ヴィザルの日記 レビュー Part.1/2

ヴィザルの日記について

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あらすじ

元『逢魔刻』の娼婦 ヴィザルは、セントサウスで小規模ながら事務所を構え、金融業などを営んでいた。ある日彼女は、腐れ縁のあるサブナックから不可思議な荷物を預かった。その荷物とは、人の腰丈ほどの大きさで、重さ数百キロもある木偶人形だ。ヴィザルが好奇心からその木偶を弄りましていると、ふと声が聞こえた。

「これ、なにをしとるか」 木偶人形が喋り、木偶人形が動いたのだ。彼(彼女)――コルクは、人の記憶を動力源にして動く軟木製のゴーレムだった。

コルクはすでにヴィザルを主として認識してしまっていて、主の再認識は不可能な状態であった。ヴィザルはやむを得ず、コルクをサブナックから引き取ることになる。こうして、ヴィザルとコルク、二人の共同生活がはじまった。

総評 75/100(良)

前作『紅湖の皇子』と、世界観と時代を共有する作品。とはいえ、作品の全体的な完成度は、本作のほうが前作よりも圧倒的に上である。特に、グラフィックや音声面の向上には目覚しいものがある。

前作が好きな方なら、何だかんだ言って楽しめる作品ではあると思う。ハーフプライス作品以上のボリューム感があるので、少なくとも買って損した気分になるような作品ではない。

シナリオについての評価・レビュー 20/30点

前作との関係では……

(1)本作は、前作ではリアン、レヴィアル側の視点で描かれていたストーリーを、新主人公 ヴィザルとコルクの視点から構成し直したものである。

時系列的には、リアン、レヴィアルが村を出てから、セントサウスが崩壊するまでを描いている。序盤では、もっぱらヴィザルとコルクの生活や、その周辺人物たちとの関係が描かれるが、物語が進めば進むほど、前作において重要な場面がリンクしてくる。

(2)本作からはじめたプレイヤー向けに、前作で描かれた内容を把握させるための工夫は見受けられるものの、それは飽くまで最低限に留まる。前作プレイ済みの方と未プレイの方とでは、おそらく、リアン、レヴィアル、そしてセイルに対する認識がだいぶ違ってくるだろう。

実際、本作は前作を別視点で描いたものだけあって、前作のストーリーに別解釈を与えることを狙って描かれているようだ。本作のストーリーは前作よりも優しい愛情に包まれており、前作主人公の身勝手な行いを窘める要素を含んでいる。また、前作キャラクターの意外な側面についても強調されており、前作プレイ済みの立場からすると、「ギャップに萌える」とか、もしくは「キャラが崩壊している」といった感想が出てくるだろう。

(3)私は、クリノラスが弄られキャラとして描かれている点については萌えたが、セイルが「実は英雄の血を引く者で、めちゃくちゃ強かった!」という後付設定については納得しかねる。これでは、前作におけるセイルの人物像と著しく矛盾する。いちおう、セイルが「あの時点でああしなかったのは~という理由があったからだ」といった理由づけがなされてはいるが、あんな取ってつけたような理由で納得できるか、と言いたい。

Part.2/2へ続く

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評価指針

秀:90-100(180-200)点⇒超名作
優:80-85(160-175)点⇒名作
良:70-75(140-155)点⇒良作
可:50-65(100-135)点⇒普通
不可:40-45(80-95)点⇒非推奨
地雷:0-35(0-75)点⇒……

5点刻み。同人サークルまたは同人企業の作品は100点満点。商業アダルト作品は200点満点で、同人ゲームよりも厳しく評価しています。

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