Summary
本作のあらすじ
伊月は、ゴールデンウィーク明けに全寮制の女子校に転入した。ある日、伊月は、人気のない旧校舎で正体不明の触手に襲われ、寄生されてしまう。他人とのコミュニケーションが苦手な伊月は、自分からそのことを誰かに相談できない。体内に寄生した触手は所構わず暴走し、発情させた伊月を犯して、養分を貪っていく。
感想の要旨
シナリオ前半では、伊月が触手に翻弄され、ほぼ一方的に犯される。しかし後半になると、レズプレイが中心となり、触手は快楽を得るための生きた道具となる。
本作はコストパフォーマンスが低く、フルプライスなのに基本CGは61枚しかない。触手+レズという特殊な組み合わせを受け入れられる方にはとても貴重である一方、スタンダードな触手物が好きな方にはオススメできない。
エロシーンの属性
触手+レズ特化。エロシーンでは、触手に口や両穴を犯されることが多い。稀に尿道も犯される。野外で犯されることはまったくないわけではないが、屋内で犯されることのほうがずっと多い。ヒロイン2人以上が絡むエロシーン、つまりレズシーンが全体の過半数を占める。
目次
- 前半と後半で視点の異なるシナリオ
- レズプレイの道具としての触手
- コメント
1. 前半と後半で視点の異なるシナリオ
本作は、シナリオの前半と後半で、1人称の視点が異なる。
前半は伊月視点で、彼女が触手に翻弄され、快楽に染められていく様子が描かれる。後半は、ひより、または麗奈の視点に切り替わる。どちらのルートを辿っても、2で述べるように、レズプレイを中心とした展開になっていく。
ルートの分岐点では、選んだ選択肢によって、その後のヒロインの態度が180度変わる。いくら何でも選択肢を選んだ直後から豹変してしまうのは、あまりに不自然なことだった。
ルートによっては、触手の正体が何なのかよく分からないまま話が進んでいき、消化不良なエンディングを迎えることになる。あるいは事態が程好く悪化したところで、仕事の遅い退魔師とやらがしゃしゃり出てくることもある。どういう展開になるにせよ、最後は取ってつけたようなエンディングばかりだった。
2. レズプレイの道具としての触手
本作の序盤のほうでは確かに、触手は伊月をほぼ一方的に嬲っていた。伊月は触手に嫌悪感を覚えながらも、快楽には抗えないという様子だった。
しかし途中から、この触手は宿主が自分の意思である程度制御できるようになってくる。暴走することもあるが、それで触手が女体の養分を得られるなら、多少の操作には応えてくれるようだ。
前半の伊月視点では、触手はある程度制御可能となってからも、伊月を苦悩させる存在であり続けた。しかし後半に入り、ひよりや麗奈の視点になると、そうではなくなる。触手はヒロインにとって嫌悪の対象というよりも、レズプレイで快楽を得るための生きた道具に近い扱いになる。
出典:Wendy Bell『悦楽の胤』
触手+レズプレイというニッチ。
ヒロインは触手の影響で女の子の体臭が蠱惑的に感じられるようになっており、女の子を犯したいという願望を抑えがたくなっている。触手に寄生されたヒロインが誰かを犯して中出しすると、その子もまた寄生されてしまう。
後半は、こうして増えた宿主同士のレズプレイが中心となる(伊月+ひよりルートは2P、伊月+麗奈ルートは最大5P)。どちらも発情しているので、触手を心から拒否しているようには見えない。むしろ触手を媒介にしてお互いに繋がりあえることに、強い喜びを覚えているようだ。
もっとも、初めて触手に犯されるヒロインは、それなりの嫌悪感を示す(ひより以外)。しかし、前半の伊月視点でみせたほどの葛藤が描かれることはない。そうした葛藤を描くには明らかに尺が足りておらず、犯される順番が遅いヒロインほど、その扱いがいい加減になっていく。
前半ではあれほど暴走していた触手も、後半ではいつの間にか、レズビアンたちの生ディルドーに成り果てる。そのため、スタンダードな触手物のように、醜悪な触手がヒロインを一方的に犯すエロシーンが観たいという方には、本作はあまりオススメできない。
3. コメント
本作には、基本CGが61枚しかない。とても価格相応とはいえない枚数だ。コストパフォーマンスが低く、シナリオの質が良くない。しかし、扱っている題材(触手+レズ)が相当特殊なので、そういう属性を持ったプレイヤーにとってはかなり貴重な作品となるだろう。
作品情報
タイトル | 悦楽の胤 |
ブランド | Wendy Bell |
発売日 | 2013年08月30日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |