感想と評価 115/200(可)
その日、褐色尻・アナル好きの主人公(雅臣)は、同じ学園に通うリディアのプリ尻とアルカナのデカ尻をいつものように追っかけていた。リディアは魔族の王の娘であり、アルカナは死神族の長でもある。アルカナは痴漢行為を止めない彼に呪いを仕掛けるが、事故によって逆に自分とリディアに呪いがかかってしまう。それは、雅臣に対し絶対服従となる恐怖の呪いだ。こうしてリディアとアルカナは不幸にも、呪いが解ける一週間もの間、雅臣にいいように弄ばれるのだった。
上述のあらすじからお察しのように、本作のエロシーンのほとんどは、厳密には凌辱であって和姦ではない。ただBGMがコミカルで、会話がドタバタ系だから、和姦っぽい雰囲気になっているだけだ。ヒロインは基本的に嫌がるし、ストーリー展開も典型的な凌辱ものに近い。少なくとも純粋な意味で和姦ではないから、そこは注意してほしい。
また、本作は「アナルで堕とす」と謳っておきながら、実際のエロシーンの半分程度はアナルと無関係である。アナル特化を望んで本作を買えば、きっと失望する。どうしても買うなら、せいぜいいつものリリス作品より、アナルの比率が増えたくらいに思ったほうが精神衛生上宜しいだろう。アナルに対するフェティッシュなプレイなど、望むべくもない。
果たして彼はアナルで堕としたのか
本作の主人公は設定上、アナル好きと尻好きを兼ねているようだ。しかし、そのことは実際の行動に十分には反映されていない。
アナルや尻が好きで堪らないなら、ヒロインを襲ったとき真っ先にアナルや尻を狙うべきところ、どちらの場合もまずはお口、そして前の穴の処女を狙う。尻とアナルは二の次である。この件については、彼の意味不明なポリシー(ドサクサにまぎれてアナル処女を奪わない)が地の文で述べられているが、その後の展開をみても、彼のいう”ドサクサにまぎれて”という状況の線引きは非常に曖昧だ。
また、本作のエロシーンの半分程度は、何故かアナルと無関係の内容である。回想数ではなくCG枚数でみても、やはり半分程度は無関係だ。ではその無関係なのはどんなエロシーンかというと、口淫・精飲、手コキ、膣でのセックスなどである(お前はアナル好きではなかったのか?)。
主人公がアナルを責めた場合でも、それが純粋にアナル快楽を追求したものとは限らない。
リディアルートの場合、主人公がアナルを責めている際には、陰核や膣なども並行して責めていることが多い。これでは、アナルで感じているのか、アナル以外で感じているのか曖昧であり、アナルフェチの観点からは納得しかねる。
ストーリー展開上はアナルが開発されていることになっているが、テキストに欠片ほどの説得力もない。そのため、アナルが開発されたということ自体が、取ってつけた設定のように感じられる。公式には「アナルで堕とす」と謳われているが、実際の内容としては単なる快楽調教と変わらない。
一方、アルカナルートは、リディアルートよりもマシな内容ではある。アルカナへのアナル責めは、ちゃんとアナル快楽に焦点が絞られている。が、アナルとは無関係なエロシーンが多いのは変わらないので、こちらもアナルプレイに特化しきれてはいない。
肛門と尻をもっと魅せるんだ!
本作は、「アナルで堕とす」をコンセプトにした作品だ。そうであれば、いちアナル好きとしては、挿入されたり弄られたりしてぽっかり開いた肛門の1つや2つや3つくらいは期待したい。が、本作にそういう描写はほぼない(チラ見程度ならある)。
そもそも、肛門の描写自体があまり強調されていないのだ。後背位などの際にちょこっと小さな尻穴が見える程度だ(アナルセックスじゃないけれども)。
肛門描写は残念だったが、では尻のほうはどうか? 本作では、リディアの尻をプリ尻(プリプリと引き締まった尻の意)と呼び、アルカナの尻をデカ尻と呼ぶ。そう呼んで区別するくらいだから、二人の尻の特徴の違いを存分に堪能できることを期待したいところだ。
しかしビジュアル上、本作ではこの違いが十分に描き分けられていない。むしろ一枚絵を全部比べてみれば、どっちも同じなのではないかとさえ思える。せいぜい、リディアのほうが華奢だから、恐らく引き締まっているんだろう、という推測があるだけだ。
とはいえ、二人のエロい尻を堪能できる絵自体は多くある。その点だけは評価したい。リディアのシックスナインや尻コキについては、とても気に入っている。
取ってつけたエンディング(ネタバレ)
個別エンディングは唐突に終わる。
特にリディアエンディングは、ようやく結ばれてこれからというタイミングで、ぷつりと終わってしまう。エンディングエッチへの導入として、何やら二人のエッチな関係が進展したという説明が入るものの、ほんの少しの改行で終わるから、斜め読みしていると何が起こったのか理解できないと思う。
アルカナのほうはまだマシだが、それでもやはり”リディアよりはマシ”というレベルでしかなく、唐突な終わり方であることには変わりない。何の脈略もなく主人公の呼称が「ご主人様」に変わってしまい、とりあえず最後はアナルで終わらせておけばいいだろうという、いかにも安易な終わらせ方には冷笑させられた。
ハーレムエンディングの内容については、特に語ることもない。ごく普通の”ご主人様の取り合い”だ。今までのリリス作品と異なるのは、ハーレムルートがあるわけではなくて、個別エンディングをクリア後におまけとして閲覧できるということだけである。
評価とコメント
まずは性的嗜好の理解を深めてから出直してほしい。特にシナリオのレベルの低さが目につく。グラフィックは、リディアの表情がテキストや声と比べてずいぶんと硬く感じられる。
- 総合評価 115/200点
- シナリオ 10/60点
- グラフィック 65/80点
- 音声 30/40点
- システム 10/20点
エッチ内容について
作品情報
タイトル | 褐色アナメイト ~桃尻っ娘を堕とせ♪~ |
ブランド | Lilith |
発売日 | 2012年03月23日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |