概要と評価 165/200(優)
本作のあらすじ
サドは、代々恐るべき変態紳士を輩出する丸城戸家の現当主。彼は、魔界の下っ端看守ペルルのせいで、永久監獄から脱走した悪魔たちの捕獲を手伝わされることになる。人間界に逃げた悪魔は、すべて女の子。人外であれば人間の法に縛られないと考えたサドは、変態的なアイディアを彼女たちの肉体を使って実践することにした。
感想の要旨
変態的なコメディとして、純粋に面白い作品だった。本格的な陵辱を求めて買うのは勧められない。見た目が幼女や少女の悪魔っ娘たちにエッチな”オシオキ”をしたい! という方向け。
エロシーンの属性
いろいろな属性のエロシーンを網羅している。特定の性癖に偏りがないので、「こういうプレイが多い」と言うことはできない。あえて言うなら、いろいろな道具を使った変態プレイが多い、というアバウトな感じになる。
目次
- 調教物ではなく変態コメディ
- 立ち絵、声優、シナリオの功績
- オシオキパート(ミニゲーム)
- ヒロインは12人
- エロシーンについて
- コメント
1. 調教物ではなく変態コメディ
本作は、悪魔の囚人を調教して性奴隷にする、という趣旨の作品ではない。可愛らしい悪魔っ娘たちにエッチなオシオキをして、笑って楽しむための作品だ。
悪魔っ娘は、どれだけオシオキされても性の奴隷にはならない。”悔しい……でも、感じちゃう”ことはあっても、サドのおチンポなしで生きられなくなることはない。ましてや彼と恋愛し、イチャラブ展開になることもない。
本作は、変態的なコメディである。だが、ラブコメではない。徹底してコメディなのだ。笑いのタネは、メタネタやサブカルネタ、そして当然のごとく数多くの下ネタから成っている。
出典:Luxury「アクマでオシオキっ! 丸城戸サド式ヘンタイお仕置き講座」
このくらいは普通にぶっちゃける。
普通に見て幼女、あるいは少女の外見を持つ人外たちには、アホの子か変態しかいない。勝手に自滅するか、馬鹿げた策略に引っかかってしまう彼女たちは、とても可愛らしい。サドからセクハラやオシオキを受けた彼女たちが、心底嫌そうな、泣きそうな顔をしているのを見ると、何だかドキドキする(性的な意味で)。
本作を楽しむには、細かいことは気にしたら負けだ。サドやヒロインが頻繁にメタ発言をしても気にしない。深く考えてはいけない。自分もとことん馬鹿になって、「言う事を聞かないダメな子には、ちょっぴりハードなオシオキをしちゃうぞ~、ぐへへ」という心持ちでプレイするのが正解なのだ。
2. 立ち絵、声優、シナリオの功績
本作がコメディとして成功していることには、まず立ち絵の功績が大きい。このハイクオリティな立ち絵には、多少の動きがある。表情もコロコロとよく変わる。アホなリアクションがグラフィカルに伝わってくるので、しょうもないネタでもついつい吹き出してしまった。
出典:同上
たまに出てくるサドの立ち絵。臆面もなくさやかネタ。
声優陣の演技レベルが総じて高いことも、笑いに貢献している。大爆笑、ではなくて、ニヤニヤと笑える演技だ。ヒロインの怒声や泣き声を聞いていると、ニヤニヤが止まらない。特に、コロナが官能小説を朗読させられるシーンでは、ずっとニヤニヤさせてもらった。
シナリオは、コメディとしてブレていないところが良い。無駄にシリアス要素を取り込んでいない。それでいて伏線はちゃっかり回収しており、コメディの雰囲気に甘えて破綻していないところにも好感が持てた。
3. オシオキパート(ミニゲーム)
本作には、オシオキパートというミニゲームが用意されている。新たに捕獲した悪魔っ娘に初のオシオキをし、屈服させるためのゲームだ。
出典:同上
左右のマウスクリックで、乳搾り。
オシオキパートは、捕獲対象ごとに内容が異なる。例えば、コロナの場合はひたすら彼女のお尻を引っ叩くゲーム。他にも巨乳を搾乳したり、卵を孕んだヒロインを出産まで導くラマーズ法ゲームなどがある。
どれも、本当にアホっぽいゲームばかりだ。とても簡単なので誰でもクリアできるし、時間もかからない。その上、演出はえらく凝っている。このオシオキパートは、所謂バカゲー的な作風とよく調和していたと思う。
4. ヒロインは12人
出典:同上
この中に一人、男の娘がいる!
個別ルートのあるメインヒロインは、コロナ、アリア、メリッサの3人だ。
コロナは、見た目も精神も幼女な魔王さま。スイーツ全般が大の好物。駄々をこねていたら容赦なくいじられ、涙目になっている姿が可愛らしい。
アリアは、神の童貞を奪ったとされる堕天使。設定上は良い尻をしているらしく、エロシーンではアナルを責められることもある。3人のなかでは一番現実的に物事を考えるタイプだが、アホの子に分類されることには変わりないだろう。
メリッサは、自他ともに認めるマスターオナニスト。いろんな意味で丸城戸サドに近い存在で、セックスよりもオナニーのほうをこよなく愛している。彼女がオシオキを嫌がるのはオナニーのほうが好きだからで、別に肉体的快楽を得ることが嫌いなわけではない。
出典:同上
こんな顔をされたら、さらに苛めたくなるのも当然である。
ノワール、ニネ、ウルといったサブヒロインは、メイン3人の個別ルートに深く関わる。ノワールは高飛車な女貴族、ニネはフタナリ娘、ウルはケモノっ娘だ。ツクヨミ、ペルルは、ストーリー上は重要な存在だが、エロシーンの数はメイン3人に及ばない。サブヒロインたちのエロシーン数は、3~5本程度だ。
本作のヒロイン数は、合計12人。しかし、全員が一度にストーリーに絡んでくるわけではない。ストーリーを最初から最後まで牽引するのは、5人(コロナ、アリア、メリッサ、ツクヨミ、ペルル)。他のサブヒロインは、特定の個別ルートにしか見せ場がないから、ヒロインが多すぎて話がグチャグチャになることはない。
5. エロシーンについて
本作には様々な種類のエロシーンが詰め込まれている。特定の性癖に特化せず、陵辱に求められる要素を満遍なく網羅している。
ヒロインに実践されるオシオキは、やっていること自体は変態的なプレイが多い。多数の電気鰻をしかけて感電させるなど、普通の人間であれば身が持たない鬼畜プレイもある。
しかし、だからといって、ハードな陵辱プレイを求めて本作を買うのは止めておいたほうがいい。というのは、本作の本質は明るい変態コメディだからだ。
出典:同上
まったく可哀想には思えない絵面。
本作のゆるい雰囲気のなかで、いくら過激なことが行われても、陰惨さを感じることは難しいだろう。たとえるなら、リアルなバイオレンスゲームで一般市民を轢き殺すのは酷いと感じられても、マリオが踏みつぶしたクリボーには何の同情も沸かない、というようなギャップがあるのだ。
本作の趣旨から言って、こうした雰囲気は歓迎されるべきものだ。我々がヒロインに行うのは、飽くまでオシオキにすぎないのだから、後腐れの少ないエロシーンのほうが好ましい。調教物としてみた場合は微妙な内容だけれども、そもそも本作はそういう趣旨の作品ではないのだ。
6. コメント
『聖娼女』から引き続き、当たりを引いた。あれとは方向性がまったく異なる作品だが、純粋にコメディとして面白かった。実用性のみを重視するなら、正直一級の出来とは言いがたいものの、アリアの一部、ノワール、ステラのエロシーンに関してはなかなか良かったと思う。十分満足できる作品だった。
- 総合評価 165/200点
- シナリオ 50/60点
- グラフィック 65/80点
- 音声 35/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | アクマでオシオキっ! 丸城戸サド式ヘンタイお仕置き講座 |
ブランド | Luxury |
発売日 | 2013年7月26日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |