概要と評価 160/200(優)
作品のあらすじ
『アリス』は、空の漆黒の穴を塞ぎ、ジャバウォックの侵攻を食い止める重責を担った存在だ。キャロルは、現『アリス』にして女王のルイスから、次期『アリス』として指名を受けた。城で修練を積んだキャロルは『アリス』襲名の儀を迎えるが、儀式の場にテロ組織『お茶会』が襲来し、彼女の親友のロリーナを連れ去ってしまう。『アリス』となったキャロルは、穴の封印の旅の途中、『お茶会』の塒を探し出してロリーナを救出しようとするが……。
感想の要旨
ストーリー性と演出面に関しては、私の知るわるきゅ~れ作品のなかでは歴代最高級の作品。エロシーンについては、一見ファンシーで可愛らしいヒロインが、えげつない責めを受けて醜く喘ぎながら乱れるというギャップが面白い。
エロシーンの属性
様々な嗜好を広く浅く取り扱っている。詳しくは「2. エロシーンについて」を参照。
目次
- Fancy and Spicy
- エロシーンについて
- コメント
1. Fancy and Spicy
『魔装の国のアリス』は、女王とテロ組織『お茶会』の秘めた思惑が渦巻くなか、自己犠牲を厭わない純粋無垢な少女が穢されていく様子を描いた作品だ。
出典:わるきゅ~れ『魔装の国のアリス Alice in Immoral-Land』PK版
変身したキャロル。片言英語の口上が可愛らしい。
『アリス』となったキャロルは、未熟ゆえにその力を使いこなせず、道中、お茶会の構成員に捕らえられて監禁陵辱されたり、守るべき人々の前で公開陵辱されたりする。また、彼女の受難は肉体の辱めだけに留まらない。信じていたものに裏切られ、さらには大切なものを奪われて、精神的にも追いつめられていく。そうしてキャロルが心身の痛苦に耐え切れず闇堕ちするにしろ、あるいはあくまで正義を貫くにしろ、5つある物語の結末はどれも満足のいく出来だった。
また、本作のヒロイン――キャロル、ロリーナ、ルイスの3人には、それぞれ第一印象とは異なるギャップがあった。ロリーナとルイスは一見優しそうなのに、その心のうちはサディスティックな黒一色だ。キャロルは見た目も性格も一致した天然系乙女だが、彼女のエロシーンでの醜い絶叫と乱れ具合をみれば、花も別の意味で恥じらってしまうだろう。こうしたヒロインのキャラクターギャップは、一見ファンシーな世界観にキツめのスパイスとして振りかかっており、ストーリー展開やエロシーンの味わいを強く引き立てていた。
さらに、音楽演出は、わるきゅ~れの普段と比べて随分と力が入っているように感じられた。クライマックスの、あのわるきゅ~れらしからぬ異様な熱さは、今回のBGMを抜きにして感得することはできなかっただろう。わるきゅ~れ作品をプレイして、特典はサウンドトラックのほうが良かったと思えたのは、これが初めてのことだ。
出典:同上
変身シーンはもちろん用意されている。
ストーリー性と演出に関しては、『魔装の国のアリス』は、私の知るわるきゅ~れ作品のなかではトップクラスの出来である。エロシーンに関しては、次に説明する内容があなたの嗜好にあうかどうかの問題となるだろう。
2. エロシーンについて
『魔装の国のアリス』のエロシーンの肝は、一見ファンシーで可愛らしいヒロインが、えげつない責めを受けて醜く喘ぎながら乱れるというギャップにある。エロシーンの種類は、異種姦、レズプレイ、輪姦、アナル責め、尿道責め、大量精飲、産卵・出産、魔乳化、フタナリ化などと様々な嗜好を網羅しているが、そのぶん特定の嗜好を追求した深みはない。その広く浅いエロシーンのなかで、唯一共通しているのが前述のギャップである。
出典:同上
サディスティックな本性むき出しのロリーナ。
キャロルはほとんどの場合被虐対象であり、ロリーナとルイスは彼女を責める役回りになる。ただし、ロリーナとルイスの被虐的な姿が拝めないわけではない。ルートによっては、彼女たちがキャロルと同じように、肉便器や性奴隷扱いされることもある。男の責め役は、明らかな異種(触手、亀男、馬男、鳥男など)も少なくないが、エロシーンのビジュアル的には人間に見える存在も多い。
キャロルは、処女のまま、口や排泄器官(肛門、尿道)を犯される。処女膜がどの段階で破られるかはルートによって異なり、あっさり破れることもあれば、かなり終盤まで温存されることもある。正気かそれに近い状態での和姦は、恋人っぽい関係になる特定の相手と行われる。
出典:同上
こういう台詞の数々がわるきゅ~れらしさだ。
キャロルの喘ぎ声は、「ああん♥」といった可愛らしい声ではない。「ほおぉお!?」「ぐがっがががあ……!」「おげえええぇ」「んごおおおぉッ!」「私、全身で射精してるんごぼぉおおおおおぉーッ!?」といった、人によっては千年の恋もさらに温まりそうな絶叫だ。おかげで悲惨な絵面もどこか滑稽な雰囲気をみせており、「エロいというよりは嗤える」わるきゅ~れらしいエロシーンになっている。
3. コメント
わるきゅ~れは、ニッチ嗜好を追求したかと思えば無難なものを作ったりと迷走しがちなブランドだが、本作はそれらの中庸的なところを攻めてきた作品という印象だ。今回はエロのコンセプトがあまり明確ではないので、どういう層に勧めていいのかいまいち分からないのだが、作品の完成度自体は高い。興味があるなら買うといい。
- 総合評価 160/200点
- シナリオ 40/60点
- グラフィック 70/80点
- 音声 35/40点
- システム 15/20点
作品情報
タイトル | 魔装の国のアリス Alice in Immoral-Land |
ブランド | わるきゅ〜れ |
発売日 | 2016年04月28日 |
ダウンロード販売 | DLsite FANZA |
パッケージ通販 | Amazon 駿河屋 |