概要と評価 125/200(可)
本作のあらすじ
古代魔法文明の復活を目論む魔術師ロキソールの陰謀を阻止すべく、ヴァナヘルム機関の戦乙女アリスは奴隷娼婦に変装し、ムスベルヘイム城内へと潜入する。正体が暴かれてしまったアリスは虜囚の身となり、ロキソールの孕ませ実験の被験体となる。
感想の要旨
異種姦孕ませモノだが、オークルート以外は孕ませの過程が貧しい。世界観が薄っぺらい。
エロシーンの属性
異種姦特化、孕ませ重視。人体改造がエロシーンとしてあり。輪姦、精飲、飲尿、排泄あり。腹パンなどの暴力表現あり。
目次
- 異種姦+孕ませ
- 薄っぺらな世界観
1. 異種姦+孕ませ
本作は、異種姦+孕ませという大変ニッチな趣向の作品である。一部の化け物は、犬、馬をモチーフにしているので、異種姦というより獣姦に近い場面もある。だが、獣姦好きの一部にとっては残念なことに、ヒロインがこの獣姦によって妊娠することはない。
アリスは敵に捕まって早々、媚薬効果のあるオークの精液で発情させられ、化け物の仔を孕めるよう肉体改造されてしまう。媚薬効果と改造の結果、アリスは腹部を思い切り殴られたり、化け物の仔を出産する場合でも快楽を感じるようになる。
出典:Black LiLiTH『対魔聖甲アリス』
対魔忍的な人体改造。
このため、アリスはどんなに酷い目にあっても、精神的な苦痛はともかく肉体的な苦痛をそのまま感じることはない。一方、サブヒロインであるロザリアのエロシーンはどちらかと言えば苦痛系だ。ただし、ロザリアの回想は1本しかないので、全体としては快楽寄りのエロシーンが多い。
本作では、オーク以外の孕ませ可能な化け物に犯された場面の後、すぐに妊娠、出産(産卵)シーンに移行してしまう。しかも、アリスを孕ませるエロシーンの尺はあまり長くはない。化け物の仔を孕む恐怖、自分の体内でそれが成長していく嫌悪感などは、ほとんど伝わってこなかった。
オークに孕ませられる展開はルートが独立してあるので、他と比べれば詳細な展開をみせる。このルートについては、孕ませから出産までの過程がそこそこ楽しめたと思う。
2. 薄っぺらな世界観
本作の世界観は、とても薄っぺらい。大陸の歴史や戦争、暗躍する魔術師やヴァナヘルム機関の存在など表面的な設定だけは大量に盛られているが、肝心のディテールがスカスカである。本編は延々と異種姦を描いているだけなので、エロとは直接関係のない表面的な設定があればあるほど薄っぺらさが際立ってみえる。
LiLiTHは長編SFファンタジーの設定で、短編を描くという暴挙をやらかしがちなブランドである。それは、あわよくばシリーズ化という野心があるためだろう。しかし、その作品単独にとって不必要な設定は、その作品の世界観を安っぽくみせるだけだ。将来の展望がどれだけ見込めようとも、最初の時点で躓いた作品に本当に未来があるのか、よくよく考えるべきだろう。
とはいえ、今作には進歩とみられる部分もあった。それは、ひとまず本作のストーリーを単独で完結した形で終わらせたことである。これまでは結末をあるのかないのか分からない次作へと投げる傾向があったから、良い兆候だ。グッドエンドルートの終盤ははっきり言って蛇足であったが、できるだけドラマチックな展開にしようという努力は理解できる。
- 総合評価 125/200点
- シナリオ 20/60点
- グラフィック 65/80点
- 音声 30/40点
- システム 10/20点
作品情報
タイトル | 対魔聖甲アリス |
ブランド | Lilith |
発売日 | 2014年04月25日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |