概要と評価 155/200(良)
作品のあらすじ
ブラック企業に務める新人社員の一也は、毎日のように課長からパワハラを受けていた。ある日、先輩社員の橘美織はそんな彼を気遣い、セックスまでしてくれた。それから一也と美織は恋人どうしとなり、同棲生活と一也の再教育が開始されるのだった。
感想の要旨
魔性の母性ヒロインに徹底的に甘やかされる作品。全体的にクオリティの高い作品ではあるが、内容は少し歪かもしれない。
エロシーンの属性
ヒロインに甘えられるプレイが多い。イラマチオ、アナルセックスあり。孕ませ的な言動はあるが、妊婦プレイはない。
目次
魔性の母性カノジョ
母性カノジョは、心理的に張りつめた状態にある主人公(一也)が、何でも受け入れてくれるヒロイン(美織)に甘えて、己の欲望を開放していく作品だ。
本作では、序盤でヒロインの呼称を7つの候補から選ぶことができる。この作品の購買層ならば迷わず「ママ」ないし「美織ママ」を選ぶのがマジョリティであろうから、ここでは「美織ママ」と呼ぶことをルールとしよう。
さて、美織ママは、我々の恋人であるとともに、母親でもある。美織ママ自身がそう自称しているからだ。
しかし、母親としての美織ママは、だいぶ駄目なひとである。というのも、美織ママの愛情は行き過ぎており、すべての我儘や甘えを受け入れてしまうからだ。
母親というのは、子どもに対して時に厳しく叱ってやる愛の鞭を持つものだが、美織ママはそれを持っていない。ひたすらに子である一也を甘やかすばかりだ。作中での美織ママの言動を例示すると、
- 好きだから尽くしたい。
- 絶対に嫌いにならない。
- 反省しているならやりすぎても怒らない。
- 一緒に暮らしてるけど、家賃は払わなくていい。毎日の甘やかしが月謝のかわり。
- 毎日好きなときに寝て、ご飯食べて、セックスして、遊び続けてもいい。
- はやく養わせてほしい。
- たまにはエッチなものを見ながらオナニーしてもいい。
- 一也のより良いオナニーのオカズを作るためにハメ撮りしてもいい。
- 乱暴なセックスも受け入れる。
- 私の体力がもたなくて気絶しても、気にせず犯し続けていい。
このように、徹底して一也を甘やかす言動が目立つ。あまりにも一也にとって都合が良すぎて、実は裏があるタイプのヒロインなんじゃないかと訝しんだが、実際のところ彼女に裏表なんてなかった。つまり、美織ママはこれらの言動をすべてガチでやっているのである。
ここまで男に都合良く尽くされると、それはもはや「母性」と呼べるのだろうかという疑問も出てくる。もし美織ママが母性溢れるヒロインだとすると、それは叱るべきときに叱り、時には甘えを許さない人間的な母性ではなく、何でも肯定して人を駄目にするような魔性の母性だろう。
歪んだ願望と共依存
主人公の一也は、我慢強い人間である。彼は毎日、上司のパワハラ的な言動を唯々諾々と受け入れ続けている。
しかし、美織ママは一也に我慢してほしくない。できれば会社なんてすぐに辞めて、自分に養われてほしいと思っている。一也がいくら我慢強いといっても限界があり、そのうち決壊してしまわないかと恐れているのだ。
事実、一也は日々抑圧され続けた結果、強姦願望という歪んだ支配欲に目覚めつつあった。彼はその願望をすぐに美織ママにぶつけるほど愚かではなかったが、彼女が何でも受け入れる姿勢を示し続けたことで、次第にタガが外れていく。
美織ママは、そんな一也でさえも愛してしまう。どんなに乱暴に犯されても、彼を受け入れ続ける。美織ママにとって、一也の我儘や甘えを受け入れることは苦痛ではなく喜びだからだ。
こうして、一也は美織ママに甘えて欲望をぶつけ、美織ママはそれを優しく受け入れて幸せを感じるという依存関係が出来上がる。単に魔性の母性カノジョに甘えるだけのシナリオかと思いきや、ストーリー展開にも意外と工夫が施されていることには個人的には好感が持てる。
エロシーンについて
先の章で述べたことからすると、ハードなエロシーンもわんさかありそうだが、実際はそんなことはない。せいぜい疑似強姦プレイやイラマチオ止まりで、美織ママを乱暴に犯すことが時々あるくらいだ。それも美織ママはちゃんと受け入れてくれるので、本作に陵辱プレイはない。
むしろ、本作のエロシーンの大半は、バブみのある愛情プレイだ。あまりに甘えすぎて、赤ちゃんプレイに手を出してしまうこともある。エロシーンの具体例は、以下のリストにあげるとおりだ。
- オフィスでフェラ。対面セックスで処女喪失。
- オフィスで机下パイズリフェラ。対面セックス。
- ラブホで自分から秘所をひろげ、正常位。
- 一緒に浴槽に入り、背面座位
- 正常位で何時間も絶倫セックス
- 路地裏で対面立位(黒スト破り)
- 側位
- 帰宅後すぐに立ちバック。パイズリ。
- 一也のオナニーサポート(パイズリ)。ゲームしながら後背位。
- スマホでハメ撮り(正常位)
- おっぱいを吸わせながら手コキ。騎乗位。
- おっぱいを吸わせながら対面座位。イラマチオ。正常位(膣、アナル)。
- エプロン姿:肛門を指でいじられながら後背位
- エロ水着:浴室で乳首を舐めながら手コキ。ローション使用。浴槽に浸かって対面セックス。
- バニー姿:おっぱいを吸わせながら手コキ。騎乗位。
総評
購入前はバブみ需要に乗っかっただけのストレートな抜きゲーだと思っていたが、投げられたのは意外にも変化球だった。グラフィック等のクオリティが高く、個人的にはとても好きな作品である。しかし、これを誰かに勧めるとなれば、いろいろと留意しなければならないことが出てくる。
というのも、先述したように、母性カノジョにおける「母性」は特殊であり、さらには強姦願望という和姦ゲームとの相性が悪い要素が絡んでくるからだ。本作はそれらの要素を上手く取り込んではいるものの、抜きゲーとしては少し歪な内容になっている感が否めない。
この歪さを逆に楽しめそうならいいが、「バブみ」を求めている人全員にオススメ! とまでは言い難い作品である。
- 総合評価 155/200点
- シナリオ 35/60点
- グラフィック 70/80点
- 音声 35/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | 母性カノジョ 子宮 帰還編 |
ブランド | あかべぇそふとつぅ |
発売日 | 2018/03/30 |
ダウンロード販売 | DMM |
パッケージ通販 | Getchu 駿河屋 |