Summary
本作のあらすじ
最愛の妹が自殺した。どうやら妹はいじめにあっていたらしい。主人公は、いじめに関わっていた疑いのある3人の少女を監禁した。犯して自白させ、その様子を動画サイトで生中継することで、彼女達の悪行を世に知らしめるのだ。
感想の要旨
ニコニコ動画(生放送)風の視聴者コメントを疎ましく感じるかどうかが、評価の分かれ目。妹の自殺にまつわる真相が次々と暴かれていくストーリーには、興味が尽きない。シナリオにもグラフィックにも欠点はあるけれども、魅力も感じられる作品だった。
エロシーンの属性
リョナ、拘束重視。アナルには中出しするが、膣内には中出ししない(訳あり、一部例外あり)。アナル責めが豊富。イラマチオ、スパンキング、一穴多挿入、牽引、便器拘束、浣腸、子宮への尿浣腸などによる拷問が観られる。輪姦もある。
目次
- 尋問と拷問の繰り返し
- 暴かれていく真相
- 視聴者コメントの是非
- 本作の欠点について
- コメント
1. 尋問と拷問の繰り返し
本作は、3人のヒロインに対して尋問と拷問を繰り返す構成になっている。
尋問パートは、国語の客観式問題のようなものだ。その内容は要するに、「真相xを導くために”最も適切な”選択肢(質問文)を、次の3つの中から選べ」というもの。多くの「尋問」は論理的に正答を導けるように作られているから、最後までほとんど間違えずにゲームを進めることも可能である。
ただし、推理物のように懇切丁寧な事後解説はほとんどないので、人によっては当てずっぽうで選ばされているかのような感覚を覚えるかもしれない。実際、十分な確信を持って選べないこともあるから、ややこしい。しかし、尋問期間にはある程度余裕があるので、それが原因で詰まることはないだろう。
選んだのが正しい選択肢であれば、次の拷問パートに移行する。嘘つきなヒロインを性的に拷問し、口を割らせるのだ。その一部始終はネットに生中継されており、視聴者の全員が告白の証人となる。だから、ヒロインが後でしらばくれることはできないというわけだ。
拷問は、基本的にリョナ志向である。ろくに濡らさず挿入するなどして、快楽よりも苦痛や恐怖を感じさせることが多い。ヒロインはたとえ肉体的な快楽を感じていても、多くの場合、恐慌状態に陥っている。とても性交を楽しんでいるようにはみえない。
主人公は、ヒロインを拷問する際、膣内には射精しない。膣内射精を避けるのは、「復讐に無関係な生命を巻き込むべきではない」という信念からだ。この信念は(一部のエンディングを除けば)ずっと一貫している。
本作は拷問物であって調教物ではない。ヒロインが快楽に堕ちていく過程を描くのは、本旨ではない。尋問と拷問を繰り返し、ひたすら苦痛と恥辱を与え続ける内容だから、誤解なきよう。
2. 暴かれていく真相
主人公に監禁された3人のヒロインは、一見まったく異なるタイプだ。文乃は清楚な女優、美涼は怒りっぽいモデル、利奈は弱気なピアニストの卵に見える。態度の悪い美涼はともかく、文乃や利奈は、ひょっとすると冤罪かもしれない。全員はないにしても1~2人冤罪というのは十分あり得ることだから、少なくとも1日目の段階では犯人を予断できない展開になっている。
いったい誰のせいで? どうして妹は自殺しなければならなかったのか? 最初のうちヒロインから引き出した個々の言質は、核心に触れないものだった。しかし、それらがいくつか合わさると、1つの真相が暴かれる。そうやって各日ごとに設定された真相を次々と暴き立て、事件の核心に迫っていくストーリーは素直に楽しめた。
この女達は、なんて……なんだろう。画面の向こうの視聴者達も、あまりの……さに勃起してしまう展開であった。
3. 視聴者コメントの是非
エロシーンでは、ニコ動のように、視聴者達のコメントが画面上に流れる。視聴者コメントは、ニコ動の荒らしよりもずっと下劣な内容ばかりだ。そういうコメントの群れが、時には一枚絵を覆い尽くすように流れていく。
この視聴者コメントによる演出は、とても不自然だ。何故なら、テキストは相変わらず主人公の一人称だからである。一人称であれば、「私」はヒロインの前に立っているはずであり、コメントが流れる画面越しに彼女をみているはずがない。また、これはライブ映像だから、「私」が常に画面をみているのだと考えるのも無理がある。演出とテキストが不整合で、まったく楽しめない。むしろ不快だ。
ただし、この視聴者コメントは、やはりニコ動と同じように非表示にもできる。私は、ニコ動はコメント非表示で観るタイプなので、早速オフにしてみた。すると、画面上のコメントは消えたが、テキスト上の視聴者コメントの記述は消えなかった。
もし、視聴者コメント自体が不快だと感じるなら、本作のエロシーンは全編に渡って耐えがたいものになるだろう。しかし個人的は、コメント非表示の状態でなら、それなりに楽しむことができた。というのは、これらのコメントは、内容的に露出物の観衆の反応と同一視できるからだ。頻繁なコメントがウザったく感じることもあったが、耐えがたい程ではなかった。
コメントの存在自体は発売前から周知の事実であったので、それがあること自体を責め立てようとは思わない。とはいえ、視聴者コメントを十分に活かせていたとは考えられないから、結局は演出の失敗としてマイナス評価にせざるを得ない。
4. 本作の欠点について
本作は、どう評していいのか判断に迷う作品だ。個人的には十分楽しめたので、率直に「良作だった」と言いたいところなのだが。しかし、シナリオにもグラフィックにも看過できない粗が目立つので、それらも検討してみようと思う。
4-1. シナリオの欠点
シナリオについては、ストーリーには終始関心を持ち続けることができた。
しかしながら中盤以降、尋問と拷問の繰り返しには辟易してきた。真相が明らかになるにつれて、いい加減、嘘をつくメリットとデメリットの釣り合いが取れなくなってきたのだ。どうせ嘘をついたところで、本当のことを言うまで拷問されるし、拷問に耐えられるほど彼女達は強くない。それなのに、相変わらず「嘘または黙秘→拷問→自白」の定式を繰り返すのは不合理だろう。このあたり、中だるみ解消のために、一工夫欲しかった。
4-2. グラフィックの欠点
グラフィックについては、相変わらず毒々しくてテカテカしたWAFFLEの彩色は嫌いじゃない。特に、文乃が野外で犯されるシーンの彩色は素晴らしかったと思う。
しかし、テキストの内容と照合すると、不整合な部分がいくつも見つかる。
例えば、鞭打つ前から鞭痕がついていたり、顔面にかけられているはずの小便が胸にかかっていたりする絵があった。一番おかしいのは、ヒロインは何日も風呂に入れず、からだは酷く汚れているはずのに、すべてのビジュアルがやけに綺麗で、光り輝いていることだ。あまりリアリティを追求し過ぎても残念な結果になるだろうが、それにしても多少汚れた感を出す程度の配慮はあっていいはずだ。
また、ビジュアルの変化が貧しいのも気になった。あまりにも差分が少なすぎるから、先に述べたような不整合な部分も沢山出てくるのだろう。一枚絵の枚数は一応相場を満たしているが、似たような構図の絵が目立つ。
5. コメント
欠点は、いちいち全部穿ってはいられないほど沢山ある。かといって、駄作と言って捨てるほど魅力がないわけでもない。むしろ、私的には好感の持てる作品だった。
エロシーンをニコ動風にしたのは失敗だが、生中継というシチュエーション自体は悪くないので、次作以降に活かしてほしい。ストーリー自体は面白かったので、あとは構成をもう少し練ってくれたら、と思う。
作品情報
タイトル | ヤバい!復讐・闇サイト |
ブランド | WAFFLE |
発売日 | 2013年2月28日 |
ダウンロード販売 | DMM |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |