飼育白書 ~鎖に繋がれた同級生~ 感想

飼育白書~鎖に繋がれた同級生~

総評 110/200点(可)

商品説明や画像サンプルを見るぶんには”普通の調教モノ”に見えるが、実は獣姦モノである。それも徹底的な獣姦で、ヒロインは人間としてではなく家畜として扱われる。一個の性癖や趣向に特化した作品なので人を選ぶが、その道のマニアにとっては名作級の作品となり得るかもしれない。

シナリオ 35/60点

本作品にいう『飼育』とは、”牝”奴隷を飼うことであって、人間の性奴隷を養うことではない。主人公はヒロインの人格を徹底的に否定し、”一匹の牝”として彼女を飼育する。
牝であるからには、”それ”の交尾相手はやはり家畜でなければならない。人間が家畜の牝と交尾するなんて、以ての外である。交尾相手の選定にあたっては、もちろん牝奴隷の意思など尊重されはしない。主人公の気まぐれな調教プランによって、牝奴隷である沙里那は、犬、豚、馬などの畜生に姦されることになる。

『飼育白書』のシナリオは、徹底した獣姦調教が貫かれている。人間による調教もいくつかあるが、それは獣姦を盛り上げるための一種の演出だと思われる。犬に処女を奪われた沙里那が、その後初めて人間の男に姦されそうになったとき、それを拒む理由として、「人間とは…は、初めて…なんだもん」と泣きながら呻いたのは、とても印象的だった。

シナリオ序盤~中盤にかけては、単純な調教以外にもイベントがあって、退屈しない。沙里那の担任である藍香が事態の異常さに気づいて、やたらと主人公を疑ってかかるあたりは、なかなか緊張感があった。
しかし中~後半のシナリオは、沙里那の調教をひたすらエスカレートさせるのに終始している。度重なる調教を受けても堕ちない彼女をネチネチと調教するのは、それはそれで楽しいのだけれども、もっと+αのイベントが欲しかった。主人公はクラスメイトを監禁して陵辱するというリスキーな行為をしているわけだから、紙一重で身の破滅を招くような分岐点は必要だったと思う。

また本作品は、低価格にしてはやたらと選択肢が多いのだが、この選択肢がかなりの曲者である。ほとんどの選択肢は「沙里那の調教をどうするか」に言及しているのだが、そのうちどれを選んだとしても、その内容どおりの調教が行われるとは限らない。
例えば、「A」と「B」という二つの選択肢があったとして、そのうち「A」を選んでも、主人公がモノローグで「だが、やっぱりBとすべきだ」などと言い出して、結局「B」を選んだのと同じ結果になったりする。そしてそういうことが、何度も何度も繰り返される。調教内容を自分で決めたいプレイヤーとしては、「だったら、初めから選ばせるな!」と怒鳴りたくなる仕様である。

CG 50/80点

エロCGは基本38枚(差分多々)、エロシーンは37本。CGのタッチは一昔前の描き方で、ちょっと古臭い気もするが、まあ及第点。

問題は、モザイクがやや濃すぎること。また、せっかく獣姦に特化しているのだから、断面図くらいは用意すべきだったと思う。膣内での獣たちのペニスがどんなふうになっているのか、というところまで、ちゃんと表現してほしい。

音楽・声優 30/40点

BGMは安っぽいが、ちゃんと空気は読めている。声優さんの演技は普通の女子高生風で、作品の趣旨と調教内容に合った良い演技だったと思う。

システム 5/20点

基本システムの使い勝手の悪さは、だいぶ重症だ。開閉式のショートカットはすぐ隠れるし、文字表示にノーウェイトがないので速読の差し支えになる。
また、メッセージ履歴はマウスホイールで閲覧するのだが、履歴から現在のメッセージに戻る際、ワンクリックでは戻らず、”読み返した履歴分だけ”クリックする必要がある。さらにCG・回想モードでは、回想中にセレクト画面に戻ることができず、メニュー画面にしか戻れない仕様になっている。

作品情報

タイトル 飼育白書 ~鎖に繋がれた同級生~
ブランド Delta
発売日 2008年7月18日
ダウンロード販売 DLsite
パッケージ通販 Amazon FANZA