしい。拓真は脳を患っているせいか、もはや痴漢としての分別もつかないようだが、ひょっとすると我々凡人には見えないものが見えているのかもしれない(実際、心の声が見えているのだが)。
『修羅の痴漢道』は、そんな狂ったストーカーの強姦魔ーーもとい、プロフェッショナルでアグレッシブな痴漢が、命懸けで理想の痴態を追い求めていく作品だ。ストーリーに突っ込みどころが多々あるバカゲーゆえ、エロのためなら細かいことは気にしない方に向いている。
乗客たちはマネキンのような存在
出典:同上
マップ上のイベントを選択し、ゲームを進めていく。
『修羅の痴漢道』のゲーム進行は、「ヒロインをストーキングして情報収集」→「その情報をもとに最適な痴漢プレイを考案」→「いざ痴漢へ」という流れになっている。
2番目のプロセスは、例えば、
「どうしてこんな簡単なリズムに合わせられないのかしら、信じられないわ!」
というヒロインの愚痴から、「(淫具の)リズミカルな振動で乳頭を責める」なんて面白そう、とこじつける程度のものだ。そして、それが本番で選択可能な痴漢プレイの一つとなる。
本番では、そうして得た3つの痴漢プレイを組み合わせて、ヒロインを快楽漬けにしていく。それぞれのプレイの効果の大きさは可視化されているので、基本的には星の数が多いものを選んでいけばいい。
出典:同上
星の数が合計9個以上で、ストーリーが進行する。
痴漢は、電車やバスのなかだけでなく、学校の教室や職場などでも行われる。拓真は神出鬼没で、様々な公共の場でヒロインを犯していく。それ故、本作のエロシーンはどれも潜在的には露出羞恥プレイと言えるはずなのだが、実際にはそうだと太鼓判を押せない事情がある。
というのも、露出プレイに特化した由宇のエロシーンを除けば、ほとんどのエロシーンにおいてギャラリーの存在感が希薄だからだ。明らかに人前でセックスしているにもかかわらず、エロテキストはギャラリーの反応を描くことに消極的だ。
本作においてギャラリーの反応が活性化するのは、明らかな露出・羞恥嗜好のプレイが行われる場合だけである。それ以外の場合は、周囲の乗客たちはせいぜい二言三言を発するだけで、あとは単なる背景としてそこにいる、といった具合になる。
各ヒロインについて
以上、どちらかと言えばネガティブな批評を展開してきたが、では『修羅の痴漢道』は駄作なのかというと、そんなことはない。
本作は115枚もの基本CGを収録しており、エロシーンの総数は77本と充分な数が用意されている。豊富なCGを小分けしてエロシーンの水増しをしたりせず、1本のエロシーンに複数の基本CGを投入し、ダイナミックな変化のあるエロ描写を実現している。
また、各ヒロインはそれぞれ異なる性癖(性的嗜好)を持っている。最初から「嫌だけど、感じちゃう」あたりは共通しているが、拓真から受ける痴漢プレイはそれぞれの性癖に特化した内容になっている。
以下では、各ヒロインの特徴などについて簡潔に説明していく。具体的なエロシーンの詳細については、作品情報にあるリンクから別紙を参考にしてほしい(本文が長すぎるので、分けた)。
久利橋 小春
小春は、本作のヒロインのなかで最も温和な性格をしている、恥ずかしがり屋な女子学生だ。男女問わず人にからだを触られるのが苦手で、おっぱいが大きいことをコンプレックスにしているようだ。
しかしながら、小春は、恥ずかしい思いをすればするほど発情する恥辱性癖の持ち主でもある。羞恥心を刺激されると快楽を覚え、絶頂を迎えると失禁して、さらに恥ずかしい状態になってしまう。
出典:同上
敏感になったからだを持て余し、オナニーまで。
恥辱性癖に目覚めた小春は、痴漢されることが快感となり、”痴漢さん”が今日もやってこないかと期待するようになる。痴漢によって開発された彼女の肉体は敏感で、ちょっとしたことですぐエッチな気分になる。
また、小春は、”痴漢さん”に対してとても情が深い一面もみせる。彼がいつ死んでもおかしくない状態だとわかると、小春は自分が彼にとって理想の痴態をみせるかわりに、手術を受けさせてやるんだと意気込むようになる。健気さと恥辱性癖の相性の良さを確認させてくれる娘だった。
常磐 桐香
桐香は、製薬会社で営業・MRを努めるクールビューティーだ。営業成績はトップクラスだが、愛想がないため、同僚たちからは孤高の人と見なされている。美しく気高い見た目に反し、本人は肉体の慢性的な疲れや、新人教育の難しさに日々悩まされている。
出典:同上
仕事人間で異性と付き合わない、そんな彼女だからこそ淫乱にしたい。
そんな桐香は、ペニスとその先から放出される精液が大好きという性癖の持ち主だ。ペニスを舐めると興奮し、精液を飲むと気持ちが良くなる。精液は飲むだけでなく、からだにぶっかけられたり、膣内に注がれても気持ち良いものらしい。それ故、桐香のエロシーンは口淫が比較的多めではあるものの、別に口淫だけに偏っているわけではない。
桐香は当初、拓真による痴漢で快楽を得たことを屈辱的に感じ、痴漢を警戒するようになる。しかし警戒するあまり、逆に視野が狭くなってしまう。そうなってまで痴漢を警戒したのに、結局拓真の魔の手からは逃れられず、彼のチンポのことばかり日々考える淫乱女に堕ちてしまう。
相模原 雪穂
雪穂は、拓真が搬送された病院の献身的な看護師だ。2年前に夫が交通事故で亡くなっており、電車で移動中にムラムラするほど欲求不満を募らせている。
雪穂は肛虐性癖の持ち主であり、肛門を弄られるのは恥ずかしいけれど、感じてしまう。拓真にアナルを開発され、自分でもアナニーグッズを購入するほど肛虐快楽にはまっていく。ただし、前の穴を犯されるのも同様に気持ち良く感じるため、アナル責めが中心ではあるものの、膣内挿入がないわけではない。
出典:同上
いつもアナル快楽のことばかり考えるように。
雪穂は、拓真の痴漢テクニックに肉体的には抗えないものの、終盤まで亡き夫への思いを忘れてはいない。それゆえ、肛門をほじられて感じる自分では、亡き夫にあわせる顔がないと嘆いてもいる。そんな雪穂の心を奪うエロシーンにも注目してほしいところだ。
前川 由宇
由宇は駅の女性警備員で、猪突猛進型の体育会系娘だ。以前、通勤途中に拓真の痴漢にあって絶頂させられた経験があり、その屈辱から痴漢に強い敵愾心を抱いている。特に拓真への恨みが強く、彼を現行犯逮捕するために、公私混同を憚らず日々彼を捜している。
そんな由宇の性癖は、ずばり露出。拓真に痴漢されてから露出性癖が開花しはじめ、それを克服するために、パンツを履かずにストッキング直履きで仕事をしてみたりするなど、だいぶズレた感性をしている。膨れ上がる性欲に耐えかねて、慣れないオナニーをしてみたものの、自分では欲求を解消できないそうだ。
出典:同上
女扱いされて、何故かときめく女警備員。
由宇は男勝りなパワフル女だが、拓真にちょっと女扱いされて戸惑い、満更でもなさそうな態度をみせるチョロい一面もある。拓真が自分に痴漢するのは許せなくもないが、他人に痴漢するのは問題だと考えるくらいには、女としての独占欲があるようだ。
星宮 華音
華音は、総合病院の理事長にして地元の名士を父に持つ、ワガママお嬢様だ。良くも悪くも裏表がなく、心が読める拓真からみても、内心と言動が概ね一致している。
華音は、男にからだを触られることへの嫌悪感が強い。そのため、拓真は、様々な種類の淫具を使って、華音の肉体に快楽を仕込んでいく。華音の淫具好きはその過程でそうなったもので、それが元々の性癖であるかどうかは微妙なところだ。また、華音は、拓真のペニスであそこをズコバコされて中出しされるのが好みでもある。
華音以外のヒロインは、何とかして痴漢されるのを阻もうとするが、華音の場合は違う。華音は、はじめてのセックスが思いの外気持ちよかったので、何とかして拓真を見つけて、彼と再びセックスしようとする。しかし、プライドの高い華音は、ストレートに頼み事をすることができないので、あくまでも”拓真が華音に痴漢したがっている”という形にしたいようだ。
出典:同上
上から目線で痴漢を希求するお嬢様。
他のヒロインのときとは違い、据え膳を用意された状況だが、しかし拓真はあえて華音に見つからないようにする。華音の身体の疼きを癒やさず放置することで、彼女の淫欲をさらに増大させようというわけだ。
華音は、拓真に痴漢されないと気持ち良くなれない。そのため、オナニーで解消しようにも物足りず、逆にムラムラが強くなり、さらにオナニーの回数が増えていくという悪循環に陥ってしまう。
このように、華音ルートは他とは一味違っているので、最後に彼女を攻略すると、まるで食後のデザートのような味わいがある。
コメント
本作を痴漢ものとしてみると、(1)そもそも主人公は悪い意味で痴漢という枠に収まるような存在ではない、(2)痴漢をする背徳感がない、(3)乗客の反応が薄すぎて臨場感がない、などといった欠点がある。
しかしながら、単純に、シチュエーションが公共の場に特化しただけの快楽系陵辱ものとしてみると、それほど悪くはない、及第点を超える出来だと思える。痴漢ものではなく、”いつものBISHOP作品”の延長線上にあるコンテンツを求めている方には、オススメできる作品だ。
- 総合評価 150/200点
- シナリオ 20/60点
- グラフィック 75/80点
- 音声 40/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | 修羅の痴漢道 |
ブランド | BISHOP |
発売日 | 2016年09月23日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |