感想と評価 145/200(良)
渚春樹は、幼いながら、女を組織的に調教する町の秘密倶楽部『アンダーエデン』の会員である。三年前に両親を事故で亡くした彼は、母の親友である夏目沙代子の家に引き取られた。春樹は、沙代子に密かな恋心を抱いており、また担任の美女教師 冬野冴子にも目をつけていた。かねてからの計画により、春樹は、沙代子と冴子のメス豚調教を開始する。
ショタによる人妻寝取り調教もの。いくつかの欠点があるけれども、エロさという一点にかけては秀でた作品だ。包茎のチンカス舐めとりや着衣穴空けプレイが好きな方には、特におすすめ。一方、徐々に堕ちていく過程や調和した演出など、繊細な部分に対しこだわりの強い方にはおすすめできない。
1. 大雑把だが、エロい
本作には、ストーリー性もグラフィカルな演出も大雑把な印象がある。
寝取りものだが即堕ちだし、エンディングは尻切れである。人妻を堕としきった後の、夫や息子への追い込みも甘い。
グラフィカルな演出は挿入動作等を多用しており、その都度の音声中断に違和感を覚える。断面図はコミック調だからか腹上に重ねたときの違和感が中和されているけれども、背面に重ねられる場合などは、やはりおかしく感じられた。
しかし、そういうところに目を瞑れば、エロに関してはなかなかフェティッシュで、実用的な内容だった。挿入前のチンカス舐めとりやお掃除フェラなど、卑猥なエチケットがしつこく表現されていることには希少価値すら見出せる。
また、着衣エロにもこだわっており、ズラすだけでなく穴を空けてのプレイも多い。安っぽい作画でこれをやられると不愉快だが、一線級の絵師と彩色で表現されれば唆られる。どこかのブランドがやらかしたような、穴空きに関するテキストの不備もない。
低価格ゲームのエロシーンは、一つのシチュエーションで一つのプレイを消化するのが基本である。本作も基本はそうだが、”堕とす”シーンや”堕ちきる”シーンなどの重要な場面では、複数のプレイが連続的に描かれる。そうした演出はとてもダイナミックに感じられ、性欲を強くかきたてられた。
2. 即堕ちし、嫉妬しあう
沙代子は、序盤の中出しで半ば堕ちてしまう――その描写からは、月野定規さんの漫画の演出が思い起こされる。その後自分の立場を思い出して、春樹との関係を躊躇うが、性欲の疼きには抗えない。ほぼ和姦である。ただこうなる背景には、長年の媚薬漬けやセックスレスがあるので、納得はいく。低価格ゲームでこれだけ理由を用意できれば、十分だろう。
彼女のエロシーンは、特定のプレイに特化してはいない。が、爆乳ならぬ爆尻が、ペニス以外未成熟な身体のショタとの対比でよく映える。彼女は”ご主人様”に忠実であり、”ご主人様”と自分が罰されないように、儀式用のグラスに波々と注がれた精液を一気に飲み干すほど健気で、愛らしい。
一方、もう一人のヒロインである冴子は、写真で脅された上、薬漬けにされる。こちらは”沙代子と比べて”、凌辱色が濃い。何度も薬を注射されて犯されるうちに、クリトリスはひどく長く伸びてしまう。最初から荒々しく犯され、職員室や教室でのギリギリのプレイを要求される。
沙代子が数年がかりの計画によって堕とされたのに比べて、薬で強引に堕とすのは刹那的である。なぜ沙代子にはこの中毒性の強い薬を使わなかったのかについては説明があるが、それにしてももう少し計画を練ってほしいところだった。
ちなみに、彼女の妹の涼子が犯される場面もあるが、おまけ程度。だが、一番酷い目に合うのも彼女だったりする。ビジュアル上は四肢切断されたと思わしきシーンがあるが、テキストでは言及されていないので、実際に切断されたかどうかは分からない。
本作のストーリー終盤では、親友同士であったはずの沙代子と冴子が”ご主人様”の寵愛を争う様子も描かれており、二人とも寝取った旨みがよく出ている。しかし、二人と同時にするエロシーンはわずか3本しかない。また、冴子を調教しているときには、沙代子は空気と化してしまう。エロシーンの配分について改善される必要があるだろう。
3. ユキカゼから改善された点、引き継いだ欠点
ストーリーの構造やグラフィカルな演出に着目した場合、前大作『対魔忍ユキカゼ』のそれらに共通する欠陥が目につく。
ストーリーは尻切れで、それ自体で完結した内容になっていない。ユキカゼと違って出来の悪いトゥルーエンディングを観るのに条件を満たす必要がないから、騙されたような不快感が多少緩和されるにしても、根本的な解決ではない。5つも無駄にエンディングを増やす余裕があるなら、2つくらいに絞ってまともにピリオドをつけてほしい。
グラフィックでは、今回も、挿入等のピストン動作演出が多用されすぎている。本作にはBGVがないし、ピストンするたびに起こる音声の中断には違和感がある。どうしてもやるなら、『俺と冴子さんと寝取られメール』くらいに抑えてほしい。一部のエロシーンでは、この演出に頼りすぎて、テキストがおざなりになっている感すらある。
一方、ユキカゼから改善された最も喜ばしい点は、例の男尻演出がなくなったことだ。男の尻が見えなくなったわけではないが、それはせいぜい輪姦物によくある程度。気にするほどではない。男のばかでかい尻がヒロインの表情を完全に覆ってしまうことはないのだから。
また、断面図の表現にも改善が見られる。ユキカゼの、あの表情すら消してしまう馬鹿げた体内断面図や、無駄に大きい断面図は廃止された。代わりに、コミック調の断面図がヒロインの腹上に重ねられるようになった。ただ、いくらコミック調といってもコミックそのものではないので、若干の違和感があり、まだまだ改善される必要がある。
評価とコメント
最近のカガミさんが描くアヘ顔は、まるで爬虫類のようだったが、ここでようやく人間に戻ってきた。以前のように爬虫類顔一辺倒ではなく、アヘ顔にもバリエーションが豊富になったように思える。喜ばしいことだ。音楽・声優の採点が辛くなったが、これはBGMや声優さんのせいではない。演出のせいだ。
- 総合評価 145/200点
- シナリオ 35/60点
- グラフィック 75/80点
- 音声 25/40点
- システム 10/20点
エッチ内容について
作品情報
タイトル | 堕ちる人妻 |
ブランド | Lilith |
発売日 | 2011年12月23日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |