概要と評価 160/200(優)
作品のあらすじ
英語教員として名門校に勤める英奏佑は、援助交際を密かな趣味にしていたが、もはやただの援交では満足できなくなっていた。そこで援交サイトで見つけた自校の女生徒(七草心々菜)を脅迫して呼び出したところ、心々菜のかわりに月城映舞がやってきた。良家の子女である映舞に食指がうずいた奏佑は、映舞に心々菜の身代わりとしてからだを差し出させることにした。
感想の要旨
シナリオが非常に優れた作品。自罰的な女子学生を精神的に追い込んでいく過程が素晴らしい。途中で陵辱ルートと和姦ルートに分かれるが、どちらも満足できる内容だ。陵辱も和姦も好きという方には、心からオススメしたい。
エロシーンの属性
陵辱と和姦、両方あり。陵辱する場合は、辱めたり怯えさせたりするエロシーンが目立つ。拘束・緊縛、イラマチオ、スパンキング、剃毛、露出、放置プレイあり。基本的には奏佑の独占だが、輪姦も1シーンだけある。
目次
- 罰としてのセックス
- おまじないの言葉
- 徹底陵辱と共依存(ややネタバレ)
- コメント
罰としてのセックス
『身代わり淫行生活』は、お嬢様然とした女子学生に罰としてのセックスを繰り返し、身も心も追いつめていく作品だ。
主人公の英奏佑は単なる援交では物足りなくなり、自身が教員を務める名門学園の女生徒(心々菜)を援交の咎で脅迫して呼び出した。しかし、待ち合わせの場所に現れたのは心々菜ではなく、学園では高嶺の花扱いされている月成映舞だった。
出典:ぱちぱちそふと黒『身代り淫行生活 ~親友を守るため、外道教師のいいなりになる優等生“映舞”~』
“友達”に頼まれて、ほいほい代理で来ちゃうところがうぶい。
映舞は、心々菜と特に親しい間柄ではないはずだが、「友達を助けるのは当たり前」だと言う。奏佑は、心々菜よりも明らかに上物の映舞に興味を持った。心々菜の身代わりとして体を差し出すよう要求すると、映舞はそれを承諾。一晩限りの約束で抱かれた映舞だったが、奏佑は彼女の痴態をスマホでちゃっかり盗撮していた。
出典:同上
恥ずかしいのが嫌いな映舞には、こんなのも効果的。
その盗撮動画はもちろん、映舞を脅迫して今後の肉体関係を迫る際に用いられることになる。しかし、映舞が嫌々ながらも奏佑に抱かれ続ける一番の理由は、実はこれではない。
お嬢様の映舞は高潔ではあるものの、世慣れしておらず、自罰的な性向があった。奏佑はそんな彼女の性質を看破し、「もし心々菜の援交画像が世間に流出したなら、それはお前のせいだ」という趣旨の詭弁を吹き込んだ。すると映舞は、本当に自分が罪深いことをしたかのように思えてきたのか、心々菜の援交画像を流出させないために、奏佑との肉体関係を受け入れるのだった。
出典:同上
ありもしない罪を認め、受け入れずともいい罰を受け入れる。
この映舞という娘は、一見して家柄も才能も全部持っている恵まれた存在に思えるけれども、実際には薄幸なのである。家族関係のトラウマを抱えており、高嶺の花扱いされているせいで親しい友達もいない。そのくせ孤独にされるのが何よりも怖いから、たいして付き合いのない援交少女を大切な友達だと思い込む。
『身代わり淫行生活』の序盤の見所は、そういう元々幸薄い少女をさらに不幸に陥れるところだ。奏佑は映舞の事情をある程度把握してなお、彼女の自罰的な性格を利用して精神的に追い込んでいく。
出典:同上
冷静になった映舞に反抗されても、丸め込むのは簡単だ。
映舞にとって奏佑とのセックスは自分への罰であり、”友達”を守るためにも受け入れなければならないものだ。孤独を嫌う映舞には、”友達”を見捨てることはできない。――しかし、その”友達”だと思われている当の本人は、実は映舞を利用しているだけだとしたら? 映舞が後に”友達”の裏切りを知り、不幸の底が覗いたあたりから、本作はさらに面白くなっていくのである。
おまじないの言葉
映舞が奏佑にはじめて抱かれたとき、彼女はまだ処女だった。映舞は奏佑に乱暴に扱われながらも、絶頂の兆しをしっかりと感じ取っていた。しかし、処女であるうえに人一倍恐怖心の強い映舞は、その感覚を素直に受け入れることができなかった。
出典:同上
はじめての感覚に恐怖する映舞。
そこで奏佑は、映舞が「なにか来る」と感じてもうダメだと思ったなら、『イク』と言ってみろと助言する。奏佑曰く、それは「おまじないみたいなものだ」という。未だかつて感じたことのない衝撃に怯える映舞は、藁にもすがる思いなのか、言われた通りおまじないの言葉を連呼した。
すると、映舞は絶頂の感覚を言葉にしたことで、快楽というものをはっきりと認識できるようになった。怖がりの映舞はその快楽にさえも怯えてみせるが、『イク』とおまじないの言葉を唱えることで、からだを突き抜ける衝撃に辛うじて耐えられているという様子だ。
しかし、まじないとは「呪い」とも書けるものだ。奏佑が映舞に教えた”おまじない”は、その実、彼女を快楽に縛りつけるための”呪い”でもある。
『身代わり淫行生活』のエロシーンには、こうした”おまじない”の言葉が随所に散りばめられている。それらには『イク』だけでなく、「言い訳をするな」「責任を全うしろ」「悪いのはお前だ」といった映舞の罪を糾弾する言葉も含まれている。それらの言葉は”呪い”となって、映舞の身も心も蝕んでいくのだ。
出典:同上
過去のトラウマも容赦なく利用する。
物語が進んで序盤が終わると、”友達”に裏切られて意気消沈した映舞にどう対応するかによって、陵辱ルートと和姦ルートに分岐する。そのどちらのルートに進むにしろ、映舞は自分にかけられた”呪い”の影響から完全に逃れることはできない。
徹底陵辱と共依存(ややネタバレ)
ルート分岐を決める以前の放置プレイを観た直後で、徹底陵辱を好むジェントルメンの諸君は、いくらか落胆を覚えたのではないかと思う。いくら映舞が精神的にも肉体的にも限界を迎えていたからといって、真性クズ野郎の奏佑があんな気遣いをみせるなんて、と。
確かにその場面だけをみれば少し手緩いのだが、しかしそれは後の展開をみれば必要な伏線だったと分かるはずである。『身代わり淫行生活』のストーリーにはそうした伏線がさり気なく仕込まれており、それらがあることによって、後のエロシーンやエンディングがより味わい深いものになっている。
陵辱ルートに進む場合、奏佑は先に見せた甘さを完全に拭い去る。映舞の人格を徹底的に否定し、彼女が嫌がるタイプの調教を積極的に施す。そうされて心身ともに衰弱してきた映舞が、素直になってちゃんと抱かれるから、せめて優しく普通に抱いてほしいと懇願してきても、そのままの意味で受け入れることはない。
出典:同上
心が折れてしまった映舞ちゃん。可愛いからこそ止めてあげない。
このルートは、陵辱ファンの視点からみて、本当に素晴らしい内容だった。一切の慈悲をかけない、奏佑の徹底した鬼畜ぶりが素晴らしかった。そして何よりも、映舞がどれだけ絶頂させられても、羞恥心や恐怖心を決して忘れることなく、最後まで心に響くような悲鳴や泣き声をあげ続けてくれたことが素晴らしかったのだ!
一方、和姦ルートに進んだ場合、奏佑はほんの僅かにあった同情心をこじらせる。このときの映舞は何もかもを諦観しており、頑なに快楽を感じるのを拒もうとする。そんな映舞に対し、奏佑は、心が壊れたダッチワイフを抱いても面白くないので、多少は労ってやろうと考える。
出典:同上
まぐろを抱くのもいいが、やっぱりイイ声で鳴いてくれないと。
もともと孤独を一番恐れている映舞のこと、彼女はいつもより少し優しくされただけで、奏佑のことを見直しはじめる。奏佑のほうも、そんな映舞に夢中となり、二人きりで旅館に宿泊したり、デートしたりするようになる。
出典:同上
以前は見せなかった満面の笑み。
和姦ルートの見所は、ある一面においては似た者同士の二人が、共依存的な関係にはまっていくところだ。陵辱ルートのエンディングで、なぜ奏佑が映舞にこだわっていたのかを知ると、奏佑と映舞がこのような関係になったのも必然だと思える。このルートには2つのエンディングがあるが、どれも妥当な結末を迎えていた。
エロシーンをみれば、陵辱ルートでは終始怖がっていた映舞が、和姦ルートでは奏佑のチンポを自ら求めるようになっているあたりが感慨深い。共通ルートで映舞にかけられた”おまじない”は、ここで映舞の淫乱さを引き出し、奏佑への依存を深めることに成功していた。
コメント
シナリオが非常に優れた作品だった。奇をてらわず、丁寧に仕上げた抜きゲーシナリオとはどんなものかを示す、良いお手本のようなシナリオだった。ぱちぱちそふと黒の作品は、前作『近親交際倶楽部』もなかなか良い出来だったので、次回作にも期待が持てる。
- 総合評価 160/200点
- シナリオ 50/60点
- グラフィック 60/80点
- 音声 35/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | 身代り淫行生活 ~親友を守るため、外道教師のいいなりになる優等生“映舞”~ |
ブランド | ぱちぱちそふと / ぱちぱちそふと黒 |
発売日 | 2017年01月27日 |
ダウンロード販売 | FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |