概要と評価 95/200(不可)
作品のあらすじ
奥間良介はかつて魔王だったが、遥か昔にその魂を祠に封印されて力を失っていた。今では、退魔師を育成する学園で教師をやっている。最近ようやく祠の封印が弱まってきたので、良介は4人の教え子を唆して封印を破壊した。そして魂が開放されるまでは良かったものの、封印が解かれた衝撃で、魂は欠片となって各地に飛び散ってしまう。良介は教え子たちとともに、妖魔を倒しながら魂の欠片を収集していく。
感想の要旨
一貫性のないストーリー展開、無意味な設定、煮え切らないエロシーン、低いコストパフォーマンスと揃った駄作の見本のような作品。定価で購入を勧めるほどの価値はない。
エロシーンの属性
グロテスクな異種姦に特化。詳しくは「エロシーンについて」を参照。
目次
- ナンセンスなシナリオ
- エロシーンについて
- コメント
1. ナンセンスなシナリオ
『俺魔王!』はほとんど褒めるところがない作品だが、これが駄作である理由の大半はナンセンスなシナリオにある。
『俺魔王!』の世界観は、ライトファンタジーと学園物を融合させている。しかし、本作からは学園物の要素を含める必要性が読み取れない。良介と教え子たちは主に野外で活動しており、彼らが学園生活を営んでいる様子は充分に描写されていない。そもそも学園の舞台設定が作りこまれていないので、基本ファンタジーな世界観に時折出てくる学園でのエピソードにはだいぶ違和感がある。
また、『俺魔王!』のストーリー展開には一貫性がない。
良介が主人公であり、これは彼の物語であるはずなのに、肝心の彼の内面はまるで掘り下げられていない。中盤以降はなぜか良介よりも、さくらのエピソードに重きが置かれるようになる。他のヒロインについては、彼女のパートナーのカレンはともかく、こよりと小夜は別にいなくても話が成り立つくらい存在感がない。
また、本作のストーリー展開は、基本的にシーンの継ぎ接ぎで成り立っている。各シーンのつながりが希薄で、シーンが切り替わるたびに話が飛び飛びになっているように感じられる。さらに、バッドエンドへの分岐が18個もあるせいで、各分岐後の展開が非常に雑である。エロシーンを数本続けてお茶を濁すような展開ばかりなので、どのエンディングを見ても不満しか感じられなかったし、ゲーム進行のテンポは最悪なものになっていた。
それでもエロさえ良ければ、と期待したいところだが、残念ながら『俺魔王!』はエロシーンさえも微妙な出来だ。エロシーンはグロテスクな異種姦を志向しているが、そのほとんどがいくつかのパターンにはまっている。
エロシーンの内容は、姉妹ブランドのあおじる系作品をある程度知っていれば、それらの焼き直しにすぎないプレイばかりで意外性がない。また、ただでさえ短いバッドエンドのなかで複数ヒロインのエロシーンを描こうとするので、各ヒロインのエロシーンが次の段階へと発展しにくい。ヒロインは唐突に快楽堕ちするし、即孕んで出産・産卵してしまうので、そこに至るまでの過程を楽しむことができない。
2. エロシーンについて
『俺魔王!』のほとんどのエロシーンは異種姦だ。異生物はすべて妖魔扱いで、オークや餓鬼などファンタジックな妖魔の他、現実に存在する生き物をモチーフにした妖魔も多い。
教え子たちのエロシーンは、バッドエンドでのみ観ることができる。彼女たちは全員処女なので、バッドエンドのたびに処女膜を破られる。一方、女教師の如月翔子と女妖魔オニメのエロシーンは、ストーリー本編のなかでも描かれる。
エロシーンで行われるプレイは妖魔によって異なるが、大雑把に説明すると、
- 触手などが膣やアナルから侵入して内蔵を犯し、臍や口から出てくる。
- オークなどに拉致監禁され、輪姦される(妊娠・出産する場合あり)。
- 乳房を肥大化させられ、ニプルファックされる。
- フタナリ化させられ、他のヒロインたちを犯す。
- 乳房や臍などに卵を植えつけられ、産卵する。
この他、電気責め、妖魔の腸内寄生(スカトロ)、人体切断(回想登録なし)などがある。エロテキストは基本的に快楽系であり、ひたすら苦痛に喘ぐような描写は乏しい。
3. コメント
基本CG枚数は中価格帯と同程度で、相変わらずコストパフォーマンスが悪い。それでいてシナリオがここまで失望させられる出来とあっては、この作品には定価での購入を勧めるほどの価値はない。
- 総合評価 95/200
- シナリオ 0/60
- グラフィック 55/80
- 音声 30/40
- システム 10/20
作品情報
タイトル | 俺魔王! ~砕け散った魂(俺)の欠片を収集せよ!~ |
ブランド | Wendy Bell |
発売日 | 2016年06月24日 |
ダウンロード販売 | DLsite |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |